お子さんが学校で困っていることについて、担任の先生に直接支援をお願いしても、先生がお忙しかったり、意見がかみ合わなかったりで、なかなか解決に向かわないことがあると思います。
そんなときはケース会議が役に立つかもしれません。担任の先生と保護者だけでなく、チームでお子さんの支援を考えていく仕組みです。
うちでは現在小学校4年生の娘について、学校で定期的にケース会議を開いていただいています。
ケース会議とは、困っている子供に対する支援について、担任の先生一人で抱えず他の先生方や保護者、時には外部の専門家などを交えて支援をみんなで考えて支えていくために行われるものです。
校内の先生方で情報共有として行われる場合と、保護者などを交えて行われる場合があるそうです。
ケース会議を行うには
発達障害など困難を抱えたお子さんの学校生活において、なにか困っていることがあるときに、担任の先生にケース会議を申し入れすれば開いてもらうことが出来ます。
お子さんの診断や特性について前もって学校に知らせてある場合でも、学校側からケース会議をやりましょうとはなかなか言ってもらえないものだと思います。
ケース会議も保護者側が知っていて申し出をしないと実現しません。ただし、学校の先生方は大変お忙しいので、なにか困ったことがあるときだけにお願いをしたほうがよいと思います。
参加メンバーは?
うちの場合、私と担任の先生、特別支援コーディネーターの先生の3人で行っています。
保護者、担任の先生、第三者で行われることが多いようです。
うちの場合は特別支援コーディネーターの先生が、知識も豊富で特別支援のスペシャリストと呼ばれている方なので助かっていますが、学校によってはあまり知識や支援技術をもたない方が特別支援コーディネーターになられている場合もあると思います。
(特別支援コーディネーターは各校に一人配置が義務付けられています。支援学級の先生、養護教諭や校長など管理職の先生が兼任されているケースが多いと思います。)
第三者は学校内で他にお子さんの支援について理解や知識の深い方がいらっしゃれば(主任や管理職などでも)お願いすることが出来ると思います。
その他、療育や病院、デイサービスなどそのお子さんの特性や支援方法に詳しい方がいらっしゃれば学校外の専門家として参加していただくことも可能です。ただし、学校は外部の方が入ることを嫌がる場合もあるそうなので事前に学校と話し合いの上でお願いすることが大切だと思います。
私の住む自治体では教育委員会から問題を抱える子供の支援方法について学校との関係調整などを行う専門の方が福祉事務所に配置されており、ケース会議に第三者として参加をお願いすることも可能です。
地域の子供相談センターや発達障害者支援センターなどに問い合わせれば、お住まいの地域の制度を教えてもらえると思います。

怒りをコントロールできない子の理解と援助―教師と親のかかわり
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何を話し合うの?
私の行っていただいているケース会議では、保護者、担任の先生からそれぞれ子供の今の現状や困っていることについて話します。
そしてその原因について考え、支援方法の提案があり、学校、家庭のそれぞれで出来るものを決めていく形です。定期的に行っているので、前回からの子供の様子の変化、つまりその支援方法によってどのような効果があったかも話し合われます。
定期的に回数を重ねることでPlan(計画)→ Do(実行)
うちの場合は特別支援コーディネーターの先生が全てインタビューしてくださり、支援方法もさまざまな形で提案して下さいます。
娘の場合、授業に集中するために席を前のほうにしてもらうようにしていただいたのも一つの例です。クラスではくじ引きで席を決めているのですが、周りの子にわからないように席を指定する裏技もあるそうです。
一時期、薬の調整で宿題が出来なくなったときには宿題の軽減、文字がすごく乱れていたときは担任の先生が毎日きれいに書いた日には番号をつけて下さり、その数字を伸ばすためにがんばる工夫、授業中の問題、クラスのほかのお子さんとの人間関係の問題、家庭で不安定な時期に私の子供への接し方のヒントまであらゆる提案をいただいています。
問題があるときは毎月行っていただき、今は落ち着いてきたので学期に一度のペースで行っていただいています。
ないとは思いますが、申し出たけども相手の先生がケース会議ってなんじゃらほい?という場合やうまく話が進まない場合には国立特別支援教育総合研究所のこちらを参考にしていただければと思います。
こちらは福岡市の発達教育センターのケース会議マニュアル。保護者参加型ではなく学校内で行われるもののマニュアルのようですがかなり詳しく載っているので参考になると思います。(PDFです)
http://www.fuku-c.ed.jp/schoolhp/hattatuc/5download/h24ke-sukaigi.pdf
チームで支援していくことの大切さ
先日、私の所属している通級指導教室親の会で、中学校の通級指導教室の先生をお招きし、中学校での支援についてお話を伺いました。
中学校では科目ごとに先生が違います。先生方で学年団というチームとなり毎週子供たちの情報を共有しているそうです。その中で支援が必要な子供たちについても特性や支援方法などが情報共有されていると伺いました。
科目ごとに得意や苦手の差が大きいと担当の授業だけを診ていたら先生の評価も大きく違ってくるでしょうし、情報を共有して下さることでいろんな先生の視点から子供を支えていくことができます。
小学校ではほとんどが担任の先生によって授業が行われていますが、先生と子供の相性や、障害への理解度の違い、支援技術の違いが、先生によって大きく違います。学年が変わり担任の先生が変わってもしも理解の薄い先生に当たってしまったら・・・
1年間、子供は毎日辛い思いをしながら学校に通わなくてはなりません。たった1年でも大人よりは世界の狭い子供にとって大きな問題です。不適切な対応によって心に大きな傷を負うこともままあることです。
我が家の場合は運よく今まで理解のあるすばらしい先生方に恵まれてきました。しかしこれからはどうかわかりません。毎年学年の変わる4月には祈るような気持ちでいます。
でも、ケース会議などを通じて、担任の先生だけではなく他の先生方や管理職の方々と繋がることが出来れば、その不安も軽減します。
仮に担任の先生と支援についての意見がかみ合わなくても、第三者の入る会議を通じて支援方法を客観的にみて下さいますし、継続してケース会議を行うことで支援方法が適切であったかの検証、改善に向かった話し合いを持つことが出来ます。
ケース会議は記録され子供自身の情報として学校に保存されています。今までの経過を学年が変わっても資料として引継ぎされています。
必要な場合は学校外の支援機関との連携としてケース会議を行うことも可能なのです。

教室でできる特別支援教育のアイデア172 小学校編 (シリーズ教室で行う特別支援教育)
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家庭でも、家族の中だけで問題を抱え込んでしまえばどうしても視野が狭くなり問題がこじれがちになります。自分ひとりの尺度では限界があるからです。
多くの人の視点、考え、アイディアがあれば解決への道筋が立ちやすいものです。子育ても同じく多くの人によって子供を支えることがよりよい育ちに繋がっていくと考えます。
私も子供に診断が付くまではひとりで抱え込み抜け出せない暗闇のなかでもがいていました。今では学校や医療関係、療育など様々な専門家の方々、同じく発達障害児を育てる保護者の方々とのつながりをもつことができて、たくさんの知識や子育て、支援のアイディアをいただいています。今は孤独ではありません。
家庭という狭い空間の中だけで困難を抱えた子供を育てるということは、鋼よりも固い心を持たない限りとても危険なことです。是非周りに助けを求めてほしいと思います。
時には、学校と意見が合わず対立してしまうこともあるでしょう。
でも基本的には学校と家庭は連携し子供を共に支える同士だと思っています。
出来る範囲で良好な関係を保ちながら、子供の学校生活や育ちを一緒に支えるためにケース会議はとても役立つ方法のひとつです。
息子がズボンを裏に履いていた。「ポケットでてるよ?」
息子「え?」
「ズボン裏だよ」
息子「なんかチャックとボタン閉める時やりにくいな~と思ったんだ」
なぜその時点で気付かぬのじゃ。
— なないお (@Nanaio627) 2016, 1月 24
チャックとボタンが閉めにくい+自分はしょっちゅう裏表や前後ろを間違える
この二つの状況は知っていても「=もしかして間違っている」という答えは導き出せないらしい。
繋がってないんだろうなぁ、そこが。
— なないお (@Nanaio627) January 24, 2016
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