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娘を苦しめる自他境界の問題。

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自閉症スペクトラムの特性に自分と他人との境界があいまいであると言う問題があります。

うちの子供達にもその特性ははっきりとみられます。

息子の場合は会話の中で出てくるものだけですが、娘の場合、行動にも出ています。

会話の中に見られる自他境界の問題はこちらの記事に書いています。

nanaio.hatenablog.com

 

娘は小学4年生になった現在、外では自分と他人の境界ははっきりと認識できているようですが、どうも家族の中には境界がなく、自分の境界の中に取り込んでしまっているようです。

なので娘は学校で問題のある行動はほぼなく自分からトラブルを起こすことはありません。なのに家では毎日のようにトラブルになりパニックを起こしています。

落ち着いている時はソーシャルスキルトレーニングなどで学んだように人にものを頼む言い方や家族との会話もスムーズに出来るようにはなりました。

しかし瞬間湯沸かし器でちょっとしたことでもプチパニックになります。

例えば鼻がかゆい。アレルギーがあるのでしょっちゅう鼻がかゆくなります。

そうすると「ティッシュー!ティッシュどこー!!見つからない!!」と大騒ぎをします。目の前にあっても。

学校ではそのようなことは一切せず、自分で落ち着いて対処しています。

家では騒げば人がなんとかしてくれるという意識があるのです。

そのことがわかっているので無視をすると本格的なパニックの始まりです。

自分で見つけることが出来ても人を思い通りに動かすことに必死になっているので気づかぬふりをして大騒ぎし続けます。

人の手を引っ張り力づくでも無理やり探させようとします。

自分の境界の中に取り込んでいる家族は娘にとって自分の手足のような感覚であり、思い通りに動かないことが許せないのです。

娘のパニックで私も対応に行き詰まり一旦冷静になろうと離れようとしても娘はそれを許しません。意地でもすがりつき邪魔をします。

隙をついてトイレに駆け込み鍵をかけても叫びながらトイレの戸を叩き続けるのです。お風呂の戸を蹴って壊したこともありました。

なので私も冷静な対応ができず感情に任せて怒鳴ってしまうことがしばしばです。その度に後で自己嫌悪に陥っているのですが・・・。

娘は自分自身のコアとなる境界は持っており、そこへ人に踏み込まれると猛烈に反発しパニックになります。しかし、家族の境界の中にはずかずかと入ってくるのです。

 

このようなパニックは朝起きた時から宿題をする寝る準備をするなど日常生活の中で毎日のように起きています。

先日も朝から大騒ぎをしていてそのことを記事に書こうと思ったら過去記事に同じものがありました。一年近く前なのにほぼ同じことを繰り返していました・・。

nanaio.hatenablog.com

この時よりはパニックの時間が短くなったこと、手をつかんで離さないなどはありますが叩いたり蹴ったりするほど暴れなくはなりました。

流石にもうすぐ10歳。幼稚園の時から繰り返している朝の支度の手順が覚えられない、自分で着替えられないなどということは娘の能力的には考えられません。

寝起きで機嫌が悪いこともあるでしょうが、学校では先生の指示や視覚支援など一切なくても体育の着替えも帰りの支度もやっているわけですから。

 

以前は、家族への甘えなのか、親としてこれを受け止めた方がいいのか、学校で頑張ってきたストレスなのかと色々考えていましたが最近はっきりと気づいたのです。

これは娘の自他境界の問題であると。

そして娘の現在抱える困難の多くはこの自他境界のなさが引き起こしているのではないかと。

学校でのストレスはもちろん多少はあるでしょう。でも娘は学校に行き渋ったことは今まで一度もなくどちらかというと嬉々として通っています。

目立ったトラブルもなく授業も楽しいそうです。

もちろん家ではない分の緊張感はあるので家に帰るとおしゃべりが止まらなかったりしますが、ぐったりするようなこともなく体力も有り余っています。

家族への甘え、多くのお子さんでも外での顔と家での顔が違うように多少はあることでしょう。しかし娘の場合は明らかに家族を自分の意思通り動かすことに必死でそれが即パニックに繋がっていて、それは親だけでなく同じ自閉症を持つ弟にも向かいます。このままただ受け止めるというわけにはいかないのです。

娘を守りたい気持ちと同じだけ、息子も守りたいのです。

娘のこのパニックは家族をとても疲弊させます。それ以上に本人が激しい混乱と数々のトラブルの中で自分の心を削っているのです。

 

今まで娘に対しては家族であれ自分と他人は別の考えを持ち別の感じ方をすること、自分が思うような行動を相手がしなかったとしてもそれは相手の決めることであってあなたには関係がないしどうしようもないことなのだと繰り返し繰り返し話してきています。

コントロールが出来るとすれば自分だけであり、他人の動向は他人の自由として諦めるしかないと。

娘は頭では理解しています。しかし感覚では腑に落ちていないのでパニックになると出てきてしまうのです。そして諦めるということ自体が娘にとってとてもハードルの高いことです。

もうすぐ娘は10歳になります。一般的にはこれくらいの年齢で自分を客観視できるメタ認知や抽象的思考が育ってくると言われています。

自閉症スペクトラム児の場合このメタ認知が付きにくかったり遅れる場合もあるそうで、周りとの関係に差が出てくる原因となりやすいそうです。

これにも自他の境界の甘さが関係しているのではと私はなんとなく思うのです。

(私は専門家でもなんでもないので子供と過ごす上で感じたことです。)

自分と人との境界がはっきりしていないということは自分自身のアウトラインが見えにくいということ。

自分のアウトラインが見えなければ自分を客観視することなど難しいと思うのです。

 

娘が家族に対しての自他の分化が出来る時期がきているのかどうかは正直わかりませんが、少しずつ詳しく話を続けています。 

外で自他区分が出来ているなら問題ないようですが、身近な人ほど他人の領域を犯してしまう、自分の意に沿うよう無理やりコントロールしようとするということは娘自身の将来に大きな困難となって立ちはだかるものだと思っています。

図を描いて自他のエリアの話や、自分がパニックになってしまう原因が人を思い通りに動かそうとしていること、それが自分を苦しめているということを丁寧に話をしました。

これからもきっと形を変えながら同じ話を繰り返して行くでしょう。

いつか娘自身の中で腑に落ちて、他人を思い通りにするためのパニックとトラブルによる辛さから娘が解放される日まで続けていくつもりです。

 

朝の支度について、今までは「次なにするの?!わからない!!着替え出して!」と逆切れしていたのですが、娘と話をした上で指示も一切しない、自分が何をするのか自分で考えて行動しなさい、出来なければ学校を諦めなさいと突き放してみました。

自分はそれをやる能力はもう十分にある事、自覚を持って取り組むことなど話したので、腑に落ちたのか次の日からは自分で起き、指示もないなか自分でてきぱきと支度を済ませ学校に行くようになりました。

いつもはこれがどれくらい続くかな~という感じだったのですが、今回はこうしたほうが自分が楽だと本人も言っているだけに続きそうな予感がします。今一週間ほど続いています。

これを朝の支度だけではなく広げていけたらいいなと思っています。

 

これは私が娘を見ている限り、娘は自分で出来ると踏んだからです。

娘と同じようなタイプのお子さんでも状態や成長によって時期があると思います。

同じく自閉症スペクトラムを持つ息子の場合、学校などの着替えは指示なくできますが、冬季鬱傾向があるので冬になると朝は極端に動けません。支度にも介助が必要です。

息子の場合は自分で出来ることは極力自分でやろうとする子で出来ないことは本当に出来ないことなんですが、娘の場合は本人が出来ないと言っていることの大半は能力的には出来ることだったりします。

その時の調子や環境によって出来る時もあれば出来ない時もある。これが発達障害児によく見られることでしょうが、娘のように自他区分の問題から人をコントロールしようとして出来なくなっていることもあるのです。

周りも苦しいけどもパニックは本人が一番つらいこと。

この苦痛から娘がいつか解放される日がやってくることを願っています。

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テンプル・グランディンさんから学んだこと「こだわりを生かす」生き方

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昨夜、NHKの「スーパープレゼンテーション」という番組でテンプル・グランディンさんのTED講演が放送されました。

テンプル・グランディンさんはアメリカの動物学者であり、自閉症を持ちながら画期的な家畜施設を設計し成功を収めた方です。

このグランディンさんのTED講演はずいぶん前から日本語訳付のものがネットで公開されており私は子供達に診断がついてすぐから何度も繰り返し見てきました。

私にとってはとても素晴らしい内容で見るたびに元気がもらえます。

www.ted.com

こちらのTED公式でも日本語訳で見ることができますが自動で翻訳されない方は下記のサイトでどうぞ。

digitalcast.jp

昨夜のNHKのサイトでもTED講演をみることが出来ます。

www.nhk.or.jp

自閉症と言う障害を持ちながら成功した一人であるテンプル・グランディンさん。

それは彼女が特別な才能をもっていたからであり、多くの発達障害を持つ人はそうではないケースの方が圧倒的に多いし、誤解を生むというご意見もあるようです。

確かに彼女は素晴らしい才能を持ちそれを発掘し育成し発揮できる機会に恵まれてきたからこその成功であるのでしょう。

全ての発達障害者が彼女と同じように特別な才能をもつわけでは当然ありません。

それは発達障害でない人々にも色んな人がいるのと同じです。

発達障害だからなにか特別な才能があるはずと周りに言われるのはとても苦しいことです。

ただ、私は彼女の言葉の中に発達障害を抱えながら生きていく上でのヒントはたくさんあると思っています。

 

こだわりを生かす

テンプル・グランディンさんは自閉症の特性である細部に注目すること、その細部をパズルのように組み合わせていく視覚優位の思考、多くの人々とは違う視点を活用することによって成功を収めました。

細部に着目する特性は多くの自閉症スペクトラムの人が持つもので、それによって社会的に困難な面がでてくることも多々あるでしょう。

一見弱点であるように見える特性も、発想の転換をし、活用する機会を求めれば長所として生かすことが出来るという素晴らしい例だと思うのです。

うちの場合、息子は1歳頃から数字に対して強いこだわりを見せていました。

興味はチャンスと思って数に関する遊びから計算につなげていき図形に進みどんどんと算数の概念を吸収していきました。

教えればスポンジのように吸収し展開していく息子の算数的発想がおもしろく親子して夢中になってやっているうちに、小学2年の今、数学検定4級を取得し算数オリンピックに挑戦するまでになりました。

 ※子供達の学習に関してはこちらのブログに書いています。

うちの子流な学習記録

 

こだわりを広げる

テンプル・グランディンさんのお話の中にもこういうことが出てきます。

 

馬の絵ばかりを描く私に母は言ってくれました。

「他の絵も描いてみない?」と

違うやり方を知る必要があります。

レゴに執着する子がいれば他のものを組み立てるよう促すんです。

自閉症の脳は執着する傾向があります。

レーシングカーが好きならそれを算数に使うんです。

この距離を何分で走る?とか。

子供のやる気を引き出すため執着心を利用するのです。

(別の翻訳でこのあとに)

 そうすれば自ら学ぶようになる

(中略)

別の可能性としてはソフトウェア産業からリタイアした人たちに教えてもらうことです。

教える内容が古くても構いません。

引き金となることが大切なのです。子供達のスイッチを入れるのです。

こだわりを生かすためにはそのままにしておくのではなく、こだわりを利用して可能性や興味を広げていくこと、

子供の興味を引き出すための引き金が重要なのです。

 

親として私ができること

うちには娘と息子、二人の発達障害児がいます。

きょうだいと言えども全く違ったタイプ。

同じものを見せても一方が興味を示しても一方は全く関心を示さないことも多いです。

こちらがたくさんのカードを見せた中で子供達がそれぞれチョイスする。

そのチョイスしたカードを展開させるためのバックアップをしていく。

 子供の興味の小さな芽を見逃さず水をやり育てる作業が必要なのだと思っています。

息子の場合は現在数学に興味が特化しそれを伸ばしていますが、娘の場合は興味があちこちに飛び散っているためこれといって目立ったものはありません。

しかし手持ちのカードを増やしていくうちにこれと言うものを見つけてくれるのではと思っています。チョイスするのは娘自身なのですから。

私が親として出来るのは引き金になりそうなものを多く用意することです。

それが将来職業と直接結びつかなくても、好きなものがあるやりたいことがあるというのは生きる原動力になります。 

 

具体的にはどんなことをやっているのか?

テンプル・グランディンさんのお話にもあったように今興味のあるものこだわりのあるもの好きなものからスライドしていく方法がまずひとつ。

単に対象を広げるだけでなく、身につけた方がよいスキルに結び付けることもできます。

例えばおやつの時間にクッキーを食べながら今何個ある?母さんと同じ数にわけたら何個?3個食べたら残りはいくつ?などとクイズにしながらおやつを食べていきます。

数の概念から四則演算の基礎まで楽しみながら身につけることが出来ます。

買い物の時は小さい頃は好きなお菓子を何個と決めていましたがある程度計算が出来るようになってからは予算を決め、暗算しながら自分の欲しいものを選んでいくルールにしています。

料理のお手伝いをしながら科学の話に結び付けたり、散歩をしながら草花や虫を観察したりあらゆる結び付け方があります。

 

もうひとつは子供の疑問を出来るだけ逃さないこと。

子供達はことあるごとに「なんで?これなに?」と聞いてきます。

子供の疑問に出来るだけ丁寧に答え、疑問によってはネットで一緒に調べ、画像や動画でより印象に残りやすくします。関連するものも調べて行きます。

国旗に興味を持てば国旗の絵本や国旗カード、世界地図や地球儀を揃えグーグルマップで世界の国々を見たり

「水はなんで出来ているの?」という疑問なら、そこから分子や原子の話に広げて行き化学の本や元素周期表を学べるアプリなど楽しくかかわれるものを導入すればすぐに覚えていきます。

学習だけではなく手芸や絵や料理、工作など物を作ることに興味を持っている娘には画材や裁縫道具を用意したり幼稚園の頃から積極的にいろんなものを使わせてきました。

もちろんいくらでもお金が使えるわけではないので100均で買えるもので揃えたり、いつでも丁寧に答えられるわけでもないので可能な範囲でやっています。

ネットの検索のやり方、辞書の引き方など疑問を自分で調べる方法を教え身につけていくと自分でどんどんやってくれます。

基本「マジレス母さん」でやっています。

お子さんの興味とタイプに合わせてやっていくことが大切だと思います。

 

特別な才能があることが幸せに生きていけることと必ずしもイコールではありません。

親として私が願うのは子供達が才能を持つことではなく、幸せに生きることです。

特性上、社会性というカードをあまり使えないのであればなにか代わりのものを探していくこと。

スペシャルカードはなくても手持ちのカードを増やし広げそれを使ってうまく生き抜くこと。

そのためのサポートがしていけたらと思っています。

Temple Grandin [DVD] [Import]

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 エミー賞を獲得したテンプル・グランディンさんの半生をつづったアメリカのテレビドラマのDVD。日本語字幕がないのが残念ですが、英語の分かる方はよいのではないでしょうか。

以下、テンプル・グランディンさんの著書です。

自閉症感覚―かくれた能力を引きだす方法

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我、自閉症に生まれて

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  • 作者:テンプルグランディン,マーガレット・M.スカリアーノ,Temple Grandin,Margaret M. Scariano,カニングハム久子
  • 出版社/メーカー:学研
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テンプル・グランディン―自閉症と生きる

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「子育て観」の関連記事

ADHD薬コンサータの記事に寄せられたコメントに対する私見

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昨日私のブログへ反精神科医療のお考えと思われる方からコメントが寄せられました。

該当記事の主旨上コメント承認はいたしておりませんが、コメントを書かれること自体公開を前提に書かれていらっしゃるはずですので、代わりにこの記事にて引用と私見を述べさせていただきたいと思います。

ただしこの私見に関してはそのコメントを寄せられた方へ向けての内容のつもりありません。

人それぞれ色んなお考えの方がいらっしゃることですし、他者が信じることついて議論をするのは不毛であると考えます。よってコメントを寄せられた方とこれ以上議論をするつもりは毛頭ありません。

しかし同じお考えを持つ方から似たようなことを言われ、悩み苦しんでいらっしゃる方も多いと考えましたので私見を述べさせていただこうと思います。

 

コメントを寄せられた記事はこちらです。

nanaio.hatenablog.com

 1年ほど前の記事です。

記事の中にもありますが、土日や夏休みなどの長期休暇中は体重コントロールのために休薬をしております。

娘は小学4年になった現在もコンサータ服用は続けています。

以下、コメント全文を引用させていただきます。

 ADHDとは?ここから考えてみましょうか。 精神科等無い時代にはどうしていたのでしょうか? 単に落ち着きの無い子供(個性・性格)だったのでは?子供なんだからそれでいいのでは?個性なのでは? 歴史に名を残す人物の多くはADHDだったと言われています。それは、探究心・創造力・行動力が優れているからです。 学校の先生から落ち着きが無いといわれる→子供を精神科に連れて行く→ADHAだと診断され薬を処方される→子供の人生をだいなしにする。 西洋医学が万能であると勘違いされている現代ではこのようなとんでもない間違いが起こります。 子供には罪はありません。親にも罪はありませんが・・・。 よく考えて見ましょう。ADHDという病気を新しく創る事によって誰が利益を得るのか。製薬会社と病院です。製薬会社はマスコミのスポンサーなので大きく報じられる事は無いでしょう。 西洋医学が優れているのは救命医療だけです。 病院に行って風邪が治りますか? 風邪も治せないのに新しい病気のADHDが薬で治ると思いますか? ADHDだけではなく精神科で処方される薬の多くは麻薬同等です。症状を感じなく無くなるだけで治りません。 1ヶ月以上服用しているのであれば依存になっています。止めたくても止められません。 止めるとまともに呼吸さえも出来なくなるでしょう。全身の筋肉が硬直し、痙攣します。失神する事もあります。記憶が失なわれたり、会話が出来なくなったり・・・まさに「地獄」の体験をします。 子供さんに与えている薬が安全だと思うならご自身で1ヶ月飲んでみられたらどうでしょうか? 全く効果が無いであろうその薬を止める時にどんな苦しみを味わうか、体験してみると良いかと思います。 私なら絶対に子供には与えませんし、友人や知り合いなら1日も早く止めるように薦めます。 精神科の薬を飲み続けると行き着く先は廃人か死です。 「ADHD 大統領」「トランキライザー 依存」等のワードで検索されてみる事をお勧めします。 

 

コンサータの依存に関して

先ほども書きましたように娘は数年にわたるコンサータの長期服用をしており、夏休みなどの長期休暇は休薬をしております。

 1ヶ月以上服用しているのであれば依存になっています。止めたくても止められません。 止めるとまともに呼吸さえも出来なくなるでしょう。全身の筋肉が硬直し、痙攣します。失神する事もあります。記憶が失なわれたり、会話が出来なくなったり・・・まさに「地獄」の体験をします。

この一文だけで本文を全くお読みになられていないのはよくわかりますが、

何年飲んでいても夏休みや冬休みに休薬しても娘にこのような症状は一切現れず元気に生活しております。

1年半ほど飲んだ後に体重調整の都合で半年ほど止めたことはありますが、特に体調に問題なく止めることができました。

コンサータを飲んでいない状態と変わらず多動や不注意や衝動性の多い状態に戻るだけです。

コンサータは12時間で薬効が切れるよう設計された徐放薬なので普段から薬が切れた夜間はこのような状態です。

私の周りにもコンサータを服用されているお子さんは何人もいますがこのような話は聞いたことがありません。

ただ、薬は合う合わないがありますのでコンサータの副作用である食欲不振などが強く出たりあまり効果が感じられなかったりでやめられたりストラテラに変えたという話は聞きます。

コメントを書いて下さった方がそのような実体験をされたのでしょうか?それとも身近なお知り合いの方でそのような体験をなさった方がいらっしゃるのでしょうか?

まさかどなたからか聞きかじった話でこのように断言されていることはないですよね。なにかの専門家の方なのでしょうか。

専門家の方ならコンサータを処方された人のうち何パーセントの方におっしゃっているような症状が現れたのか、一部の例ではなく精査のついた論文など信頼できるデータを是非示していただきたいものです。

インターネット上の記事はいろんなことを調べるのに便利ですが玉石混淆、個人が好きなことが書けますものね。

当ブログも自分と子供の体験を私の視点で書いているにすぎません。

薬や西洋医学が万能などとは思っておりませんし本文にも書いておりますようどんな薬にもまれに重篤な副作用が起こる場合があります。

たとえばよく使われる胃薬であるガスターのファモチジンにも意識障害や腎臓や肝臓の障害、鎮痛解熱剤であるロキソニンなどのロキソプロフェンにも心不全や喘息発作などがまれに起こりうる副作用として明記されています。

ファモチジン:ガスター

ロキソプロフェン(内用):ロキソニン

コンサータの主成分であるメチルフェニデートももちろんまれに重篤な副作用が起こりうると書かれています。

メチルフェニデート:リタリン,コンサータ

市販薬にしろ処方薬にしろたいていどの薬にもこのような重篤な副作用の可能性が示されています。

このまれに起きる可能性に対して薬を拒否されるのであればその方のお考えですし公衆衛生上問題がないものであれば本人の自由だと思います。

「西洋医学は救命救急だけが優れている」と書かれていますが救命救急でも往々にして薬を使います。まれに重篤な副作用が起こりうる薬を。

長期だから短期だからの違いはあるでしょうが副作用が起こりうる可能性があることは同じなのです。

コメントの文章からだと100%のように断言して書かれていますが少なくともうちの娘の場合はコメントに書かれていたような依存症状は一切出ておりません。

 

利益の追求に関して

「薬を売って利益を上げるために子供を病気に仕立てている」という説はよく耳にします。

よく考えて見ましょう。ADHDという病気を新しく創る事によって誰が利益を得るのか。製薬会社と病院です。製薬会社はマスコミのスポンサーなので大きく報じられる事は無いでしょう。

製薬会社や病院はボランティア活動ではありません。専門技術を持った専門家の集まりです。その専門性と技術に対して対価を払うのは当然のことと私は考えます。

資本主義社会の中で経済活動を行うにあたり、民間企業が利潤を追求することも当然です。

誰かが利益を得ること自体がお気に召さないのであれば、物を買ったり仕事をし対価を得るという経済活動自体を否定すること。やめられたほうがよろしいのではと思います。

このように人によって考え方の大きな違いがあるのですから、医療関係の方にもいろいろいらっしゃるでしょうし中には過剰投与などの問題が存在するのも事実なのでしょう。

国家資格を持ったお医者様でも全ての方が人徳者であるはずもなくもちろん万能でもありません。

しかしすべての精神科医が過剰投与をしているわけではなくごく一部に過ぎません。

処方される薬や診断によって救われる人の方も多くいらっしゃるにもかかわらず一部を誇張しすべてのように話されるのは、非常に迷惑な話です。

「自分たちだけが真実を知っている」という優越感に浸りたいのであればどうぞお仲間内だけでやっていただけないでしょうか。

少なくともうちの場合は、診断と投薬によって親子共々救われました。

 

コンサータを飲む目的について

 病院に行って風邪が治りますか? 風邪も治せないのに新しい病気のADHDが薬で治ると思いますか? ADHDだけではなく精神科で処方される薬の多くは麻薬同等です。

コンサータはADHDを「治す」薬ではありません。治す目的で処方され飲ませていると言う認識もしておりません。

薬を処方する目的として対症療法と原因療法があります。

「原因療法」はその病気自体を治す目的のもので「対症療法」は苦痛となる症状を和らげることで生活を快適に過ごすために行われます。

風邪薬の場合も多くはこの対症療法です。風邪による不快な症状を和らげ風邪の治癒自体は本来人間の持っている力で行います。

医学も万能ではありませんのですべての病気や障害を原因治療できるわけではありませんからね。

「対症療法」自体を無駄なものと否定されるのであれば痛み止めやかゆみ止めなどをお使いにはなっていないのでしょうね。

コンサータはこの対症療法に使われる薬です。

ADHDの特性である多動、不注意、衝動性を抑えることで日常生活の失敗や人間関係の問題を少なくし、自分自身に対する自信を失わず成長していけることを目的として飲ませています。

このことは娘本人も知っており、最近では飲んでいる時の方が物を見つける時も今まで平面のごちゃごちゃにしか見えなかったものが見つけられるようになった、何かしたい時に他に気を取られて集中出来ないことがないし楽だと言っています。

1年前の記事を掘り起こしたということはわざわざ検索して当ブログにお越しいただいたのでしょうし、他人に説教をするくらいならよほどの知識がおありかと思いましたが、このような薬の基礎知識もお持ちでないとは。
対象をろくに知りもせず批判するほど滑稽なことはありませんね。
人に検索を勧めるなら自説に都合のよい話ばかりではなくまずご自分が基礎知識をつけるべく一般常識を勉強されたほうがよろしいのではと思いますよ。

コンサータの主成分であるメチルフェニデートが「覚せい剤取締法」で規制されているアンフェタミン類と似た作用機序であるということは存じております。

覚せい作用と言う意味においてはカフェインなども含まれます。

問題となるのは不正入手による乱用や依存ですよね。どんな便利な道具でも使いようによっては凶器になるのと同じです。

リスクとそれによって得られるメリットを天秤にかけて選択をする。これは薬に限らずあらゆるシーンで行われることですし、違法や公衆衛生上の問題でなければ個々の考えでよいのではないでしょうか。

他人が口を出すことではないと私は思います。

コンサータは厚生労働省の指導により流通経路や認可された薬局や医師による処方など厳重な管理がされており、徐放剤という特殊なカプセルよって半減期の短いメチルフェニデートの効果を少ない服薬回数で長時間持続させることが出来るのです。

またメチルフェニデートは、精神的依存はありますが身体的依存は認められないとされています。

専門の医師による処方に基づき使用する上では有用であるとされております。

 子供さんに与えている薬が安全だと思うならご自身で1ヶ月飲んでみられたらどうでしょうか? 全く効果が無いであろうその薬を止める時にどんな苦しみを味わうか、体験してみると良いかと思います。 私なら絶対に子供には与えませんし、友人や知り合いなら1日も早く止めるように薦めます。

 コンサータは向精神薬に分類されています。

向精神薬は「麻薬及び向精神薬取締法」によって処方された本人以外に譲渡されることが禁止されております。

そもそも向精神薬でなくとも医師に処方された薬を他人に勝手に飲ませると言う行為は「薬事法」に置いてもグレーゾーンですよね。

我が子のものであれ親が勝手にコンサータを飲むと言うことは犯罪行為です。

気軽に他人に犯罪を勧められるのはどうかと思いますが。

薬をこの方がお子さんに与えるかどうかはこの方のお考えですからどうぞご自由にとしか申し上げられませんね。

我が家とは関係ない話です。友人や知り合いでなくてよかったとしか思えません。

 

ADHDは個性なのか

 ADHDとは?ここから考えてみましょうか。 精神科等無い時代にはどうしていたのでしょうか? 単に落ち着きの無い子供(個性・性格)だったのでは?子供なんだからそれでいいのでは?個性なのでは? 歴史に名を残す人物の多くはADHDだったと言われています。それは、探究心・創造力・行動力が優れているからです。 学校の先生から落ち着きが無いといわれる→子供を精神科に連れて行く→ADHAだと診断され薬を処方される→子供の人生をだいなしにする。 西洋医学が万能であると勘違いされている現代ではこのようなとんでもない間違いが起こります。

どれだけ発達障害に関しての知識がおありなのかは存じませんが上からのご指摘ありがとうございます。

個性だと思われるのも子供だからこういうものと思われるのもその方の自由です。

自閉症がスペクトラム(連続体)であるのと同じようにADHDも多くの人がなにかしら似たような特性を持っているでしょう。

近い特性を持ちながらもご自分の工夫により社会に適応されていらっしゃる方も数多く存在すると思います。

しかし障害と診断までに至ったからにはそれが日常生活に支障をきたすレベルであったということです。

37度の微熱と40度の高熱の違いと言ったらわかりやすいでしょうか。

眼鏡の無かった昔には近眼の人はどうしていたのでしょうね?個性として済まされ困ってはいなかったのでしょうか?

昔と今で人が生きる生活環境に変化はないのでしょうか。

おっしゃるとおりADHDの特性は困ったことだけではなく優れた面も持ち合わせています。

コンサータも万能な薬ではありませんのでその特性全てを消してしまうわけではなく注意欠陥や多動を抑える効果があるとされている薬です。

ADHDの中にも素晴らしい功績を残された方がいるのだから薬がなくても全員問題はないとされるのであれば、難聴を抱える方にベートーベンみたいな才能があるかもしれないので補聴器は必要ないとおっしゃって見られてはいかがでしょうか。昔は補聴器などなかったのですからね。

うちの子の場合、学校や園から落ち着きのなさを指摘されて診断に至ったわけでもなく、就学前より診断を受けております。

適切な療育を受け、学校や先生方の理解と配慮のおかげと薬による底上げにより授業中の立ち歩きなどもなく現在は楽しく毎日学校へ通っておりますよ。

 

おわりに

お子さんが発達障害かもしれない、または発達障害と診断された方々の中には、このコメントのようなお考えの方になにかを言われたり、もしくは身内の方がこのようなお考えで理解を全くしてくれないなどと悩まれる方も多いと思います。

私の周りにもある問題です。

このブログに書いていることは私自身が得てきた情報と子供達と共に経験したことに基づく私個人の考え方であり、すべてが正しいとはもちろん思っておりません。

投薬を勧める話ではありません。うちの娘にとって必要だから処方され飲んでいると言うだけの話です。

投薬だけでどうにかなる話でもありませんし、環境整備など出来ることをやってからの一つの手段としての投薬と考えています。

このコメントは娘も一緒に読みました。そしてこの記事も娘に見せるつもりです。

「世の中、よく知りもしないのにどこかで聞きかじった話を鵜呑みにして人に押し付ける人もいるから気をつけようね」と。

おかげさまで毎月何十万と数多くの方々に読んでいただけているようですが、一つの情報に惑わされず、目の前のお子さんに向き合い、お子さんとご自身にとってよりよいと思われる選択をされますようお願い申し上げます。

なお、文頭でも申し上げましたようにこれ以上の不毛な議論をするつもりもないので、反論等のコメントをいただいてもこのブログの読者の方々にメリットがあるであろうと私が判断しない限りは承認いたしませんのでご了承ください。

自論はご自分の所で行っていただきますようお願いします。

「ニセ医学」に騙されないために   危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る!

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追記

自論はご自分の所でどうぞと申し上げたはずですがまたしてもご親切に自論を持ってこられた方がいらっしゃいました。

立派な意見をお持ちのようですが、結論はお子さんが大人になった時に分かるものです。

~リンクは中略しました~

今の問題を対処するだけのことで、今依存や副作用がないから大丈夫だと考えるのはいかがなものかと思います。 結論は今出ているのではないのです。

本文のどこにもこれで我が子の将来を結論付けたようなことは書いておりませんし、今後の投薬を継続するか否か、現状で依存症状は出てなくともその他副作用が出ているかどうかに対しては一言も触れておりません。重篤な副作用の可能性には触れておりますしそれが我が家に今後も関係ない話とも書いておりません。
リンクした元となる記事に子供の投与に対する長期服用のエビデンスがないことも書いております。この薬が絶対に安全だと主張したこともありません。
リスクとリターンを秤にかけたと書いておりますがリターンは現状のことだけを考えているわけではありません。そのことは元となる記事に明記してありますが。
元のコメント主さんのおっしゃるような事実は我が家において現状ないこと、その他ご意見に対して全く賛同できないと申したまでです。
本文をまともに読まずして行間を読むのがお得意なんですね。
わざわざ1年前の記事をおそらく検索までして他人の選択の自由を自論の展開のために侵害してくる人が非常に迷惑だという主旨の文章なんですが、そこの行間はお読みになられなかったようで。

なんのためにこのようなコメントを送られてくるのでしょう?
これで私の考えを正してやろうというおつもりでしょうか?
意見の違う他人の考えがそのような切り口で変わるとでもお思いですか?
本気でそう思われているとしたら人間との付き合い方をもう少し学ばれたほうがよろしいと思いますよ。
本文は冒頭でも申し上げましたように元のコメント主さんの考えを変えさせようという話ではなくこのような話に迷惑をしている人がたくさんいるのでその方々の参考になればと書いたまでです。
他人の考えを正そうなんておこがましいことを考えるほどずうずうしくはありませんので。
おそらく気に入らない文章に対して自論を言ってすっきりしたいだけですよね?
リンクを貼られた記事は以前に目を通したことはありますよ。
文中にもありますように一つの意見だけを盲信するほど馬鹿ではございませんのでいろんなものを見た上での我が家の判断です。それを一意見として自分のブログで申したまでのこと。
自分たちは真実を知っていると思われるのはそちらの勝手ですが、是非とも気の合うお仲間とご自分のところでやってください。
こちらに持って来られても元のコメント主さんと同様、ストレス発散の為に噛みつく先を一生懸命探しているかわいそうな方としか私には思えません。
見ず知らずの他人に自尊感情の糞を投げるような真似はやめていただけますでしょうか。

今後は一切スルーさせていただきます。

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発達障害当事者さんの強いメッセージと理想のお母さま

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今日は私が素晴らしいと思ったある方のブログを紹介します。

私のブログは私と同じく発達障害児を持つ保護者の方が読まれている場合が多いようですので、是非多くの方の参考にしていただけたらと思いました。

アスペルガー症候群、注意欠陥多動性障害、強迫性障害、反社会性人格障害の診断を受けた現在18歳の当事者、みらいさんのブログです。

miraimirai.blog.jp

みらいさんはツイッターでのつぶやきをブログにそのまままとめていらっしゃいます。

私も毎日みらいさんの連投を大変興味深く読ませていただいています。

半月ほど前だったでしょうか。初めてツイッターで話しかけていただいた時は、タメ語だったため、ダレよ?って正直思ったのですがお話の内容が興味深く次第に引き込まれていきました。

 

「反社会性人格障害」最初に見た時はぎょっとしました。よくニュースなどでも聴く言葉ですがなんとなくのイメージしか持っていませんでした。

ブログの中でご本人の小さい時からの感覚や認知について細かくかかれています。

発達障害も生まれつきの感覚が鈍かったり鋭すぎたりすることで様々な困難を抱える人がいます。反社会性人格障害もまた同じく、生まれつき持っていた感覚や成長の過程で感情の獲得に凸凹があるものなのだろうなぁとみらいさんの言葉から感じました。

知らないと言うことは偏見を生んでしまうものだと改めて思いました。

他者との境界が曖昧で、人を自分とは別の人間として認識しづらいのはうちの娘にもみられることです。(娘の場合は家族限定ですが)

みらいさんの幼少期のころと似たような行動は、程度の違いはあれうちの子供達にもちょこちょこと見られます。

 

ご自分の過去について語られるみらいさんの言葉はとてもまっすぐで伝わりやすく心に響くものです。

何と言ってもお母さまのみらいさんに対する対応の素晴らしさがとても印象的です。私自身も発達障害児を育てる身として大変勉強になる事ばかりです。

みらいさんのお母さまはみらいさんがどんな大変ないたずらをしようとも彼を否定せず受け止め、愛情を伝え、タイミングを見計らい本人に気付きをもたらすような仕掛けを次々としていらっしゃいます。

猫をいじめるなんて話も聞きますが、僕は、母が猫を拾ってきたときに、命がそこにあると感じました。
そしてそれは僕の手でどうにでもなると思いました。
母は、僕に猫を見せ触れさせました。僕は聞きました。
「こんな汚いやつ放っておけよ。それに、首ちょっと絞めたら死にそうだね。」
と笑いました。

すると、母は
「そうね、すぐに死んじゃうわね。でも、今そうすることで、快楽を得るのと、育ててみて快楽を得るのと、どっちが良いのか、あなたはわかるかしら?」
僕は、わからないと言いました。
母は、
「そうでしょう、だったら、一度育ててみたらいかがかしら?わかってからでも遅くはないわ。」

ホウホウなるほどと僕は思いました。
そうだ、やって見なくてはわからないではないか。
それに、猫は僕をやけに頼っていて可愛いやつ、全身を預けてくる。
母の提案は、僕を救ったと思います。
僕の考えを否定せずに受け止めつつ、気を変えさせたのです。
僕はお蔭で猫(弱者)への攻撃をしなくなりました。

miraimirai.blog.jp

一言、すげー!と思いました。どんなことを言っても否定せず受け止める。そして彼が納得し、興味を示すであろう答えを用意する。

 

また別のエントリには

その切り替えが、普通の人では出来なかったであろう。
母だからこそ出来た。
それは、同じ性質特性を持つもの同士だけが、ピタッと一致させることが出来たからだ。
僕は、母を見てそう解釈した。
女性はグロテスクなものを苦手とするであろう。
しかし、母はむしろ好んでいる。その異質さを僕は知っている。

それこそ普通の人から見たら二代に渡っての悪魔の誕生である。
しかし僕はそれで助かったともいえる。
遡れば祖母の偉大さを感じる。
祖母は、愛情豊かに、自由に母を育て否定しない人だ。
母は、何故子供を産んだのだろう、と質問したことがある。
すると母は
「味方が欲しかったから。」
と言ったのだ。

僕は母の答えに感嘆した。
そして味方になることを受け入れたのだ。
母の無償の愛で僕は育ち、絶対的な親子になったのだった。
そこには、何にも負けない親子の絆が育ったと思う。
そしてやっと僕は、他の存在を認め始めたのだ。
今は絶対に「命の大切さ」について、理解をしそのために行動も出来るのです。    

miraimirai.blog.jp

 お母さまもアスペルガー症候群とADHDの診断を受けていらっしゃるそうでみらいさんと似た性質をもっていらっしゃるとのこと。

真正面からみらいさんを受け止め彼の味方になり愛情を注ぎ続けていらっしゃる。

本当に素晴らしいの一言です。

 

うちも息子は私とよく似た性質を持っており、緘黙だったり人に助けを求められなかったり似たような経緯を過ごしています。

だからこそわかることも多く息子には共感もしやすいのですが、うちの場合は性質が正反対の娘のことを私が理解し適切な対応をすることがなかなか難しい状況です。

nanaio.hatenablog.com

 

そしてみらいさんのお母さまはみらいさんが母子分離の不安から寝ているお母さまに飛び込んで何度もろっ骨を折られても感情的に怒られた様子も書かれていません。

神様じゃなかろうか・・・。

この記事を書くにあたり、みらいさんに直接、お母さまが感情的に怒ったり叱ったりしたことはないのですか?と伺ってみました。

ないそうです。温かい感情しか感じたことがないと。

ただ、女優のように演じている時もあるのではないかと。

人は自分に余裕がないと優しくしたり冷静な対応をすることが難しくなる場合が多いと思います。

みらいさんのお母さまはブログにも書かれていますが自分のキャパシティを超えて特性が強く出たり、辛く余裕がない時でもお子様たちに同じように愛情を注ぎあたたかく接しておられます。

私は日々の子育ての中で自分に余裕がなければ子供に対して感情を爆発させることもありますし、そして後で落ち込むのいつものコースを繰り返しています。

自他区分の問題から私を思い通りに動かそうとパニックになりクールダウンの隙も与えてくれない娘に対してはどうしても感情的になってしまいます。

なんとか抑えて演じている時もありますが、演じている時は感情を隠すことでいっぱいなので自分でも無表情がわかります。

しかし一定を超えると演じ切ることも難しくつい声を荒げてしまいます。

正直「真似できねぇ・・・」って思いました。

感情的になっちゃうよ、だってにんげんだもの みつを

 

みらいさんのお母さまのような完璧な対応は私には不可能ですが

学ばせていただけるものは本当にたくさんあります。

子供の性質や特性もまた違えば、みらいさんのお母さまもまた私とは別人。

私は私で学ばせて頂いたことを生かしながら自分自身出来る範囲でベストを目指せればと思っています。

そして、みらいさんご自身が語られる感覚や認知の世界は、もしかして我が子もこういった思いでいるかもしれないと新しい気付きを次々と与えてくれます。

ご自分を客観視できる能力と表現力に非常に長けていらっしゃる。

お母さまから受け取られたものをご自分で深く考察し獲得しているのも、みらいさんご自身のまっすぐさがあればこそだと感じました。

しっかり受け入れられて育ったからこそしっかりと自分自身も受け止めることが出来るのだろうと。

是非、多くの方に読んでいただきたいと思います。

日々更新されていらっしゃいます。 

発達障害の親子ケア 親子どちらも発達障害だと思ったときに読む本 (健康ライブラリー)

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ことばの発達が気になる子どもの相談室――コミュニケーションの土台をつくる関わりと支援

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発達障害は「治る」のか

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前記事に質問のコメントをいただきました。

私と同じく発達障害を持つお子さんを育ててらっしゃる保護者の方からです。

質問の文章からだと細かい部分はわかりませんが、ここで引用の上、お返事をさせて頂きたいと思います。

あくまでその質問の内容から私が思うことです。

 はじめまして。 読ませていただき、救われた気持ちになりました。 色々なアプリなど早速試してみたりしています。 懇談会で何故言語療法に通われるのか、放課後デイサービスに通われるのかがわからないと、波はありますが指導でクリアできる問題だと思いますよと。 聞く力が弱いと言われましたが、教科書開いてと言ってもテンポが遅くでおくれるから、聞き逃すだけで、大切だから聞こうとしてないだけだと〇〇君にも言いましたと。片付けができない、筆箱の中がぐちゃぐちゃ、やり方をかえてみて下さいと。 発達障害を理由に逃げてはいませんが、先生にはそのようにとらえているのかもと、残念な気持ちに。 普通にしていれば、健常者です、でもじっくり付き合うと、変です。1歳半から療育を受けてきたから、今はましで、普通に見えるだと思っています。ちがうのでしょうか? また、わからなくなりました。 私だってもう、健常者になった?と思いますよ、ずいぶん成長しましたから。でも、腕がないのが生えてこないのと同じで、治ることはないと、言われている私としたら、やり場がありません。 先生に理解してもらうためにはどうすれば良いのでしょうか? 先生に理解を求めず、過ごす方が良いのでしょうか? ごめんなさい。 始めてのかたにこんな話、でも、育てている方にしかってわかってもらえないから。

学校の先生とのやりとりについて

学校の先生とのやり取りに悩まれていらっしゃるとのこと。

ツイッターでやりとりさせて頂いている方々からも学校の先生の無理解でお子さんが辛い思いをなさっているお話はよく耳にします。

学校の先生と言えども発達障害に関しての知識も理解も様々。

これは通常学級に限ったことではなく支援学級でもそういうケースはよくあるようです。

多少の知識はあっても現場での理解はしていない、または技量の問題で対応できない、ご自身のやり方に自信を持たれていて変える気はないなど、色々とあるのでしょう。

目に見えないだけに障害を理由に言い訳をしているように捉えられるというのは本当に辛いことですよね。

何かができない、じゃ、家庭でなんとかしろ、だけではどうにもなりません。

家庭で出来ることもありますが、問題は学校で起きているのですから。

どんなに話し合おうとも平行線のままの先生もいらっしゃるでしょうが、こちらから出来ることはやってみたいですよね。

そういった場合、こちらからは「障害だから〇〇出来ない」という言い方は極力避けて、「こういう特性があるから〇〇してもらえれば〇〇出来る」という言い方に変えてみるのはいかがでしょうか。

出来れば最初に先生への感謝を具体的にあげてから、お願いする形にすると話がスムーズにいくかもしれません。

「この前先生が〇〇って言って下さったおかげでうちの子〇〇が出来るようになったんですよ。ありがとうございます。出来れば△△していただけると、うちの子△△出来るのでやっていただけるとありがたいです。先生もお忙しいと思いますが宜しくお願いします。」

みたいにちょっとヨイショしてから伝えると相手も悪い気はしないと思います。

可能であれば先生とは良好な関係を意識しておいた方がお子さんにとってもよいのではと私は考えています。

うまく行きそうならサポートブックのように、困り事と支援方法をまとめたものを手渡してみるのもいいかもしれません。

読んでいただけるよう箇条書きで出来るだけ簡素に書いたものがよいと思います。

nanaio.hatenablog.com

コメントからだとお子さんの学校での様子があまりわからないのですが、どうしても学校の環境が整わず、お子さんが学校に行くのが辛いとなっているのでしたら、 担任だけではなく支援コーディネイター、学年主任や校長など上の先生や、お子さんの特性をよく知る学校外の専門家を呼んでケース会を開いてもらうなどはどうでしょうか。

一番怖いのは二次障害です。

私は手を尽くしてももし二次障害になりそうなほど子供が学校で辛い思いをしているのなら、行かせないという手段にでるつもりでいます。

 

うちの子が学校にお願いしている支援

うちの息子の場合、緘黙傾向があり困った時にも助けを求めることが出来ません。だいたい半分の時間は支援学級で過ごしていますが残りは交流学級(通常学級)で過ごしています。

交流学級では生徒数が多いため、そんなに目を配っていただくことも不可能ですし、大人しい息子は何かあっても気づかれない可能性が高いのです。

そこで交流学級の担任の先生と相談し、息子から出せるサインを本人と一緒に決めてもらいました。

言葉で先生に助けを求めたり、先生に自分から声をかけることが難しいので、『授業中は自分の机の上に筆箱を立てる』のが息子のSOSサインです。

これなら先生も見てわかるので先生の方から声掛けをしていただくことになりました。

 

通常学級に通う娘の場合、ADHDで集中が難しい時もあるため、席を前の方にしていただくようにしています。くじ引きで決める場合でも先生の方でわからないようにだいたいの場所を指定する技があるそうです。

あとは気が散らないよう教室の前面の掲示物は少なくしてもらうこと。

複数の指示がある時は単語でもいいので黒板に手順を書いて視覚化してもらうこと。

これで聞き逃しがあってもミスを減らすことが出来ます。

発達検査の結果を基に、同時作業が難しいことを伝えて、授業で可能であれば別に板書の時間をとっていただくこともお願いしています。

娘は面倒だと思うと文字が自分で読むのも難しいほど汚くなります。

なので昨年の担任の先生と約束し、連絡帳を丁寧に書いたら数字を入れてもらっていました。連続何日きれいに書くことが出来るか。数字が日々増えて行くのが嬉しくて娘もがんばって書きます。これを半年ほど続けて娘は丁寧な字を習慣づけることができました。(ただし学校のものに限りますが><)

忘れ物や紛失物が多いのでランドセルに予備のハンカチティッシュ消しゴム鉛筆などを常備、学校にも許可を得て小さな筆箱を一つ置いています。

その他、何か困り事があるたびに、ケース会を開いて支援コーディネイターや担任の先生と相談し、何に困って、それをどういう方法で解決できるか具体的な案を話し合ってきました。

うちの場合は学校も先生方も非常に理解のある方が多いのでこのような環境が出来ているだけかもしれませんが、支援をお願いする際の具体案の参考になればと思います。

 

療育に通うこと

この文章だけではどのような先生なのかははっきりとわからないのですが、言語療法や放課後デイサービスに通うことがなぜなのかわからないのは先生側の勝手な意見で、正直ほっといてくれって話ですよね。

学校の勉強に特に遅れのない子に対して「なぜ塾に行くのがわからない」と言っているようなものに私は感じました。

そして言語療法は言語聴覚士さんによって行われる医療です。医師など専門家が必要と判断したから行っていることであって、学校の先生であろうとその分野の素人が口を出すことではありませんよね。

ただでも爆発的に診断がつく子供が増えている中でどこもいっぱいなのに、必要のない場合はとっとと医療的な療育を切られることが多いのが現状だと思います。

その部分はさりげなくスルーでよいのではと思います。

 

発達障害は治るのか

いただいたコメントの中で私が一番気になったのはこの部分です。

私も最初に診断がついた時に医師に「これは治るのですか?」と聞いた覚えがあります。答えは「治るというものではない」でした。

しかし適切な療育や環境などによっては適応して生きていくことはできると。

発達障害自体は治らないけどもうまく付き合う方法を獲得すれば多くの一般の方々と同じように自立し生活することは可能ではないかと思っています。

ただ、療育や投薬などの医療、その他支援は「健常者にする」ために行っているものと私は考えていません。

育ちの中で子供自身が自分の特性と向き合い、付き合い方やより過ごしやすく生きていくための工夫を会得するために行っていると考えています。

障害者手帳も療育手帳も持たないうちの子供達の場合、いずれ大きくなり社会に出ていく上で人との関わりは避けては通れません。親はいつまでも生きていないので自分のことを自分で出来るようにもならなくてはなりません。

その為に必要なスキルを身に付けて行く。

多くの子が自然と身につくであろう対人スキルや生活習慣などは、発達障害があると自然とは身に付かないケースが多いのです。

だからマニュアル(手動)として覚えて行く必要があります。そのための丁寧な関わりが必要で、それが家庭での対応、学校での支援、療育や医療だと考えています。

発達障害と診断されたからと言って成長しないわけではなく必ずその子なりの成長があります。ただ、そのスピードに凸凹があるだけなのです。

 

例えば、私の場合は人の顔は覚えられても人の名前を覚えることが非常に苦手で、毎日顔を合わせていても覚えられない相手もいます。

これ、結構困る事があるんですよね。でも努力ではなんともならないので、なんとか名前を覚えていないことを相手に悟られず会話したり、探ったりする方法を自分で見つけ駆使して社会で仕事をしてきました。

そして私は左利きです。小さい頃に文字だけは矯正されましたが、箸も包丁も左のままです。左利きだと複数人で外食する際には座る場所に気を付けたり、魚をさばくときに片刃の和包丁が使えず洋包丁でなんとか皮を剥いだりおろしたりです。缶切りも右の人とは逆向きに使います。

障害と名のつくものでなくても多くの人はなんら努力で賄えない特性を持っており、それを工夫で補いながら生きているのです。

発達障害の場合はそれがとても多い状態だと考えています。

 

うちの子供達も一見して障害者とわかることなどありません。

専門家でない人から見ればしばらく一緒に過ごそうとも個性の範疇に感じられる程度だと思います。

学校でも特に自分から問題を起こすこともなく、授業中の立ち歩きなどもありません。

早期療育と医療、学校の配慮のおかげで「健常児」と全く変わらぬ学校生活を送っています。

しかしうちの子供達ははっきりと発達障害の特性を持っています。

不適応な行動が今の所学校で出ていないにすぎません。

彼らの特性が障害なのか個性なのか、それを分けるのは社会との関わりにあると考えています。

社会的に不適切、不適応な行動が多ければ、迷惑をかけることもあるし理解も得られず多くの支援も必要とし「障害」となります。

しかし最低限のマナーや社会のルール、対人スキルを身に付けることが出来れば、「個性」として社会に受け入れられることも可能でしょう。苦手なことをうまく伝えることが出来れば周りからの助けを得ることも出来ます。場合によってはその個性を生かして生活の糧を得ることも出来るのではないでしょうか。

自分の中にある特性との付き合い方、そしてみんなと同じでなくても自分なりの社会との向き合い方を子供達に得て欲しいと願っています。

できれば自分の特性の「生かし方」を見つけられればいいな~と思っています。

教室の中の気になるあの子から発想した教材・教具 (特別支援教育ONEテーマブック)

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聞く力が弱い場合のトレーニングにはこちらもよいですよ^^ 

きくきくドリル―グングン伸びる・脳力を育てる (BOOK1) (シグマベスト)

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nanaio.hatenablog.com

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ギフテッド、2E教育から考える得意を伸ばす効果

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子供に発達障害があることを回りに告げるとよく言われるのが

「なにか特別な才能があるのかも」

実際に特別な才能がある人も中にはいますが、それは一般の人にも同じことで皆がそんなわけではありません。

善意で言ってくださっているにしてもたびたび言われるとうーん・・ともやもやしてしまいますよね。

今回は特別な才能を持つ子供たちへの教育の話ですが一部の子供の話ではなく、発達に凸凹がある子供たちの凸の部分をどう生かしていくのかについて考えたいと思います。

飛びぬけていなくとも誰でも得意なこと、好きなことはなにか持ち合わせているでしょうし、それをうまく伸ばし生かすことが出来れば、障害と向き合いながら、持ちながらも豊かな人生を遅れるのではないかと考えています。

 

ギフテッド、2Eとは

「ギフテッドチャイルド」日本語では「天才児」と訳され飛びぬけた才能を持つ子供をそう呼ぶようです。

アメリカなど多くの先進国ではその子供の能力に合わせた特別な教育プログラムが用意されています。

「2E」とは、ギフテッドのような特別な才能と、学習障害や発達障害などを併せ持つ凸凹の多い子供たち。こちらも特別プログラムによって教育を受けているそうです。

日本では現在このギフテッドや2Eに関してなにか基準が設けられているわけではなく、教育においても特別支援教育は主に凸凹の凹の部分に対してだけ行われているのが現状です。

海外で行われているようなギフテッドや2Eのための特別な教育は日本ではまだ行われていないようです。

 

私が初めてギフテッドという言葉を知ったのは、数年前、娘の通級指導教室の先生に勧めていただいた本からです。

ギフテッドー天才の育て方 (学研のヒューマンケアブックス)

ギフテッドー天才の育て方 (学研のヒューマンケアブックス)

 

 うちの子供たちは発達検査では高い数値が出ましたが、ギフテッドや2Eと呼ばれるものなのかどうかは、私は専門家ではないのでわかりません。

実際、うちの娘も特になにか飛びぬけた才能は今のところ見当たりません。

この本は「天才児の育て方」とありますが、前書きで杉山先生が書かれていらっしゃるように天才児への特別支援教育は他のハンディキャップを持つ子供たちにとっても大きくプラスになる可能性を持っています。

診断や療育、特別支援教育などではなにかと出来ない部分に着目されます。もちろん出来ないと困ることもたくさんありますし、可能ならば身につけたほうが生きやすいであろうということも多々あります。

発達に偏りがありその凸凹がいき辛さと結びついているのなら、療育や家庭での対応などを通じて出来れば凸凹を小さくなだらかにしたい、そう思うのは自然なことだと思います。

しかし、苦手なことをがんばるのは辛いもの。そして成果の出にくいものです。

苦手なところに焦点を当てるあまり出来る部分はいいだろうと放置され気味となってきます。

ギフテッド教育はこの出来る部分、得意な部分に焦点を当て伸ばしていくことに力を注ぎ、その他にも様々な利点を生み出すものだと私は思っています。

 

ギフテッドの子供たちは、その秀でた能力のため、集団適応に問題が出たり周りに合わせることが難しく社会性に問題がでたり、過敏があったりなどで不適応や逆に成績不振に陥ることもあるそうです。

ついていけないわからない授業を受け続けるのも苦痛以外の何者でもないですが、逆にわかりすぎている授業を毎日何時間も聞かなければならないのも同じように苦痛なものです。知能的に言えば大人が毎日小学校に通うようなもの。

退屈で新しい知識の刺激もない空間でなぜ指示に従わなければならないか、納得できないことも多いのだと思います。

2Eの子供たちも学習障害や発達障害などそちらのほうにフォーカスされるばかりに秀でた才能に気付かれにくいなどの問題があります。

ギフテッド教育とは天才児のための優遇された教育ではなく、特性により一般の教育ではカバーしきれない困難を持つ子供たちのための特別支援教育でもあるのです。

実際にアメリカなどでどのようにギフテッド教育が行われているかは上記の本に詳しく書かれていますが、おおむね本人の興味や能力に沿って自由に深く掘り下げていく教育を行っているようです。

 テンプル・グランディンさんらが書いた『アスペルガ-症候群・高機能自閉症の人のハローワーク』という本の中でも、最適の仕事をを見つけるためのガイドラインとして、「才能を伸ばす」「自分の強みをみつける」「一番得意なことを仕事に生かす」といったことが繰り返し述べられている。親や教育者が本人といっしょに、その才能の峰を見つけ、伸ばす努力をすることが、大人になったときに適応障害のないアスペA型であることにつながるだろう。

 ※「ギフテッド」天才の育て方より引用

この文章の中にある「アスペA型」とはアスペルガー症候群など発達障害の特性を持ちながら社会に適応することが出来た人々のことを指します。

つまり、得意をみつけ伸ばし生かすことによって社会適応ができ、発達「障害」ではなく発達「凸凹」という状態にもっていけるのではないかと、この本では提唱されています。

 

息子の場合

 このブログでも何度か書いてきましたが、息子は言葉が出る前から数に興味を示していました。

他動を持つ娘を病院の待合などで待たせるために作った文字カードや計算カードを息子も一緒にやっているうちに息子がどんどん吸収していったことで、息子の算数に対する強い関心に気付きました。

発音も悪く言葉も通じにくい、字が読めても書きにくい、その状況でも使える算数ゲームを与えるとあっという間に九九も覚え四則演算をマスター。

教えればスポンジのように次々と吸収しそれを元にいろんなことを思考していく息子。それが私もおもしろくどんどん教えていきました。

3~4歳のころ、人間の髪の毛は一日に100本くらい抜けるという話をしたら、次の日には「髪の毛は15分に1本抜ける」と言って来ました。

一日が何分なのかを計算しおよそ100で割ってひとりもくもくと考えていたようです。

その後も息子の興味の向くまま次々と教えたり興味にあわせたアプリなど教材を用意していくうち、年中のころには平方根や因数分解を理解し、図形は中学受験レベルのものに挑むようになっていました。

就学を考えるにあたって、この子をこのままみんなと同じように1+1から学ぶ環境においていいのだろうかと考えるようになりました。どう考えても息子にはつまらない苦痛なものです。

発達障害があることは2歳でわかっていましたので特別支援を受けるつもりでいましたが、就学相談の際にこの子の能力を形で示せることが出来たら、そのあたりの配慮をなにか受けられるかもしれない。

息子も興味を示したので数学検定を受けることにしました。

最初はテスト自体に慣れるのに手惑ったり、特性ゆえのこだわりでわからない問題を飛ばせず止まってしまったりで2度ほど落ちましたが、就学時点で7級、小2の現在は4級(中学2年レベル)までとることができました。

結局は学校としても特別支援学級とはいえ、学齢の指導要綱以上のことを教えていただくことは叶っていませんが、自分のペースで所定の課題をこなした後は自習として好きな勉強の時間に当てることができているようです。

息子はおそらく2Eというものに該当するのではと思っています。

突き抜けた得意と大きな凹みを持ちます。

好きな数学の勉強を続けるにしても凹みの部分が足を引っ張ることがよくあります。

文字を書くことに少し困難がある。少しでも問題文に抽象的表現があると理解できない。国語の力が追いついていないため、中学レベルになると文章題の意味がわからないことがある。答えはわかるのに証明するための式が書けない。

算数検定から数学検定へ変わり進むペースが落ちているのはこのあたりの困難が原因となっています。

息子は几帳面で神経質、不安もプライドも強いため、苦手なことに挑戦することを極度に嫌がる、というより怖がります。

しかし、好きなことのをやるために必要と動機付けがあれば、少しずつ挑戦することができます。

今でも得意とはいえませんが、徐々に字を書くことにも慣れ、国語の学習もがんばるようになりました。

順番どおりに解いていきたいというこだわりからも抜け出せました。

好きなことを続けたい思いがぐいぐい苦手を引っ張りあげてくれているのです。

息子は特にやることがなければ何もせずただじっとしているという(おまえアドレナリンないのかよ)ってほど無気力に見えるタイプですが、好きなことを持つことで生き生きと生活することが出来ていますし

なによりも自分の算数の能力をテストや検定などで形にすることが息子の自信につながっているようです。

先日は幼稚園のころから目標にしていた算数オリンピックキッズBEE大会で金メダルを獲得することができ、益々やる気もアップしています。

nanaio.hateblo.jp

 

娘の場合

娘の場合はADHDを持ち、思考の多動と激しい注意力の散漫があるために

毎日の日常生活を回すだけでも大変で、なかなか好きなことに時間をとることが難しいのですが

娘は物を作ることが大好きで、たまに驚くようなおもしろい作品を作ってくれます。

nanakon.hatenadiary.com

 娘は興味自体も飛び散っているので編み物、裁縫、工作、料理、ゲーム、プログラムなど色んなものに興味を持ちますが、可能な限り道具を揃えたり、やり方を教えたりしています。

今はこれといって集中して興味が持続しているものはありませんが、あちこち飛び散る興味を利用し自分の世界を広げていくことは、いずれ娘の人生にプラスになるのではと漠然と思っています。

職業などに結びつかなくとも好きなことがある趣味を持てるというのは余暇を豊かに過ごすことに繋がります。

最近はもっぱらマインクラフトというゲームの中でいろんなアイディア作品を作っているようです。youtubeの実況動画や検索で研究も一生懸命やっています。

nanaio.hatenablog.com

 娘は息子の算数のように目に見え評価を受けやすい得意はもっていませんが、好きなことを持つという自体が毎日の張り合いにも目標にもなっていますし、過集中をすることがストレス発散にもなっているようです。

娘の場合は日常やらなければならないこととやりたいことの調整が自分ではなかなか難しいため、声かけや制限はどうしても設けなければなりません。

要は宿題先に済ませろってことですが><

 

得意を伸ばすために我が家でやっていること

興味の芽を見逃さないこと、子供から質問があればできるだけ一緒に考えたり調べたりします。
より興味を持ちそうであれば、関連するものを次々用意し興味を広げる手伝いをしていきます。
図鑑で体のことをおもしろく子供たちがみていたら「酸素ってなに?」と質問がでます。
酸素の人間への役割、元素の話、興味を示したのですぐに元素について一緒に調べ、元素記号のゲームやアプリを探します。
興味の熱が冷めないうちに一気にやってしまえば子供はあっという間に覚えます。

子供は好きなものをあっという間に覚えてしまいますよね。
ゲームやアニメのキャラクターなどいっぱい知っているお子さんは多いのではないでしょうか。
鉄道や電車が好きなお子さんならたくさんの知識を蓄えていたり。
やはり学ぶために一番大切なのは興味だと思うのです。
元素記号なんて学校で習ったときは興味があったわけではないので私自身は覚えるのに苦労しました。
でも興味を持っておもしろおかしくゲームになれば簡単にこなせてしまうのです。

いろんなものを見せ、興味を持ったらすかさずキャッチし、広げていく。
ただそれだけで子供はどんどん伸びるものなのではないかと思います。

かといっていつも子供に付きっ切りというわけにはいきません。
時間もお金も限りがあります。
ただ、日常的に子供の興味に対するアンテナをはっておけばいいだけです。
時間をかけて教えなくても興味を広げる環境を用意する。
物が必要ならば最初は100均にあるものでも大丈夫。
自分で興味のあることを調べる方法を教えるだけで
好きなことならどんどん自分で進んでいきます。

手助けが必要なときだけ手伝えばいいのです。

これがうちの子供たちにとって正解なのかどうかはわかりませんが、今のところ好きなことをそれぞれ伸ばしてくれているのではないかなと思っています。

 

得意に注目して伸ばすメリット

得意なことに注目して伸ばす利点として、自己肯定感を育てることができること。好きなものがある、それで評価をされることによって自信をつけていくことができるのです。

そうすればほかの事に対する意欲も育むことができます。

苦手なことで興味の芽をつぶさないよう必要なサポートをすることで、意欲がその苦手を引き上げる力になっていくのです。

そして、自分の得意なこと、苦手なことを自分自身で把握することが出来るので、自分で意識しながら工夫を考えるきっかけにもなるのではと思います。

学習に関係のないものでも、将来仕事の役に立つかどうかわからないものでも、お子さんの興味に沿って得意なことを伸ばすというのは生きていく上で必ずいい影響がくるものだと思っています。

是非、お子さんの興味にぴぴっとアンテナを張ってみてください。

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通級指導教室で使われる学習支援グッズ・療育グッズまとめ

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通級教室には楽しい教材がいっぱい!今日はまとめてご紹介したいと思います。

娘は入学から昨年度まで3年間通級指導教室でお世話になりました。

今年度より退級になりましたが、今日、先生のご好意でお時間を作っていただき娘に会ってくださいました。

先生と楽しくおしゃべりしながらクッキングでチョコレートムースを作りました。

通級教室では毎学期に1度クッキングでお菓子などを作っていました。

お料理は息子の児童デイサービスや支援学級でも取り入れられています。

クッキングは手順を明確に表示しルールに沿って手作業をしていくことで、得られるものは多いようで療育に取り入れられていることは多いですね。

 

通級指導教室ではそのお子さんに合わせて色々な学習をしています。

様々なグッズも揃っていますし先生のご指導のバリエーションもたくさん。

今までも何度か通級教室での指導やグッズをご紹介してきましたが、うちの子供が使ったものも、よさそうだなと思ったものもまとめてご紹介したいと思います。

ご家庭でも取り入れられるものばかりです。

自閉症スペクトラムは想像力に困難を抱えるといわれますが、このカードゲームは3つのヒントを元に絵カードを選ぶ遊びです。

f:id:nanaio:20150727090226j:plain

 これは幼児用もあります。

 

 「ながい・みじかい」などの反対言葉のカード

 

 四字熟語が前二文字と後ろ二文字に分かれたカードを組み合わせていきます。

四字熟語合わせ

四字熟語合わせ

 

 遊びながら四字熟語が覚えられるようになっています。

これの続編のものもありそちらで息子が遊んでいます。

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先にある程度知っているとおもしろいです。うちはドラえもん学習漫画とアプリで四字熟語を覚えました。

四字熟語100 (ドラえもんの学習シリーズ―ドラえもんの国語おもしろ攻略)

四字熟語100 (ドラえもんの学習シリーズ―ドラえもんの国語おもしろ攻略)

 

 

漢字の編とつくりがそれぞれカードになっていて組み合わせて漢字を作っていく遊びです。知っている漢字を作るのもいいですし、新しい漢字を作って意味を考えるのも楽しいです。

漢字博士NO.1

漢字博士NO.1

 

 その作った漢字が本当にあるかどうかはアプリを使って確認しながら遊びました。

常用漢字筆順辞典 FREE

常用漢字筆順辞典 FREE

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  • 無料

 

 いろいろな形の木片を絵に合わせて組み合わせていきます。図形認識に。

NEW たんぐらむ

NEW たんぐらむ

 

 

 ネットに小さなチップを差し込みながら自由に絵を描いていきます。娘は夢中で作品を作っていました。

 

 プラスチックの都道府県をはめていきます。形も覚えながら日本地理を覚えます。

くもんの日本地図パズル

くもんの日本地図パズル

 

 

 これは上の日本地図パズルの世界地図版

くもんの世界地図パズル

くもんの世界地図パズル

 

 

 リコーダーや鍵盤ハーモニカなど音楽の指導も受けました。

少し不器用な娘もコツを先生に丁寧に教えていただいて上達しました。

ミニドラムセットで先生とセッションするのが大好きでした。

リズム・ポコ ドラムセット RP-940/DS

リズム・ポコ ドラムセット RP-940/DS

 

 小さい太鼓とシンバルとぽこぽこぎこぎこなる木の楽器がついていて子供にも扱いやすくとてもかわいい楽器です。

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以前にもご紹介しましたがソーシャルスキル絵カードも。

学校などで起こりうる様々な場面でどうするのがよいのか?一緒に考えていく絵カードです。

状況の認知絵カード ソーシャルスキルトレーニング絵カード

状況の認知絵カード ソーシャルスキルトレーニング絵カード

 

 ソーシャルスキルトレーニング(SST)が楽しいボードゲームになっています。

日常で起きるシーンにどうするか、カードを選んでこまを進めるすごろくゲームになっています。

 SST絵カードとSSTボードゲームについてはこちらに詳しく書いています。

nanaio.hatenablog.com

 

 ドミノなども楽しみました。ADHDで気の散りやすい娘も何度も倒しながら根気よく取り組んで、完成して倒したときはとってもうれしそうでした。集中して取り組めます。

DOMINO 100

DOMINO 100

 

 

シングルタスクで短期記憶が苦手な娘のために耳で聞きながら設問に答えるドリルもやってくださいました。CDがついていて聞きながらドリルに取り組みます。

きくきくドリル―グングン伸びる・脳力を育てる (BOOK1) (シグマベスト)

きくきくドリル―グングン伸びる・脳力を育てる (BOOK1) (シグマベスト)

 

 これは年齢によってシリーズがあります。こちらの記事に詳しく書きました。

nanaio.hatenablog.com

 

 こちらは読み書きが苦手なお子さんのための低学年用漢字ワーク。高学年用もあります。

読み書きが苦手な子どもへの〈漢字〉支援ワーク 1~3年編 (通常の学級でやさしい学び支援 3巻)

読み書きが苦手な子どもへの〈漢字〉支援ワーク 1~3年編 (通常の学級でやさしい学び支援 3巻)

 

 こちらは読み書きの基礎トレーニングワーク。

読み書きが苦手な子どもへの“基礎”トレーニングワーク (通常の学級でやさしい学び支援)

読み書きが苦手な子どもへの“基礎”トレーニングワーク (通常の学級でやさしい学び支援)

 

 こちらもCD付でリズムと耳も一緒に覚える漢字学習。

リズムでおぼえる漢字学習―小学校全学年

リズムでおぼえる漢字学習―小学校全学年

 

 

他、プレイタイムでいろんな運動の指導も受けていました。

発達障害の子の感覚遊び・運動遊び 感覚統合をいかし、適応力を育てよう1 (健康ライブラリー)

発達障害の子の感覚遊び・運動遊び 感覚統合をいかし、適応力を育てよう1 (健康ライブラリー)

 

 こちらに先生に指導を受けた力を上手に抜いてリラックスするためのマッサージを動画で載せています。体幹筋肉の弱い姿勢保持が難しいなどのお子さんによいそうです。

nanaio.hatenablog.com

 そのほか、縄跳びやボール遊びなど運動も教えていただいていました。

ドラえもん学習シリーズは体育や音楽もあり、お子さんが自分で楽しく読んでコツをつかめるようになっています。これも通級教室においてありました。

ドラえもんの体育おもしろ攻略 マット、ボール、なわとび (ドラえもんの学習シリーズ)

ドラえもんの体育おもしろ攻略 マット、ボール、なわとび (ドラえもんの学習シリーズ)

 
てつぼう とびばこができる―ドラえもんの体育おもしろ攻略 (ドラえもんの学習シリーズ)

てつぼう とびばこができる―ドラえもんの体育おもしろ攻略 (ドラえもんの学習シリーズ)

 

 

 今日うかがったときに新しい本が入っていました。

広げると140cm大の人体模型がどーん!と出てきて体の仕組みが学べるようになっています。ただのポスターではなく飛び出す絵本のように動いたりめくったり出来ます。

これはおもしろい!

ポップアップ 人体えほん―からだのふしぎがとびだすよ!

ポップアップ 人体えほん―からだのふしぎがとびだすよ!

 

 その他、さまざまなおもしろい教材が並んでいました。

 ご家庭でも取り入れてみてはいかがでしょうか。

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夏休みの宿題対策アンケート結果 工夫がいっぱいです!

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お子さんの夏休みの宿題、なかなかすすまなくて大変!というお宅も多いのではないでしょうか。

うちも普段の宿題から大変ですが、夏休みは更にすすみが悪くいつも苦戦しています。

昨日、ウェブアンケートを試しに作ってツイッターで回答をお願いしてみました。

初めてのウェブアンケートで練習のつもりだったのですが、皆様から素晴らしい工夫をたくさん寄せていただいたので、見やすくまとめて公開したいと思います。

全部で90件の回答をいただきました。皆様ありがとうございました!

「夏休みの宿題対策アンケート」回答の概要はこちらから見ることが出来ます。

夏休みの宿題対策についてのアンケート(テスト) - Google フォーム

皆さんの工夫、その他で見えない部分はこの記事の下に全てまとめてあります。

f:id:nanaio:20150731222844p:plain

夏休みの宿題ということで小学生が多く、男女比は男子のほうが7割近くとなっています。

私のツイッターでのフォロワーさんは発達障害関係の方が多く、

発達障害の診断がつくお子さんは男子のほうが多いといわれています。

実際、うちの子が通っていた療育でも男の子が圧倒的に多数でした。

f:id:nanaio:20150731222931p:plain

回答してくださったのは発達障害の傾向があるお子さんの保護者の方が大半です。

「お子さんはすすんで夏休みの宿題をやっていますか?」の質問を年代ごとに分けてみました。

・小学校低学年 総数43人

何も言わなくても計画的にやっている 5人(約11%)

声かけをすればすぐに始める 15人(約35%)

さんざん声かけをしてやっと始める 11人(約25%)

つきっきりでやっている 6人(約13%)

声をかけても何をしてもやらない 2人(約4%)

塾、学童、友達と一緒など別の環境でやっている 3人(約7%)

その他 1人(約2%)

・小学校高学年 総数32人

何も言わなくても計画的にやっている 2人(約6%)

声かけをすればすぐに始める 7人(約22%)

さんざん声かけをしてやっと始める 12人(約37%)

つきっきりでやっている 6人(約18%)

声をかけても何をしてもやらない 2人(約6%)

塾、学童、友達と一緒など別の環境でやっている 1人(約3%)

その他 2人(約6%)

・中学生 総数10人

何も言わなくても計画的にやっている 2人

声かけをすればすぐに始める 2人

さんざん声かけをしてやっと始める 3人

つきっきりでやっている 2人

声をかけても何をしてもやらない 1人

・高校生 総数5人

何も言わなくても計画的にやっている 2人

声かけをすればすぐに始める 1人

さんざん声かけをしてやっと始める 1人

塾、学童、友達と一緒など別の環境でやっている 1人

「お子さんに発達障害の傾向はありますか?」のその他回答

ただの頑固者なのか、傾向があるのか?と悩ましい時があります。

「お子さんはすすんで夏休みの宿題をやっていますか?」のその他回答

・ ドリルはサッサと済ませましたが製作系のものは頑としてやろうとしません
・やらなきゃだよねと言いつつやらない日の方が多く。やれる時でいいんじゃないと言う。
・計画表を作った。遅れてるが

f:id:nanaio:20150731224119p:plain

 苦手な宿題は複数回答ありです。

作文、読書感想文が74%と圧倒的です。うちも二人とも作文は苦手です・・。

「お子さんが苦手な宿題はなんですか?」のその他回答

テキスト
読書以外すべて
単純な計算問題が苦痛
歯磨カレンダー、生活表

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こちらの工夫以外のものを文章で記入していただくようにしていました。

その他回答に書いていただいたものと合わせています。

お子さんの学齢、男女と一緒に、原文のまま載せさせていただきます。

年代性別ごとに並べています。

皆様から寄せられた宿題の工夫

<小学校低学年 男子>
絵や工作以外は自分の部屋でやることにしてます。
気が散るのを防止するためです。
分からないことを聞いたりや丸付けしてもらったり…にはいちいちリビングに降りてきてもらってます。多動クンなので気分転換になってたりするかも…と思ってます。

<小学校低学年 男子>
宿題の全体量がわかる表を作り、出来たものから塗りつぶして、進捗が視覚的にわかるようにしている。

<小学校低学年 男子>
父親に主導させる
意に染まないことをさせようとする母親への反発心が生半でないので、自由研究の類は父親と、絵日記の類は旅行中に祖父母の前で、継続的な学習は児童デイで、というようになるべく監督を分散させて取り組んでいます。

<小学校低学年 男子>
去年は普通級と同じ宿題で(書取り、計算ドリル)崩壊し、療育センター→支援の先生に泣きつき免除して貰い、後は、何とかやってみよう!!としてます。年長から、療育を始め、ゆっくりですが順調に成長して来た、、、のが、声がけに反応しなくなる恐怖!それが、(繰り返しの)宿題のせいとは、、、。

<小学校低学年 男子>
クリアファイルに宿題を書き出して、終わった物は消していき、終了ファイルにしまっていく

<小学校低学年 男子>
親が宿題をやるように声かけするとグズグズし怒るので、学校などの自習教室がある日はそちらで宿題をしてもらう。

<小学校低学年 男子>
すぐ取りかかれるように宿題セットをまとめている。

<小学校低学年 男子>
なるべく午前中にその日の分を終わらせる
苦手な大物、(作文、漢字ワーク)の時だけはコンサータ使用します・・・
長期休みは休薬ですが、どうにもな時は頓服使用許可が出ているので。

<小学校低学年 男子>
感想文はハーフサイズの付箋に「印象に残ったシーン」を書いてB4の紙の一番上に貼り、その下に「誰が」「何をした」「どうなった」「どう思った」とどんどん付箋を上に貼っていって、最終的に書いた内容を整えて作文にします。大体3日位かかります。

<小学校低学年 男子>
夏休みだけでなく、日頃の宿題にも苦戦中。

<小学校低学年 男子>
小1で簡単な問題しかないからできることかも知れませんが…
計算ドリル系は100玉そろばん使わせてます。
わからなかったり間違えたりでイライラしてたのが、明快にわかるので楽しいようです。「頭の中にそろばんが出来て来た〜」と喜んでます。

<小学校低学年 男子>
気が散らないようにパーティションで仕切り、試合のように「あと何問だ~!ガンバレ~!」と励ましてます☆

<小学校低学年 男子>
私が仕事でつきっきりが難しいため、学童へ行く前に母(息子の祖母)の家により、宿題をみてもらっている。

<小学校低学年 男子>
 24時間時計でその日の日程を決めます。うちの場合は、「ゲームや遊びの時間がきちんと取れる」事が理解出来れば、きちんと取りかかれるため。24時間時計は試行錯誤して本人が一番理解しやすかったため。

<小学校低学年 男子>
エクセルで表を作って、色鉛筆で塗らせました。
早寝早起きと、お手伝い勉強を必ずやる約束です。1日3個シールを貼り、21個でプレゼントをあげる約束です。
プレゼントは、食べ物やメダルなど本人希望で決めました。

<小学校低学年 男子>
期日までに終らせない時はイベントキャンセルをする事を伝え、それでもやらなければ本当にそうする。
宿題は親や先生の為でなく、自分の将来の為にやるのだと常に言い聞かせている。

<小学校低学年 女子>
1日の宿題ノルマを達成したらゲームをして良いことになっています。普段から勉強が終わらないとゲームはプレイできないルールです。あとはとにかくやる気がある時間帯に宿題をするようにしています。用事がない限りは午前中は勉強をさせて、午後からは自由にさせています。

<小学校低学年 女子>
やってるところを褒め、やり終わったら褒めている。
定型の娘は何も言わなくてもやっています…。褒めるのは、ADHD傾向の兄にもなのですが、効果あるのはこちらです。

<小学校低学年 女子>
診断は まだですが、ほぼ間違いなくLDの小2娘。
ひらがなが、書けない、読めない(特に 特殊音節)・数唱はできても、二桁の数字が読めない。ので、夏休みの宿題は、別メニュー。
夏休み前に、ネットから、娘に合う内容のものをプリントして、担任にチェックしてもらい、それをやらせてます。

<小学校低学年 女子>
機嫌が悪いときは、本日の納期とノルマを思い出させた上で、気分転換にゲームやDVD視聴を許可してます。
そのうち、寝落ちしてたりして、寝不足が不機嫌の原因の場合が結構あります。15分から二時間程度、仮眠させます。

<小学校低学年 女子>
一緒にやる

<小学校低学年 女子>
ごはんの前やテレビの前など、別のタスクとセットにする

<小学校低学年 女子>
宿題などやる事を全てやればゲームなどを好きなだけやらせている

<小学校高学年 男子>
問題の式を書き写す手間を省いてハードルを下げたり筆記しやすくするためにドリルを拡大コピーしてノートに貼ったり、あらかじめ問題の式を書き写したりして取り組みやすくしています。

<小学校高学年 男子>
ドリルの問題をノートに書き写す部分を手伝う。問題を書き写すだけで集中力がとぎれるため

<小学校高学年 男子>
楽しみな行事を設定し、そこまでに終わらそう!と励ます。
宿題の種類が多いので、透明な書類ケースを用意して一式を収める。表面に縦軸に宿題の一覧、横軸に日付を書いた進捗表を貼る。

<小学校高学年 男子>
漢字ドリルなどなかなか進まないものについては3問〜5問進むごとに言いに来て〜と言うとわりに時短。
1問ずつ言いに来てもイラつかないように気を付ける、1個減ったねとか声をかける。
1日の予定として、宿題の前後におやつとかゲームを入れて、切り替えをしやすくする。

<小学校高学年 男子>
宿題をやりたくなくてパニックを起こした時に皆さんがどう対応されてるか知りたいです。うちは、話し合ってその日の宿題をやる時間と量を決めているのですが気分が乗らないときが多く、やり始めてからパニックを起こすこともたびたびでくすぐったり、物ボケなどで笑いに持って行って落ち着いたところで再開… そして10分後に同じことの繰り返しですごく親が消耗します。
そもそも宿題に取り掛かった後でパニックになることは皆さんあまりないのかな…?

<小学校高学年 男子>
あまりにもしないので、したらおこずかいをあげようかと検討中です。1日、10か20円で…笑

<小学校高学年 男子>
工夫とはいえないかもしれないのですが……。
学校のある日はコンサータを服薬しています。夏休み1日目、休薬したら、ドリル1ページを終わらせるのに2時間近くかかったので、翌日から服薬してもらいました。すると、声かけだけでスムーズに取り組めました。

<小学校高学年 男子>
字がうまく書けない(マスや行に書くことが苦手)なので漢字の書き取りの宿題はマスの大きな漢字練習帳に書かせてもらってます(担任の許可済み)
作文が書くのが苦手な上に、原稿用紙のマスに字を書くのも苦手なので日記や読書感想文は得意なパソコンで打ち込ませてプリントアウトして提出します(担任の許可済み)

<小学校高学年 男子>
タイマーなどを使う, 一回15分〜30分でタイマーをかけ、その時間だけ集中させる

<小学校高学年 男子>
なにをしても無駄

<小学校高学年 男子>
得意な物からやる気のある時にやる範囲を決めさせ一気にやらせる。
毎日計画的に少しずつまんべんなくやるのは、苦手なので。

<小学校高学年 男子>
読書感想文、作文は書いたことがありません。
今はそんなにうるさくないと言うか、先生に発達でこういう類いは苦手で、学校、勉強に苦手意識を持たせたくないので..と根回ししています。
(そのせいかテストは出来ても通知表は悪い)

<小学校高学年 男子>
自由研究は子供も妻もやりたい共通のことを一緒にやっている
本人にとって難しいことは後回しに、得意なことを中心に7月中目標ですすめ、残り一ヶ月のうちピンポイントで苦手なことをご褒美でつるようにやってます。
見られることと批判されることを極度に嫌うので取り敢えずやってあればよしとしています。

<小学校高学年 女子>
取り組みやすいものからまずはじめる。集中力が切れたらタイマーを小刻みにかけ進み具合を記録していく。

<小学校高学年 女子>
私は仕事をしているので、宿題にびっちりつくことはできません。
娘も小学校高学年にもなったので、発達障害があるとしても、自分でやってもらうしかありません。
親がついていてあげられる家庭が羨ましいです。

<小学校高学年 女子>
コツコツ続けるのが苦手で、モチベーションが宿題の量に左右されがちです。やってみれば簡単なのに、まずはページ数とか数字に翻弄されてヤル気を失いがち。スモールステップで何分で出来たら完璧!とかストップウォッチで測ってやるとヤル気が出たりします。

<小学校高学年 女子>
宿題をしている時間は、わからないところをすぐに教えられるようにしている
集中しやすいように、テレビなどの音を出さないように気をつける。周りでうろうろしたりしない。

<小学校高学年 女子>
今小4ですが、去年まではつきっきりでずっと声かけしていないと宿題できませんでした。今年はご褒美めあてと言うこともありますが、ずいぶんスムーズに進めているなあと驚くほどです。特性があるとはっきりして、私がそれなりの対応をとることができたからかなと思うと、特性がわかってよかったです。

<小学校高学年 女子>
モチベーションがいけそうな時に多めやる。ついてあげてわんこそば形式。はい次。少しをたくさん。これがいいみたい

<小学校高学年 女子>
計画表を作ったが、今日たまたま確認したら、遅れていた。明日挽回。午前中する事になっているが、仕事に行ってるので、実際はわからない。

<中学生 男子>
それでもやりません

<中学生 男子>
ADHDとLDを持っていて通常級に通わせています。
「宿題を終わらせなくて困るのは自分だから、困って良いなら遊んで過ごせば?」と小学1年生の時から言っております。
実際に困った年もありましたが、そこから本人なりに学び計画などを立てて一人で宿題に立ち向かっています◡̈ 笑
わからない問題などにはとことん付き合い、終わったら頑張ったね!と褒める事は心掛けています。

<中学生 男子>
去年、英語の宿題が出来なかったので、私が青の色鉛筆で下書きして、上からなぞりがきさせました。出来ないところは部活に持って行って、部員達と一緒にやったみたいです。

<中学生 男子>
自由研究や絵は題材を用意して、それにするといかに楽に終わるかを強調してその気にさせています。コツコツやるのは苦手なので、1日で完成するものにしています。

<中学生 女子>
自由研究などで協力してほしい/手伝ってほしい/連れて行ってほしいところがあるなどを言われたら、極力協力する。

<中学生 女子>
時間の感覚がないので、やる気になったタイミングを待つしかない
娘は文章が書けないので、結局親が手伝うことになる。
そこで、みなさんは「親が手伝ってでも提出する」のか「出来ませんでした」と正直に伝えるのかを知りたい。

<高校生 男子>
起きたときの体調に合わせて勉強をする時間などを決める
・はじめから完璧に仕上げることを目標としない(中途半端でも堂々と提出する)
・夏休みの後半にイベント事を入れない
・苦手なものは数分でもできればOKにする
・得意なものは本人に完全に任せる(小学生の頃から)
・夏休みはリズムが狂いやすいので、狂ったら狂った時間で勉強をする時間を決める
・エアコンはしっかり使う

<高校生 男子>
親が宿題について指示すると、分かっているのを言われることから抵抗をより強め、親子関係にも悪影響を及ぼすので避けている。環境調整としては、塾の自習室に行かせている。

<高校生 男子>
声掛けはいくつになっても大切かなと。息子は文系が苦手なので、小学生の頃から、感想文とかには苦労しました。高校生にはなりましたが、相変わらず感想文は苦手意識が強いですね。

<高校生 女子>
小学校のうちは計画作り、夏休み中の24時間スケを可視化するなど発達障害をいしきしてやりました。中学からは勝手にやってます
小学校が10日ごとくらいに登校日があり、その都度宿題が出るので溜まりにくかった。中学は特性持ちが多く、宿題が教科ごとに期限や提出先まで明記したプリント配られて助かったと思います。

なぞらずにうまくなる子どものひらがな練習帳

なぞらずにうまくなる子どものひらがな練習帳

 

皆様の工夫、いかがでしたか?

私自身も取り入れたいものがたくさんありました!

奮闘していらっしゃる様子、お仕事でお子さんの宿題まで手が回らない、どうしたらやってくれるのかと途方にくれていらっしゃる様子など、切実なお気持ちも・・。

発達障害特性があると苦手なもの得意なものの差も大きいですし、やりたくないことをやるハードルはとても高い場合が多いのではないでしょうか。

うちもまずやる気にさせる、取り掛かるのに苦労しています・・。

先日もうちの息子が観察日記に苦手な絵が描けず、丸一日かかって泣きながら仕上げていました。

娘は夏休み中コンサータを休薬していますので時間をかけても思ったほど進まないことが多いです。

明日から8月。あと一月の夏休み、計画的にやっていきたいと思います!

nanaio.hatenablog.com

 今回ウェブアンケートで参考になるご意見をたくさんいただくことが出来ました。

またなにか皆様のアイディアをお借りしたいときに企画してみたいと思います。

ご協力いただいた皆様、本当にありがとうございましたm(_ _)m

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ディスレクシア・学習障害支援 勉強嫌いは見え方の違いかも?実践的なサポート例をご紹介します!

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お子さんの学習につまづきが見られる、もしかしたらお子さんの見え方や認知の仕方が違うのかもしれません。

視力にも知的にも問題がなくても見え方、その認知によって上手に認識できない、全く読めないわけではないのに読みにくい。そういったことから学習に対してやる気や自信を失っているお子さんは数多くいると思われます。

見え方は視力に問題がなければほとんどの方はみんな同じものだと思われている場合が多く、なかなか見え方の違いやその困難に気付いたり理解することは難しいのです。

後ほど具体例を画像でご紹介しますが、視力の問題以外に見え方に困難を抱えている人は、程度も様々でしょうが1割近くいるのではないかと言われています。

その困難が大きい状態はディスレクシア(読み書き困難)と呼ばれています。

ディスレクシアは学習障害(LD)の一種で発達障害のひとつとされています。

診断がつくほどの困難でなくとも困っていることがあれば、工夫で学習に対しての不安を取り除けたり、わかった!を得られることも。

是非、お子さんの学習になにか困りがあるのかもと思われる方に読んでいただきたいと思います。

うちの息子も学習障害の診断がつくほどではありませんが、書くことに多少の困難を抱えています。通常の書く練習から発想を切り替え、別のアプローチをすることで徐々に書けるようになっています。

 

LD(学習障害)は、知的能力に問題がないけれども、読む、書く、計算する、話す、聞く、推論する、などが学習において著しく困難である状態のこと。

学習障害の多くを占めるディスレクシア(読み書き困難)は日本で5%~8%、欧米では10%~15%いるといわれています。

ディスレクシアもおそらく連続体でしょうし、軽微な場合を含めると読み書きに困っている人々がもっといる可能性があります。

今回は、ディスレクシア当事者である方が、同じく読み書きに困難を抱えられたお子さんに対して行っている実際の支援、工夫などを具体例を交えながら、複数回にわたってご紹介したいと思います。

お子さんの読み書き困難に気付いても、実際にどのようにサポートしてよいのかわからない、見え方の違いにはそもそも気付きにくくどのように困っているのかもわからないという方は多いのではないでしょうか。

そういった方々へこんな工夫で乗り切っている、こんな支援があればできるようになったよ!というものを一人でも多くの方へ届けたい。

 頭が悪いんじゃないんだ!
提示の仕方が悪かったんだって、わかった時泣けたよ。
それよ。発達とか、学習障害とか、認めなくていいから、やりにくい時はこのテキスト使ってみて?って。いいたいのよ。
君は出来ないんじゃないよって。

 

そんな当事者さんの想いと手法をお届けできたらと思います。

囲みのある部分はツイッターID @Koukakurouさん(スナック黄ちゃん)に取材した中での言葉を許可を得て引用させていただいています。

ご本人は読み書きに困難をお持ちのために長文にまとめることが難しく、代わりに私がご紹介したいと思います。

自閉症スペクトラムやその他発達障害と同じように、学習障害のお子さんのタイプも様々です。

全ての読み書き困難のお子さんに合う手法ではないかもしれませんが、お子さんの見え方に気付くきっかけや、支援の方法のひとつとして参考にしていただけたらと想います。

 

ディスレクシア(読み書き困難)とは

ディスレクシアがどんなものかに関しては下記リンクに詳しく書かれています。

ディスレクシアとは | NPO EDGE(エッジ)

上記のサイトにはディスレクシアの見え方の一例が載っています。

LD(学習障害) - 特徴 - 発達障害について学ぶ|発達障害・自閉症・ADHD・学習障害などの情報共有サイト - ふぁみえーる

学習障害のチェックリストもあります。しかしこれらに該当するからといって必ずしも学習障害の診断がつくとは限りません。気になる場合は専門医にご相談を。

LD(学習障害) - チェックリスト - 発達障害について学ぶ|発達障害・自閉症・ADHD・学習障害などの情報共有サイト - ふぁみえーる

その他、ディスレクシアの方の見え方の例です。

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怠けてなんかない! ディスレクシア~読む書く記憶するのが困難なLDの子どもたち

怠けてなんかない! ディスレクシア~読む書く記憶するのが困難なLDの子どもたち

 

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たんぼの田『白い地の部分が浮かび上がる。目に刺さりそうで怖いよ』

知的な問題はない、全く読めないわけではないので怠けている、やる気の問題などといわれ、見え方に困難があることをなかなか理解してもらえない。

本人も生まれつきそのように見えることで自分でも人とは見え方が違うことには気付かず、自分の努力不足、能力不足だと自信を失い、次第に学ぶこと自体を避けてしまう。

「なんで読めないの?」と言われても、小さな子供がこのような見え方を的確に言語化することなど不可能に近いのではないでしょうか。

そして読める、見える、それが当たり前と思っている人々にとっても理解することが難しいものです。

程度は様々でもこのように見え方に困難を抱える人が1割近くもいるのです。

そして今でもこのような困難を抱えた子供たちが学校でみんなと同じ学習方法の中、辛い思いをしているのです。1クラスに数人はいるということ。

教科書を読むのも、テストを受けるのも、黒板を見るのも、ノートを書くのにも、宿題にも、漢字の学習にも困っているのです。

少しのサポートがあれば、工夫があれば、適した道具を使えば、多くの子供たちと同じように学ぶことが出来る子供たちなのです。

 

宿題サポート例 

ツイッターアカウント、@Koukakurou(スナック黄ちゃん)さんの実践されていらっしゃるサポート例をご紹介します。 

小さければ拡大コピーしたものを一問ずつスペースを空けてノートに貼り付けていらっしゃいます。

文字が小さい、間隔が狭いと文字が動く文字が二重に見えるなどの困難があれば見えにくいのです。

筆算の場合、位の補助線があれば位取りがわかりやすい。

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文章題も一問ずつノートに貼り付けて。

小さな文字も書きにくいので広いスペースがあれば大きな文字で書きやすい。

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一問か二問ずつ、目に入るように、工夫するだけで、逃げ出してた子供が、ニコニコして解けるんだよ。嬉しいじゃん。

この@Koukakurouさんの工夫を参考に同じように宿題に困っていらっしゃるお子さんの保護者の方が実践され、今までつきっきりでがんばっていた宿題が一人でもすいすいこなせるようになった!という声がありました。

桝目の大きなノート。45mmサイズです。

書字の問題は見え方だけでなく手先が不器用、微細運動の問題などでも困難が生じます。

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こちらはビジュアルイーズ方眼という商品で、45mm、22mm、18mmのサイズが売られています。下記サイトにて販売されています。

yougu.nittento.or.jp

普通の方眼ノートを使ってこんな工夫も。

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書くことに困難がある場合、筆記具を持ちやすいものにするのも効果的です。

書きにくいのは手指の微細運動や力が入れにくいなどが原因の場合もあります。

こちらは三角形になっていて持ちやすい鉛筆です。三角鉛筆は6Bなどいろんな濃さがあります。

三菱鉛筆 鉛筆 三角かきかたえんぴつ 黄緑 2B 12本入 K45632B

三菱鉛筆 鉛筆 三角かきかたえんぴつ 黄緑 2B 12本入 K45632B

 

 プニュグリップなど普通の鉛筆につけてもちやすくすることも。

クツワ STAD プニュグリップ RB007

クツワ STAD プニュグリップ RB007

 

 可能であればフェルトペンなど書きやすい筆記具に変えるのもよいですね。

 赤鉛筆で筆算の線の下書き、文章題ではどこにどれを式にすればいいかのサポート矢印が書かれています。

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漢字を書くための補助線

漢字は部首がばらばらに見えたり覚えるため書くために苦労する方は多いそうです。

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こちらは「道村式漢字カード」

視覚に困難を持つお子さんに覚えやすい工夫のされた漢字学習の教材です。

こちらで入手できるようです。

小学校の漢字カード

こちらのカードを開発された方の書籍です。

口で言えれば漢字は書ける! 盲学校から発信した漢字学習法 (教育単行本)

口で言えれば漢字は書ける! 盲学校から発信した漢字学習法 (教育単行本)

 

漢字は書くの、すごく嫌がると思んだよね。聴覚も使って耳から入れるといいかも。
空間認知が弱いと漢字も数字も枠に入りきらない
それも、イライラの元になるからね。

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位取りスケールを使った支援。ケタを迷わず書くことが出来ます。

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計算の手順をわかりやすいしおりに書いていつでも確認できるようにします。

 こちらは隔月発行の雑誌ですが役立つ情報盛りだくさんのようです。

特別支援教育の実践情報 2015年 09月号

特別支援教育の実践情報 2015年 09月号

 

こちらはツイッターID @wasabi0209(アボ子さん)の工夫です。

升目にバツを書くことで文字の形を整えやすく書けるように。

同じくバツを書くことで文字を書きやすくする工夫を使われた実践例。

ツイッターID @ayamemama(あやめ。さん)からツイートをお借りしました。

この工夫はこちらの雑誌を参考にされたそうです。実践障害児教育は毎月発売されています。

実践障害児教育 2015年8月号 [雑誌]

実践障害児教育 2015年8月号 [雑誌]

 

 あやめさんが実践されている様子をブログにまとめていらっしゃいます。

sasaraayame.hatenadiary.com

目で見てわかる見通しを立てるのは全ての子供たちに有効なのではないでしょうか。

うちの書くことに少し困難がある息子も、鉛筆で紙に書くことを嫌がったのでタブレットを使って指でなぞりがきをすることで多くの漢字を覚えていきました。

学習を出来るだけ楽しいものにしていくことは困難を小さくしていきます。

今は楽しいアプリで学べるものがたくさんあります。

nanaio.hatenadiary.jp

 ipadなど電子機器を使っての支援は次回書きたいと思います。

 

読み・書き・計算等の苦手を改善・克服するための特別支援教材||NPO法人 スマイル・プラネット|NPO法人 スマイル・プラネット

こちらのサイトには読み書き困難のお子さんのための認知特性別漢字プリントがダウンロードできます。

 

読み書き困難支援のための参考書籍

 上記したもの以外の@Koukakurouさんがお子さんの支援のために参考にされた書籍をご紹介します。

吃音・難聴・読み書き障害の子へのICFに基づく個別指導 (特別支援教育ONEテーマブック)

吃音・難聴・読み書き障害の子へのICFに基づく個別指導 (特別支援教育ONEテーマブック)

 
99までのたし算・ひき算―特別支援 <5‐2進>タイルで教える

99までのたし算・ひき算―特別支援 <5‐2進>タイルで教える

 
なにがちがうの? LD(学習障害)の子の見え方・感じ方 (新しい発達と障害を考える本)

なにがちがうの? LD(学習障害)の子の見え方・感じ方 (新しい発達と障害を考える本)

 
特別支援教育 実践のコツ: 発達障害のある子の〈苦手〉を〈得意〉にする

特別支援教育 実践のコツ: 発達障害のある子の〈苦手〉を〈得意〉にする

 
edu (エデュー) 2013年 08月号 [雑誌]

edu (エデュー) 2013年 08月号 [雑誌]

 
教室の中の気になるあの子から発想した教材・教具 (特別支援教育ONEテーマブック)

教室の中の気になるあの子から発想した教材・教具 (特別支援教育ONEテーマブック)

 
イラスト版 発達障害の子がいるクラスのつくり方―これが基本子どもが困らない35のスキル

イラスト版 発達障害の子がいるクラスのつくり方―これが基本子どもが困らない35のスキル

 

 

その後、ハッシュタグ #宿題やろうぜ で引き続き学習障害の宿題対策についてつぶやいていらっしゃいます。ツイッターで検索してみてください。

学習障害にも様々なタイプのお子さんがいらっしゃいます。

他にこんな工夫で出来るようになったよ!こんな便利なグッズがあるよ!などアイディアがありましたら、是非コメント欄にてご紹介いただけるとうれしいです。

(承認制にさせていただいておりますので時間差がある場合がございます。)

多くの困っている子どもたち、保護者の方々、教育関係の方々へ皆様のアイディアを共有できたらと思います。

次回は

「読むための工夫と支援グッズ」

「電子機器の活用」

「ビジョントレーニング」など

の3本でお送りしま~す!じゃんけんぽん!

※ 続きを書きました。

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ディスレクシア・学習障害支援 学びの楽しさを伝えるために

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前回の続きです。今回は読むための工夫・スマホ、タブレットなど電子機器の活用・ビジョントレーニングなどについて書きたいと思います。

nanaio.hatenablog.com

 読み書きの困難を実際にどの程度あるのかを知りたい方はご家庭で評価が出来るキットもあります。

nanaio.hatenablog.com

 

読みやすくするための工夫

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 ノートの白がまぶしかったら、色つきのメガネでフィルターを。

カラーグラスは色んな濃さや色が売られています。

どの色が見えやすいかは人によってそれぞれだそうなので合ったものを。

読むときでも背景に色がついているほうが見やすい方は多いそうです。

ご自分が見えやすい色のセロファンをかければ読みやすくなったり、スマホやパソコンなど電子機器は白黒を反転することや拡大することで読みやすくなるそうです。

本などを読むときに読んでいる場所に色をつけ拡大できるこんな便利なものも。

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ORIONS カラーバールーペ 21cm イエロー CBL-1000-Y

ORIONS カラーバールーペ 21cm イエロー CBL-1000-Y

 

 色はイエロー以外も各色そろっています。

こちらの写真も前記事と同じくツイッターID @Koukakurouさんからの情報です。

 

人によって縦書きが読みにくい、横書きが読みにくいなどもあるそうです。

フォントによっても読みやすさは格段に違います。

明朝体を読みにくいという方は非常に多いそうです。文字の太さが変わるのが読みにくさにつながるとか。丸ゴシック、メイリオなどは読みやすいそうです。

 

スマートフォン・タブレットなどIT器機を使った視覚支援

見え方に困難を持った方にスマホやタブレットのようなIT器機は強い味方となります。

 学校ではなかなか難しいですが、タブレット、スマホなどの電子機器の持込が認められる場所でしたら、拡大や音声読み上げなど便利な機能がたくさんあります。

iphone、ipadなどiOSでしたらviceover(ボイスオーバー)機能があります。

視覚に困難を持った方のために様々なアプリで音声読み上げをしてくれます。

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設定 → 一般 → アクセシビリティでこの画面が出てきます。(画像はipad)

ボイスオーバーやズーム、色を反転を設定することが出来ます。

Apple - アクセシビリティ - iOS - VoiceOver

 

アンドロイドのスマートフォンやタブレットも同様に音声読み上げや色の反転の設定が出来るようになっているようです。アンドロイドではTalkBackというそうです。

Android Accessibility ヘルプ

 

前の記事で画像を紹介しましたが、文字の白い部分が浮き出て見えるような見え方をする方には白黒反転をしたほうが見えやすくなるそうです。

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スクリーンショットでは反転で撮影できませんでしたので色々写りこんでいますが、色を反転した状態の設定画面です。

ずいぶん目に刺激が少なく見やすいように感じます。

その他、印刷物が小さな文字で見えにくい場合、スマホやタブレットで写真を撮り、拡大することで見やすくすることが出来ます。

(これは私自身も老眼のため時々やっています。)

 

マルチメディアデイジー教科書

支援として学校で認められる場合、マルチメディアデイジー教科書というものがあります。

マルチメディアデイジー教科書

 2008年9月17日施行の「教科用特定図書普及促進法(教科書バリアフリー法)」「著作権法第33条の2」の改正により、LD(学習障害)等の発達障害や弱視等の視覚障害、その他の障害のある児童・生徒のための「拡大教科書」や、デジタル化された「マルチメディアデイジー教科書」等が、製作できるようになりました。

 音声での読み上げ、色つきのハイライトなど読みやすい工夫がされている電子教科書です。

こういうものが読み書きに困難があるお子さん全てに届くようになればいいなあと想います。

こちらはipad、iphone、ipodで専用アプリを使って使用することができます。

これらの器機を学校に持ち込むことを認められれば、読むことに困難のあるお子さんにとっては素晴らしい支援となるものだと思います。

現状で公立の学校では管理の問題などでなかなかハードルが高いものになっているようです。早くこういう支援があちこちで認められるようになって欲しいと願います。

文部科学省でも今後ICTを活用した教育の推進が掲げられており、徐々に浸透していくのではないかと期待しております。

困難を抱えた子供たちに便利なものはきっと多くの子供たちにも役立つものなのです。

 

様々なアプリを使った学習支援

読むこと、書くことに困難を抱える場合、紙のテキストやプリントよりもアプリで学習したほうが楽しく効率よく学べることが多いようです。

今では楽しく子ども達の興味を引く工夫がされた学習アプリはたくさん出ています。

アプリは見るだけでなく音も動きも遊び要素あり覚えやすい工夫がいっぱい。

夢中で遊んでいるうちにマスターしてしまうものもあります。

nanaio.hatenadiary.jp

こちらは別ブログですが、子どもたちの学習支援や生活支援に役立ったアプリをご紹介しています。

国語・算数・理科・社会・生活支援などまとめとそれぞれの紹介記事を書いており、まとめ以外のものも書いています。

書くことに困難があっても指でなぞりがきなら出来たり、計算式を読むことが難しくてもアプリでどんどん計算の概念を獲得したり、その他ビジョントレーニングアプリで視覚機能自体をトレーニングするものもあります。

読み書きが苦手な子どもへの“基礎”トレーニングワーク (通常の学級でやさしい学び支援)読み書きが苦手な子どもへの“基礎”トレーニングワーク (通常の学級でやさしい学び支援)
 

こちらのトレーニングワークを作っている明治図書から、このワークを原作とした読み書きが苦手な子ども向けのひらがなトレーニングアプリが出ていました。

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 8月いっぱいまではセールで720円が480円になっているそうです。

その他、小さいお子さん向けだけでなく小学生、中学生、高校生向けアプリも探せば様々なものが見つかります。次々と便利なものが開発されています。

 

このワークの書籍のほうは算数もあります。

医学と教育との連携で生まれたグレーゾーンの子どもに対応した算数ワーク (初級編1)

医学と教育との連携で生まれたグレーゾーンの子どもに対応した算数ワーク (初級編1)

 

ビジョントレーニングで視覚機能の向上を目指す

視覚自体をトレーニングによって機能の向上を目指すのがビジョントレーニング。

専門の方がトレーニングを行って下さる場所もあるそうですが、数も少なくなかなか通える範囲でみつけることも難しいです。

視機能トレーニングセンターJoyVision(ジョイビジョン) 読み書き、球技、運転が苦手、物が二重に見える、動体視力が弱い、目の疲れ、視覚機能の問題かもしれません。米国オプトメトリストがいる神戸のメガネ店

アプリや書籍などを使ってご家庭で取り組む方法もあります。

 保護者の方と一緒に取り組むなら書籍がよいかもしれません。

 

 アプリでしたらお子さんが自分で好きなときに取り組むことが出来ます。

LEDEXさんのアプリ、少しお値段は張りますがいつでもビジョントレーニングを受けられると思えばそうお高い買い物ではないかもしれません。

新しく出た視覚認知のトレーニングアプリも。

 これらのアプリのことはこちらの記事に詳しく書いています。

nanaio.hatenadiary.jp

 

 前回に引き続きツイッターID @Koukakurouさん(スナック黄ちゃん)のアイディアをお借りします。

学ぶのは教科書やノートだけじゃない!ご家庭の日常生活の中でも学びにつなげられるものはたくさん。

学ぶことに困難を抱えるのならなおさら他で学ぶ楽しさを伝えたいですね。

リビング学習テーブルマット

リビング学習テーブルマット

 

 集中するためのグッズ。ADHDで気の散りやすいお子さんにもいいですね。

id:fumikichi2525さんもご自分の読み書き困難について書かれています。

当事者さんの想いが一人でも多くの方へ届きますように!

fumikichi2525.hatenablog.com

 お子さんに学習のつまづきが見られた場合、原因は読み書き困難かもしれないし、他の原因かもしれません。

読み書きなどに困難があったとしても小さなお子さんには何に困っているのか伝えることも難しいでしょうし、

大きくなっても、周りの皆が当たり前に出来ていることを自分だけが出来ないというのを言葉に出すいうのはとても勇気がいるものです。

読み書きが困難なお子さんに対する支援の大半はおそらくその他のお子さんにとってもとてもわかりやすいものだと思います。

原因を色々探るひとつの方法として取り入れてみるのもいいかもしれません。

なにも英才教育をしようという話ではなく、

まだ見える世界の小さい子供にとって「学校」とはとても大きな存在です。

その学校で辛い思いを少しでも減らせるように

学習において「わかった!」を増やせるように

支える大人が色んなアプローチを用意することが出来ればいいなぁと思います。

紙で読んで紙に書くだけが学習ではありません。

工夫、アプリ、動画、DVD、学習漫画、日常生活の中にも学ぶチャンスはたくさん。

一人でも多くのお子さんが学ぶ楽しさを知り、笑顔で学校生活が送れますように。

読めなくても、書けなくても、勉強したい―ディスレクシアのオレなりの読み書き

読めなくても、書けなくても、勉強したい―ディスレクシアのオレなりの読み書き

 
読み書き障害のある子どもへのサポートQ&A

読み書き障害のある子どもへのサポートQ&A

 

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オキシトシンによる自閉症治療をどう考える?

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近年、自閉症スペクトラムの特性のひとつであるコミュニケーション障害の改善に効果があるといわれている「オキシトシン」による治療が注目されています。

2015年9月4日に東京大学付属病院よりプレス発表がありました。

オキシトシン経鼻剤連日投与による自閉スペクトラム症中核症状の改善を世界で初めて実証 | 東京大学医学部附属病院

私は専門家でもなんでもありませんが、発達障害児のいち保護者として今後の研究を期待しつつ、どう受け止めていくかを考えたいと思います。

 

オキシトシンってなに?

オキシトシンとは、人間の脳から分泌されるホルモンのひとつ。

 脳の下垂体後葉から分泌されるホルモンで、従来は子宮平滑筋収縮作用を介した分娩促進や乳腺の筋線維を収縮させる作用を介した乳汁分泌促進作用が知られていました。しかし一方で男女を問わず脳内にも多くのオキシトシン受容体が分布していることが知られ、脳への未知の作用についても関心が持たれていました。そうした中、健康な大学生などを対象とした研究において、他者と信頼関係を築きやすくする効果などが報告されて注目を集めていました。

www.jst.go.jp

今回の研究では、2012年の研究で見出した自閉症スペクトラム障害群の行動および脳活動の特徴が、オキシトシンの点鼻スプレー投与によって改善するか否かを検証しました。東京大学 医学部 附属病院において40名の自閉症スペクトラム障害の成年男性を対象として二重盲検など最も客観性の高い厳密な方法で医師主導臨床試験を行った結果、オキシトシン投与が自閉症スペクトラム障害群において元来低下していた脳活動を有意に上昇させ、それと共に対人コミュニケーションの障害が有意に改善されることを世界で初めて明らかにしました。つまり、オキシトシン点鼻スプレーを1回投与したことで、健常群で観察される、表情や声色を活用して相手の友好性を判断する行動が増え、内側前頭前野の活動が回復し、それら行動上の改善度と脳活動上の改善度が関与しあっていました。これは、オキシトシンによって脳の活動に変化を与えて、同障害を治療できる可能性を支持する結果です。

東京大学、金沢大学、名古屋大学、福井大学の共同研究チームにより現在も大規模な臨床試験が行われています。

自閉スペクトラム症へのオキシトシン経鼻スプレーの臨床試験 | 東大精神科

今回の臨床試験の結果により、オキシトシンを医療に用いることを可能にする開発計画が進むことが期待されます。

有効であること、安全性の確認などが今後の研究で進めば、自閉症スペクトラムの処方薬となる可能性があるようです。

すでに陣痛促進剤や母乳を出やすくするために医療現場で使われているので人体に対する安全性は確立しているのでしょうから、適応範囲の問題なのかもしれません。

コミュニケーションや社会性に効果が見られたということは自閉症スペクトラムを抱える人々にとって生きる困難を軽減する可能性は大きいかもしれません。

ただし、子宮を収縮させる作用があるので治験も成人男性だけが対象のようです。

現在はサプリメントとして輸入品を一般でも入手することは可能のようですが、女性の場合や、オキシトシンの血中濃度が高すぎると逆効果という報告もあるそうなので、医師の指導に基づかない個人的な使用は慎重にならざるを得ません。

自閉症スペクトラムの診断があっても全ての人がオキシトシンの血中濃度が低いわけでもないそうです。

成長過程である子供に対しての使用も安易に試すわけにもいかないと思います。

お子さんの場合はマッサージなどスキンシップなどによって脳からオキシトシンが分泌されるのではないかという研究もあるそうなので、触覚過敏などでお子さんが嫌がらないのであれば積極的に取り入れるのもひとつの方法です。

こちらの記事に娘が通級指導教室で受けていたマッサージを動画でご紹介しています。

nanaio.hatenablog.com

今までは自閉症スペクトラム自体に働きかける治療薬はなく、不安や多動を抑える薬や二次障害に対する治療が中心でした。

おそらく自閉症スペクトラムの人々が社会の中で生きていく上において一番の障壁となるコミュニケーションや社会性に効果があるのなら、多くの人が困難を軽減し生きやすくなる可能性があります。

 

オキシトシンは人格を変えるのか?

今後、研究が進み、治療薬として医療の場で一般的に使われるようになった場合、使うのかどうか悩むところですよね。

対人関係に悩み一刻でも早く使いたい!という方も多いでしょうが不安もあると思います。

コミュニケーション障害が改善される、社交性が身につくということは、今までとは違う人格になってしまうのではないかと。

オキシトシンではありませんが、娘にADHD治療薬コンサータを飲ませるにあたって同じように悩んできました。

主治医と半年間も納得いくまで話し合った上で始めた投薬。

初めてコンサータを飲んだときの娘は副作用も強く出て別人のように大人しくなりました。

これが私の娘なのか、ここまでして娘を変えなければならないのか。

扱いやすくするための私のエゴではないのか。

副作用も強く出ていたため、最初はお試しだけでやめてしまいました。

今から思えば微調整の出来ない薬なので体格が追いついていなかったのかもしれません。

就学に当たって一人で通学したりする上で飛び出しなどによる命の危険を考えてコンサータを再開。娘の身体の成長もあり、薬が合うようになりました。現在も続けています。

コンサータは12時間だけ効くよう設計された薬で、その間からだの多動や思考の多動、不注意を抑える薬です。それも完璧に抑えるわけではありません。

ADHDを根本治療する薬ではなく人格そのものが変わるわけではありません。

成長過程にある子供に対してはADHD特性による失敗を軽減し、集中力をあげることによって学習しやすくなることなど、人としての成長をサポートする効果が大きいのです。

オキシトシンも投与している間に効果が見られると聞いています。

おそらく投与をやめれば元通りになると想像します。

元々人間の脳から分泌されるホルモンの不足分を補給するということですので、やめても同じように脳からたくさん分泌するとは考えにくいですし、陣痛促進剤として使用した後に社交性が上がった状態が維持できるという話も聞いたことがありません。

出産し母乳を与えている間は女性から多くのオキシトシンが分泌されているそうですが、元々コミュニケーションに困難がある女性が出産によってその後も社会性が大きく向上したということも聞きません。

コンサータと同じく服用している間だけ効果が見られるものではないかと思います。

そしてコンサータなどの薬と同様、誰にでも同じような効果が期待できるものではないのかもしれません。人によって合う合わない、効果があるない、副作用が強く出る出ない、と個人差があるかもしれません。

たぶん、人格を変えるほどの根本治療ではなく、困難を軽減するのに役に立つものとなるのではないでしょうか。

コミュニケーションや社会性の困難は自閉症スペクトラムの人の特性のひとつであり、人格の全てとイコールではなくほんの一部にすぎません。

自閉症スペクトラムを持ちながら社会で活動している人はたくさんいます。特性上苦手である人との付き合いに多くのリソースを裂かなければならず、疲弊し能力を十分に発揮できない、または鬱などの二次障害に追い込まれる状況の人々も多いのではないでしょうか。

そういう方々にとってオキシトシンは画期的なものとなるかもしれません。

万能薬ではないでしょうが円滑なコミュニケーションを経験することは自己肯定感の向上にも繋がります。

子供が自閉症であると医師から告げられれば、ほとんどの保護者の方はショックを受けられると思います。私もそうでした。

そして治す方法はないのか?できれば治したいと思うものです。

しかし、持って生まれた脳の特性。その特性も私の子供たちを構成する一部です。

悪いことばかりではありません。愛すべき特徴もたくさん持っています。

その特性による困難の軽減や、社会適応を進めることがトレーニングや工夫によって出来ればいいと今は思っています。

オキシトシンはそうした自閉症特性によるコミュニケーションの困難を「軽減する」手助けのひとつとなるのかもしれません。

 

能力のトレードオフは起きるのか?

 私がオキシトシンの効果で一番気になるのが能力のトレードオフ。

 自閉症スペクトラムなどの発達障害は、発達傾向に凸凹があります。

中には部分的に突出した能力を持つ人もいます。

極端な例が映画「レインマン」に登場したようなサヴァン症候群と呼ばれる人々ですが、

(レインマンは実在のサヴァン症候群当事者キム・ピーク氏をモデルにしたお話です。)

サヴァン症候群の方々の中には成長の過程で社会性を身につけることによりその特殊な能力が薄れていったり消えていったという例があるそうです。

つまり特殊な能力は社会性とトレードオフの関係にあるのではないかと言われています。

サヴァン症候群は狭義では世界に数えるほどしかいないと言われていますが、広義においては自閉症などの障害を持ちながら人より秀でた能力をもつ場合に使われるそうです。

おそらくうちの息子は広義においての数学的サヴァンではないかと思っています。

小学校の算数は就学前に終わり、現在小学2年ですが中学3年の数学を独学で学んでいます。平方根や因数分解は4歳くらいで理解していました。

しかし、コミュニケーションはかんもく傾向、社会性も乏しく一緒に遊ぶお友達はいません。

もしも、将来息子がオキシトシンの治療を望んだ場合、トレードオフは起きるのか?

すごく気になるところです。今後の研究でその点について明らかになってくれるといいなと思います。

レインマン [DVD]

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オキシトシンが治療薬として一般化されたらどうする?

臨床試験の段階では成人男性のみが対象でその他条件もいろいろとあるようですが、どこまで適応範囲になるのかはわかりませんし、実現化されるのか、なるとしたらいつなのか、今のところ素人の私には全くわかりませんが、

もし、うちの子供たちにも使えるようになったらどうするか。

今のところはこのように考えています。

研究成果が色々と発表され新たな事実がわかってくればまた考えも変わるかもしれませんが、自分の人生にとってなにが大切なのかは個人によって違うものであり、個人が選択するもの。様々な選択肢とその情報を用意するのが親として出来ることであり、選ぶことが出来る時期が来れば本人に任せたいと思います。

息子の持つ突出した能力や、娘がこれから開花させるかもしれない才能が、子供たちが生きていく上で重要な役割をもつのであれば、トレードオフは彼らの人生にとってマイナスとなることもあるでしょうし、逆に円滑なコミュニケーションを身につけたほうが生きやすい場合もあるでしょう。どちらを選ぶのか。それは子供自身が自分の人生を考えて選べばいいと思っています。

今後もオキシトシンの研究に注目したいと思います。

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苦手なことへの取り組み方 スモールステップ実践例

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受動型で不安の強いタイプの自閉症スペクトラムである息子は自分で出来ると自信がない限り、なかなか新しいことに挑戦しようとしません。

得意なことがある反面、苦手なことも数多く抱えています。

今でも苦手なことは色々とあるのですが、ちょっとした工夫ですごく苦手だったことがあっさり出来るようになったことがありました。

息子のような特性だと、本来出来る能力を持っているのに不安や自信のなさから避けたままのことがあります。そういう場合にはとても有効な方法だと思います。

ADHDの娘にも、やる気がないとき、興味を持ちにくい新しい概念を学習するときなどに使っています。

苦手で出来ないことにも理由は様々。感覚過敏や学習障害など特性が大きく絡んでいることは、その原因に対してのアプローチが先になります。

小さいお子さんや特性によっては自分の困難を言語化しにくい場合も多いので、原因を探ることはなかなか大変ですが、スモールステップで手順を細分化していくとどこで躓いているのかが見えやすくなります。

躓きポイントがわかればそこから原因も探りやすいですし次の対応につなげられます。

 

小さい時の息子は人のいる遊具に近寄ることもできず、一人で遊んでいたところにたくさんの子供たちがあとからやってきて遊具の上で身動きが取れず泣き出したこともありました。

ブランコ、滑り台などは好きだったのですが、なぜか鉄棒だけは人がいなくても全く近寄ることが出来ませんでした。

触ったこともない、もちろん失敗したり怖い体験をしたわけでもないのになぜか絶対に近寄りません。

就園前に通っていた母子通園のデイサービスで公園に遊びに行った時に、鉄棒にぶら下がってみようという課題が出されました。

当然嫌がりましたが、抱きかかえて無理やり鉄棒を握らせただけでした。

(今から思えば無理やりというのはよくない対応でした・・)

そんな鉄棒キライの息子でしたが年中(4歳児)の時に通ったグループ療育で、なんとあっさりと苦手をクリアでき、その後鉄棒大好きに変身した経験があります。

「うちの子、なぜか鉄棒に近寄ることも出来なくて・・」と相談したことから課題の中に取り入れて下さいました。

そのやり方を見て、なるほど、スモールステップってここまでやることなんだな、ととても勉強になりました。

今日はその息子が鉄棒を出来るようになった方法についてのお話です。鉄棒などの運動に限らず、どこまでスモールステップにすればよいのか、他のことにも考え方として応用が出来ることだと思います。

 

1.トークンを用意する

トークンとはご褒美のことです。息子の場合はスタンプカードを用意していただいていました。ひとつの手順が出来たら数種類の中から好きなスタンプを押してもらえます。

手順の数だけマスが設けられています。

このトークンはお子さんのタイプや年齢によっていろんなご褒美にするのもよいと思います。おやつや、スタンプがたまったら何か買ってあげるなどもモチベーションになります。

スタンプや物でなくても、ハイタッチや抱きしめてあげるのもよいでしょう。

苦手度によってトークンを設定するのがよいと思います。

 

2.最初は触るだけからスタート

最初のステップは鉄棒を手で触るだけ。まずは先生がお手本で、鉄棒に触るだけでOKとスタンプを押しに行きます。

そのあとに子供たちも次々と鉄棒に触りスタンプを押しに。

お手本で見通しも立つので息子もこれだけでいいなら、と躊躇なく鉄棒に触ることが出来ました。

スモールステップの最初の段階では、本人の能力的に絶対出来ることから設定し、それが評価されることが大事なんだなぁと思いました。

これだけなら出来る→出来た→褒められた の経験が次に繋がります。

 

3.鉄棒を握ってみる

鉄棒の握り方、親指は他の四本指と反対の方向でぐっと握るとお手本を見せながら教えてもらいます。

これ、小さいお子さんだと親指を他の指と同じ方向に向けてひっかけてるだけというパターンは結構あるようです。

正しい握り方で鉄棒をぐっと握るだけで2つめのスタンプがもらえます。これも難なくクリア。

 

4.鉄棒を握っておなかにあてる

次のステップは鉄棒を握っておなかにぴたっとくっつけるだけ。これもクリア。

ここまでくれば本人も自分でもできると安心して取り組んでいます。

 

5.その後のステップ

その後は、鉄棒を握り、おなかにぴったりくっつけ、頭を下げるステップ、

次は、頭を下げて足を浮かせる、

その次はいよいよくるんと前まわり。先生の補助が入ります。

最後に先生の補助なしで一人で前まわり。

なんと、今まで近寄ろうともしなかった鉄棒が、わずか1時間足らずで一人で前まわりができるようになりました!

正直びっくりしました。息子の顔はとても誇らしげでした。

その後は幼稚園でも自分から鉄棒で遊び始め逆上がりにもチャレンジしていました。

 

なぜあんなに鉄棒に対して苦手感を持っていたのかは今でもわからないのですが、

こうして本当に細かく細かく刻んでいったことで息子の不安も取り除かれ出来るようになったのだと思います。

 

自宅で応用していること

やる気がなくてなかなか宿題に取り掛かれない、気が散って進まない、ADHDをもつ娘はよくあることです。

まずは準備が出来たらハイタッチ、一文字かけたらハイタッチ、次は2文字、ととりあえずやってみる、ひとつずつ出来た体験とご褒美でだんだんスイッチを入れていっています。

別の時はキッチンタイマーを使い、まずは3分間セット。その時間でどれだけ出来たかを記録してきます。やる気が極端にないときは1分から。徐々にスイッチが入り記録が伸びてくると益々エンジンがかかります。

注意散漫がある場合は短い時間、すぐ手の届くご褒美はとても効果的です。

ただ、娘は同じやり方はすぐに飽きてしまうのでパターンを多く持つことが必要となってきます。

慎重な息子の場合は課題設定などがないかぎり苦手なことにまず自分から挑戦しようとしませんので、出来るだけ興味を持たせる仕掛けを優先し、スモールステップで成功体験から進めるようにしています。

 

苦手に取り組む上で大切なこと

発達に凸凹があると苦手なことも数多く現れてきます。

成長の段階で見えてくる場合も多々あります。

苦手なことに取り組む上で大切なのは、そのお子さんが取り組むものに対して十分な発達段階にあるかどうかを見極めることだと思います。

産まれたばかりの赤ちゃんを歩かそうとしても無理なのと同じで、発達段階がそこに達していないことはいくらスモールステップにしても出来ません。

年齢が何歳だから、周りの子はこれくらい出来ているからという基準ではなく、個に対応することが大切です。

 

本人がへこたれないチャレンジャータイプ(うちの娘)だとか、意欲を見せたときなどはとりあえずやらせてみるのはいいですが、慎重なタイプ、失敗でパニックになるタイプ(うちの息子)だとスモールステップでまずは成功体験を積める範囲の挑戦にしたほうがよいと思います。

これは家庭学習についてのツイートです。学びも個のレベルや理解しやすい特性を掴むこと、苦手なことは特に出来るという体験から面白さを感じることが大切だと思います。

 

これはディスカリキュア(算数障害)で計算は苦手だけども数の概念には天才的な能力を持つ人もいるというお話からのツイートです。

何かが出来ない理由には様々な特性やタイプが絡んで関係しているように思います。

今、うちの息子は絵と作文の困難で生活科の観察日記の課題に苦労したり、数学の家庭学習で証明問題が答えは口で説明できても順序だてて説明する式が書けない、などの壁にぶつかっています。

今までの経過や検査、主治医と話したりしながら、息子が作文や絵ができない理由が見えてきました。書字障害の傾向があるのかと思っていましたがどうやら別のところに理由があったようです。

このことはまた別の記事にしたいと思います。

こちらの苦手も息子の発達段階を踏まえてスモールステップで挑んでいこうと思っています。

 

狭い我が家でも作れたクールダウンスペース。余計な刺激がカットされ集中もしやすいです。

狭いところが落ち着くというお子さんは多いみたいですね。うちの子たちも大好きです。

発達障害の子の立ち直り力「レジリエンス」を育てる本 (健康ライブラリー)

発達障害の子の立ち直り力「レジリエンス」を育てる本 (健康ライブラリー)

 

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発達障害かも?子供の発達が気になったらどこに相談したらいい?

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子供の発達が気になる、発達障害かもしれない。

そんな不安を抱えてこのブログにこられる方も多いと思います。

私自身も疑問を持ちながら検診で相談しても問題ないといわれ、なかなか専門機関へ繋がることができず途方にくれていました。

コメントで専門医を知りたいと書き込んで下さった方がいらっしゃいました。

今日は地域での相談できる専門機関の探し方について、どんな診察や検査をするかについて書きたいと思います。

 

最初にどこに相談すればいい?

 相談機関の体制については非常に地域差があり、全国一律に同じとはいきません。

公立の療育センターがあるところもあれば、直接病院にかかるところもあります。

しかし、相談窓口として全国に「発達障害者支援センター」「児童相談所」「子育て相談窓口」があります。

全国の発達障害者支援センター

www.rehab.go.jp

 「発達障害者」と名前はついていますが、まだ診断がついていない、現在不安に思っている小さなお子さんの保護者の方でも、相談支援や発達支援など行っています。

必要であれば教育、医療などの専門機関へ連携支援も行われています。

 

全国の児童相談所

www.mhlw.go.jp

 児童相談所といえばニュースでよくみかける虐待児保護のイメージですが、児童(0歳から18歳未満)の子供に対する様々な相談に応じてくれる場所です。子供の発達に関わる悩みにも対応しています。必要であれば発達検査なども行われています。

知的障害を伴う発達障害と診断されて「療育手帳」をとる場合、判定は児童相談所で行われます。

※療育手帳は様々な福祉を受けることができる障害者手帳の一種です。自治体によっては知的障害あるなしに関わらず療育手帳を取得できる場合があります。療育手帳は自治体独自の発行ですので判定基準も地域によって違いますし、違う名前がついている場合もあります。

 

自治体の子育て相談窓口

子育て相談窓口は各地域の「保健センター」などにあると思います。

それぞれの相談窓口から必要であれば専門機関へ紹介をしてもらえます。

我が家の場合は保健センターから巡回の保健師さんが来てくださり専門機関へ繋がることが出来ました。

保健センターでは1歳半検診、3歳児検診なども行われており、そこで発達に困難を抱えている子供を早期発見し相談機関に繋げることもあります。

しかし身体、知的、言語などの発達に問題がない場合はそのチェックから漏れてしまうことも。うちは検診では問題なしといわれていました。

(息子の場合は3歳検診以前に病院で診断がついていましたが、1歳半検診では言語の遅れがあったにも関わらず何もいわれませんでした。)

うちの娘の場合は3歳児検診の時点で私はADHDを疑っており、希望して別室相談をうけましたがただの性質で発達には問題がないとされました。

その後専門医に繋がることができ、様子見もグレーゾーンも言われず一発で確定診断がついたほどはっきりくっきりADHDとアスペルガー症候群である娘でも、そのようなことがあります。

担当された保健師さんによっても知識やスキルのばらつきがあるでしょうし、保護者の方の納得がいかなければ他の相談窓口に行ってみるというのもひとつの方法です。

 

相談したらそのあとどうなるの?

お子さんの状態、保護者の方からの聞き取りによって支援が必要であれば療育センターや専門医を紹介してもらうことができます。

私の居住地では公の療育センターはなく病院に並立したところばかりですので経験はありませんが、療育センターでは臨床心理士さんなど専門の方々がいらっしゃいます。

お子さんの様子、保護者の方から生育歴などの聞き取り、発達検査といって知能テストのようなものを行い、それによって必要とされれば心理、言語、作業などお子さんに合った療育を受けることが出来ます。

療育ではお子さんの成長を促すためにそのお子さんの発達段階に合ったかかわり方や楽しい遊びを交えたトレーニングが行われます。

療育には療育センターなどで行われるものと、民間の児童デイサービスで行われるものがあります。個別で行われるもの、グループで行われるものがあります。

児童デイサービスも福祉事務所で手続きをし「通所受給者証」を取得することが出来れば1割負担で通うことができます。

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正式な診断や投薬治療が出来るのは医師だけですので必要な場合は専門医に紹介されます。

うちの場合は保健センターからの紹介で専門医にかかり、そこからの指示で療育を開始しました。

 

専門医を探す

相談窓口から専門医を紹介していただけると思いますが、なかなかそこまでたどり着けないなどで、直接専門医にかかりたい方もいらっしゃると思います。

先ほども書きましたように、正式な診断や投薬治療が出来るのは医師だけです。

児童精神科医は非常に少ないといわれており、探すのも大変。

日本小児神経学会のサイトに全国の小児神経専門医一覧があります。

小児神経専門医のいる全国の病院・施設

こちらから調べれば見つかると思います。

ここに載っていない病院でも発達障害に詳しいところもあります。

(うちは二つの病院にかかっていますが、娘が現在療育に通っている病院の名前は載っていませんでした。)

ただし、だいたいどこも予約でいっぱいの状況だと思われ、半年待ち1年待ちという場合もあります。

うちの子供たちがかかっているところでも初診は半年待ちです。うちは投薬があるので毎月かかっていますが、定期的な発達検査などは半年以上前に予約が必要です。

 

もし発達障害と診断がついたら

あまりに小さいうちは正確な診断がおりず様子を見ましょうといわれたり、グレーゾーンといわれることもあるでしょう。4歳ごろに診断がつく場合が多いようです。

かわいいわが子が障害であると告げられても、なかなか簡単に受け入れられることではありません。

私は娘のADHDをほぼ確信をもって診断に望んだのですが、思ってもいなかった自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)もついていてその場で泣き崩れてしまいました。

診断がついても受け入れられるまではしばらく時間がかかるかもしれません。

しかし、診断がつこうがつくまいが目の前のわが子になんの変わりもありません。

子育てに行き詰まり限界まで来ていた当時の私は、診断がついたことでこの子に必要な対応や支援に繋がることができ、本当に親子共々救われました。

発達障害は発達しない障害ではなく、発達の仕方に凸凹があるということ。

早い遅いと特性はありますが、適切な関わりや支援を行うことで必ずその子なりの成長をしていきます。

できるだけ早期にその子に合ったサポートをしていくことにより学校や社会への適応を進めることも可能なのです。

最近では大人の発達障害も話題になっていますが、発達障害の特性を持ちながらも自立し社会で活動されている方はたくさんいます。

現在小学生のうちの子供たちも将来はどうなるかはまだわかりませんが、

今のところ娘は通常学級、息子は支援学級で毎日学校に通い、自分の得意や好きなことを伸ばしていけていると思います。

苦手なことやサポートが必要なことも子供の特性をつかみ学校や専門機関と連携することによってひとつひとつ前に進んでいます。

発達障害と一言でいってもその特性は本当に様々。うちも娘と息子では全く違った特性を持ちます。同じやり方では通用しないことも多いです。

大切なのはお子さんの状態や特性を知ること。

子供の行動には必ずなんらの理由があると私は考えています。

状態や特性を把握することでその理由をさぐり、対応策を考えることができます。

療育や専門家の方々が一緒に支えて下さいます。

診断をきっかけにしてお子さんの特性を知ることは

お子さんの成長を助けるための第一歩となると私は思っています。

前向きに考えられるようになれば是非お子さんに合ったサポートを探してみてください。

ココロとカラダほぐしあそび―発達の気になる子といっしょに (Gakken La pomme Books)

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 こちらの本は幼児期の療育でも取り入れられている楽しい遊びがいっぱい載っています。

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合理的配慮が学校を変える!

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平成28年4月1日より「障害者差別解消法」が施行されます。

この中にある「合理的配慮」は、障害を持つ人々に対して必要な環境整備などの配慮を行うということ。

それにより、発達障害児をとりまく学校環境が大きく変えられるのではないか、その他多くの子供たちにとっても変化をもたらすのではないかということについて書きたいと思います。

簡単に言えば今まで配慮を求めても「前例がない、特別扱いできない」などと断られていたことが、配慮しないのは法律違反ということになりかねないのです。

「合理的配慮」の否定は障害を理由とする差別になるのです。

ただし、均衡を失した又は過度の負担を課さないものという条件があります。

法律のことなので難しい文言が並びますが、来年度よりお子さんにとってよりよい学校環境を求める上で非常に大切なこととなってきます。

この新しい法律が施行されても、こちらから意思表示がないことには勝手に変わるということはなかなか難しいと思います。知っている上で意思表示することが重要になってきます。

是非、発達障害児をはじめとする多くの困難を抱える子供の保護者の方々に知っていただきたいと思っています。

参考資料も多く、長い文章になりますがお付き合い下さい。

 

合理的配慮とは

2006年に国連で採択された「障害者の権利に関する条約」に、日本は2007年に署名しました。この条約は、障害者への差別禁止や障害者の尊厳と権利を保障することを義務づけた国際人権法に基づく人権条約です。

これにより整備された国内法が「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(障害者差別解消法)です。

障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成25年法律第65号) - 内閣府

この中には「発達障害を含む」と明記されています。

こちらの第三章七条に合理的配慮について書かれています。

2 行政機関等は、その事務又は事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならない。

行政機関の中には公立学校も含まれ、合理的配慮は義務となります。

私立学校や民間企業の場合は「合理的な配慮をするよう努めなければならない」と努力義務になっています。

この法律が効力を発揮するのが2016年4月1日となるのです。

 

じゃ、その「合理的配慮」ってなんなの?ということですが、学校においては文部科学省のサイトにこのように書かれています。

1.障害者の権利に関する条約における「合理的配慮」

(1)障害者の権利に関する条約「第二十四条 教育」においては、教育についての障害者の権利を認め、この権利を差別なしに、かつ、機会の均等を基礎として実現するため、障害者を包容する教育制度(inclusive education system)等を確保することとし、その権利の実現に当たり確保するものの一つとして、「個人に必要とされる合理的配慮が提供されること。」を位置付けている。

(2)同条約「第二条 定義」においては、「合理的配慮」とは、「障害者が他の者と平等にすべての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう。」と定義されている。

2.「合理的配慮」の提供として考えられる事項

(1)障害のある児童生徒等に対する教育を小・中学校等で行う場合には、「合理的配慮」として以下のことが考えられる。

(ア)教員、支援員等の確保
(イ)施設・設備の整備
(ウ)個別の教育支援計画や個別の指導計画に対応した柔軟な教育課程の編成や教材等の配慮

資料3:合理的配慮について:文部科学省

「均衡を失した又は過度の負担を課さない」限りは、申し出のあった合理的配慮を行わなければならないということです。このあたりも解釈が難しいですね。

インクルーシブ教育の推進とも関係してきます。

具体的にどういう合理的配慮が行われる可能性があるかについてはこちらに書いてありました。

別紙2 「合理的配慮」の例:文部科学省

発達障害に関係するところを抜粋引用します。

 .共通

  • バリアフリー・ユニバーサルデザインの観点を踏まえた障害の状態に応じた適切な施設整備
  • 障害の状態に応じた身体活動スペースや遊具・運動器具等の確保
  • 障害の状態に応じた専門性を有する教員等の配置
  • 移動や日常生活の介助及び学習面を支援する人材の配置
  • 障害の状態を踏まえた指導の方法等について指導・助言する理学療法士、作業療法士、言語聴覚士及び心理学の専門家等の確保
  • 点字、手話、デジタル教材等のコミュニケーション手段を確保
  • 一人一人の状態に応じた教材等の確保(デジタル教材、ICT機器等の利用)
  • 障害の状態に応じた教科における配慮(例えば、視覚障害の図工・美術、聴覚障害の音楽、肢体不自由の体育等)

 (中略)

4.知的障害

  • 生活能力や職業能力を育むための生活訓練室や日常生活用具、作業室等の確保
  • 漢字の読みなどに対する補完的な対応

(中略)

7.言語障害

  • スピーチについての配慮(構音障害等により発音が不明瞭な場合)

8.情緒障害

  • 個別学習や情緒安定のための小部屋等の確保
  • 対人関係の状態に対する配慮(選択性かん黙や自信喪失などにより人前では話せない場合など)

9.LD、ADHD、自閉症等の発達障害

  • 個別指導のためのコンピュータ、デジタル教材、小部屋等の確保
  • クールダウンするための小部屋等の確保
  • 口頭による指導だけでなく、板書、メモ等による情報掲示

具体的な配慮としてどのようなものが考えられているか障害種別に細かく書かれたものがこちらになります。

合理的配慮等環境整備検討ワーキンググループ 報告 別表:文部科学省

 

学校における合理的配慮の定義や、決定までの流れ、具体的な支援や指導についてはこちらに詳しく書かれています。

合理的配慮等環境整備検討ワーキンググループ 報告:文部科学省

 

具体的にどんな配慮をお願いできる可能性がある?

  なんだかんだと難しいことを書いてきましたが、

・学習障害(LD)がある場合、電子教科書などタブレットを使った学習を学校で行いたい

・聴覚過敏があるのでデジタル耳栓やイヤーマフを使いたい

・板書に困難があるのでデジカメやスマホやタブレットなどで写真を取ることで代用したい

・特性上繰り返しが苦手なので宿題を軽減してほしい

・アレルギーではなくても嗅覚過敏味覚過敏で食べられないものを給食で強制しないでほしい

・触覚過敏や感覚過敏があるので制服・体操服などを別のものでも許可して欲しい

 

などの障害特性を理由とする要求に対して公立の学校であれば配慮しなくてはならない義務になるということです。(私立の場合は努力義務)

もちろん、子ども自身の状態やスキル、本人の意思、それに対する評価、今後の見通しや成長する上での課題などを学校と話し合いで合意に達する必要があります。

家で困難なことも学校なら出来ている場合もあるでしょう。担任の先生や支援コーディネーター、外部の専門家などと今お子さんに必要な支援は何かをしっかり話し合う必要があると思います。

今までだと「前例がない、他の子の手前特別扱いは出来ない、管理の問題がある」と学校から断られることも多かった事例だと思います。

 ただし『「合理的配慮」の決定・提供に当たっては、各学校の設置者及び学校が体制面、財政面をも勘案し、「均衡を失した」又は「過度の」負担について、個別に判断することとなる。』とありますので、負担がかかるものに関しては相談していく形となるのでしょう。

上記の例の場合、IT機器に関しても持込であれば学校側に過度の負担とはならないですし(と私は解釈しています)、認めないわけにはいかない、そして適切に管理する義務もあると思います。

「デジタル機器の確保」が合理的配慮の例にも上がっていますので、予算をつけてもらい学校に準備してもらうことも考えられるかもしれません。

そして特別扱いと思われないよう他の生徒の理解を求めたり配慮や学級運営も学校側に必要となってくるでしょう。

合理的配慮は特別扱いではなく、他の子供たちと同じように障害のある子供たちの学ぶ権利を保障するためのものです。

視力に困難のある子供が眼鏡をかけるのと同じことなのです。

 タブレットなどデジタル機器を通常学級で活用する際の参考資料として、文部科学省が筑波大学に委託し作られた「発達障害のある子供たちのためのICT活用ハンドブック(通常の学級編)」があります。

http://www.gakko.otsuka.tsukuba.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2014/03/7d7182720744591a8e17e444a24c15911.pdf

こちらには導入事例だけでなく、教室での管理、学級運営に際しての留意点などが書かれており、全ての学校の先生方に目を通していただきたい内容です。

 子供たち一人一人の個性を認め合える学級作りが必要です

皆同じ → 皆違う、違っていい、違っていることが自然である

 学級の子供たちが「皆同じ」ではなく、一人一人の子供が異なる機器や手立てを使えるように、「皆違っていい」ということを教えていくことが大切です。
 同じ物を使う、という平等さから、「それぞれが元々違うのだから違って当たり前」という考え方への転換をしていかなければなりません。

 通常の学級にいる子供たちは学習スタイル(学習のしやすい感覚や処理様式)が皆異なります。それぞれの子供が、自分の学習スタイルに合ったやり方で学習内容にアクセスできるようにすることがよいのです。
 ICTの活用は、教材教具としてのレパートリーや文具としての簡便さを増やし、子供が自分の力を十分に発揮できる環境を作りやすいという点で、非常に効果的であると考えられます。

 

合理的配慮が一般的になれば

障害者差別解消法にも「障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において」との記述がありますから、こちらから意思表明をしなくてはなりません。

これに関してはつぶやいたあとに気付いたのですが、大人しい息子は目立つことをしたがらないのでたぶん本人が嫌がるかなと・・。本人が嫌がる以上無理強いはできません。

 障害者差別解消法の施行に伴い、多くの保護者が合理的配慮を求めるために学校と話し合いをすることができれば、私は学校自体が変わるのではと期待しています。

一度に変えることは学校にとって大きく負担となるでしょうし無理かもしれませんが、一歩一歩前に進むことはできると思います。

今の私の子供たちの支援体制があるのは先生方、専門家の方々、先輩保護者の方々が努力の賜物だと思っています。

それをもう一歩前に進めたい。今の子供たちのためにも、後に続く方々のためにも。

障害特性を理由に学校に配慮を求めたい保護者の方々、一度お願いしたけども断られた方も、来年度の施行を機に学校に意思表示をしてみませんか?

学校と保護者はともに子供の育ちを支えていくものですし、出来れば良好な関係を保ちたいものですよね。

学校と合意できるよう穏便に交渉を進められればいいなぁと思っています。

私は配慮をお願いするときに文部科学省など今回の記事にリンクを貼った合理的配慮に関するサイトを印刷し持参して学校とお話できればと思っています。

学校の先生方はこの件に関して研修等されていらっしゃることと思いますが、どの程度解釈の違いがあるかわかりませんし、こちらがこの法律に関して知っているとわかってもらえれば話もスムーズに進みやすいかもしれません。

 この「障害者差別解消法」は小学校中学校だけでなく、公立の学校なら大学でも義務ですし、幼稚園保育園など私立の場合でも努力義務になります。

そして民間企業にも同じく努力義務があります。成人当事者の方にも関係のある話です。

できれば多くの障害児・者に関わる方々に合理的配慮について知っていただきたいと思います。

親の会などに参加されていらっしゃる皆様、ぜひとも周りの方々へ合理的配慮についてお知らせ下さい。

文部科学省などリンクしたサイトを印刷しても、こちらのブログをお知らせ下さっても嬉しく思います。

いま困っている多くの子供たちが、合理的配慮によって快適な学校生活を送れるよう願っています。

※今回リンクしたサイトを再度まとめて

障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成25年法律第65号) - 内閣府

資料3:合理的配慮について:文部科学省

別紙2 「合理的配慮」の例:文部科学省

合理的配慮等環境整備検討ワーキンググループ 報告:文部科学省

合理的配慮等環境整備検討ワーキンググループ 報告 別表:文部科学省

http://www.gakko.otsuka.tsukuba.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2014/03/7d7182720744591a8e17e444a24c15911.pdf

(発達障害のある子供たちのためのICT活用ハンドブック)

※合理的配慮の個別事例がどうなるかについてご質問いただいても私はいち保護者ですのでお答えすることができません。上記リンク先を熟読いただき、学校および専門家の方々にご相談下さい。

合理的配慮をお願いするにあたって具体的にどうすればよいのか続編を書きました。合わせてご覧ください。

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 この記事にいただいたコメントに対してお返事を記事にいたしました。あわせてどうぞ。

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知的障害・発達障害のある人への合理的配慮

知的障害・発達障害のある人への合理的配慮

 

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発達性協調運動障害 不器用な理由はこれだった

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多動でとにかく活発に動き回る娘。運動は得意なんだろうなぁと思っていました。お風呂でもイルカのようにもぐってぐるぐる暴れるし泳ぎも得意だろうと。ところが小学校に入ってみると体育の成績がいまひとつ芳しくない。泳げない。アレ?

他にも蝶結びがなかなか出来ない、髪の毛を自分でくくれない、不器用で出来ないことが数多くあります。

小さい頃、寝返りをうつ、歩く、しゃべるなど身体的な発達の遅れはまったく見られなかった娘ですが、動きに関してなんか妙だなーと思うことはしばしばありました。

 

発達性協調運動障害とは

発達性協調運動障害(DCD: Developmental Coordination Disorder)とは

筋肉や神経、視覚・聴覚などに異常がないにもかかわらず、ボールを蹴る」「字を書く」などの協調運動に困難を呈する障害。発達障害の類型の一つとされる。
この障害を持つ人は、例えば「這(は)う」「歩く」といった乳幼児期の運動面の発達においてすでに、標準の月齢より遅れが見られる。学齢期には、いわゆる「不器用な子」「運動が苦手な子」として見られ、学業成績に影響を及ぼしやすい。また、同世代の子どもとの遊びについていけないといった社会的な困難も生じやすい。症状の程度によっては生活技能訓練を行い、社会生活への適応を促すこともある。
障害が表れる運動のタイプは、走ったり跳んだりといった全身運動(粗大運動)、はさみを使ったりボタンを留めたりといった手先の運動(微細運動)、スキップをしたり縄跳びをしたり楽器を演奏するなどの組み合わせ運動(構成行為)に分類されている。

発達性協調運動障害(はったつせいきょうちょううんどうしょうがい)とは - コトバンク

その他、現れ方は人それぞれですが発達性協調運動障害に見られる困難に

・字が汚い、マスからはみ出る、筆圧が適当でない

・消しゴムを使うと紙が破れる

・線がうまく引けない、はさみ、コンパス、定規などをうまく使えない

・箸やコップをうまく使えない、ストローで飲みにくい

・靴ひもが結べない

・言葉が不明瞭

・着替えが難しい

・トイレでお尻をきれいに拭けない

・楽器の演奏がうまくできない

・縄跳びなどがうまくできない

・階段の上り下りがなにかおかしい

などなど日常生活のありとあらゆる場面に困難が出てくる場合があります。

調べてみたところADHDや学習障害(LD)と併発する場合が多いそうです。

ツイッターでいつもお世話になっている臨床心理士の@dicegeistさんからどれくらいの割合で併発するのかおしえていただきました。

「不器用である」というのは発達障害児によく見られる特性のひとつとして知られていますが、一般の方にとってみればADHDで多動がありよく動くにもかかわらず運動機能に困難があるとはなかなか理解されにくいものだと思います。

学習障害のひとつである書字障害も脳の機能として微細運動に問題があるとは理解されにくく、ひたすら練習することで乗り越えられると考える人も多いのではないでしょうか。

「不器用さ」と他の発達障害との間には深いかかわりがあるからです。「場の空気が読めない」「こだわりが強い」「パニックを起こす」などの社会性の障害や「落ち着きが無い」「忘れっぽい」「授業中に立ち歩く」などの問題行動は、精神的なものであって、身体とは無関係だと思われがちですが、実は協調運動などの身体性と密接に関係しているのです。それを裏付けるかのように、近年、運動療法が「社会性の障害」「実行機能の障害」「学習能力」などを改善することが明らかになってきています。

「不器用な子どもたち」に理解と支援を | Connect-“多様性”の現場から | ハートネットTVブログ:NHK

社会性など発達障害のその他の特性と、身体的なものは密接に関係しており、身体に対するアプローチや支援は適応を進めていく上でも重要になってきます。

 

うちの子の場合

 うちの子供たちは寝返りを打つ、ハイハイする、座る、立つ、歩くはだいたい月齢の目安どおりでしたが、娘がつかまりだちをし始めて倒れるときにはいつもそのままぱたっと倒れて頭をぶつけていました。尻もちをつくということが全くなかったのです。頭をぶつけては大変と全く目を離せませんでした。

第一子なのでこんなものかなと思っていましたが下の息子は尻もちをついていたのでやっぱり変わってたんだなとあとで気づきました。

今思い出せば寝転んだ状態からお座りに体勢を変える途中も奇妙な動きをしていて当時はおもしろいな~と思っていました。

ハイハイをする時期が少ない場合も多いようですがうちの子はやっていました。高速ハイハイでだーーーっと移動していました。

歩くようになってからは多動のためそれはそれは活発で怪我の耐えない状態でした。1歳半の時、なにもない平らな道で転び、前歯を折ってしまいました。

そこでちょっと疑問に思いました。ふつう、転ぶときは前に手が出るので顔は強くぶつけないよな?と。まだ小さいからそういう反射神経は育っていないのだろうかと思いましたがそれが大きくなっても続いていました。

その後もベッドで暴れていて肘を骨折、治ったかと思えば椅子の上からダイブして同じく肘を骨折。その他も転んだら顔を擦りむいたり、手の甲を怪我したり明らかに反射的に手が出ていないだろうと思われる場所を怪我していました。

その他、力加減がONかOFFしかなく物をよく壊してしまいます。傘など最近までは使い捨てでした。コップも気が緩めば乱雑にどんと置いてしまうので周りに飛び散ります。

手先の複雑な作業も苦手です。蝶結びは10歳になる最近まで出来ませんでしたし、髪の毛を自分でくくることは今でも難しいです。

字は気合を入れればきれいに書けるのですが、学校の連絡帳などは書いた本人ですら読めない状態でした。宿題の字は踊っています。

運動もボールを使ったものが苦手。ドッヂボールなどはボールを見ながらよける、投げる、周りの人の動きを見てぶつからないようにするなどを同時にこなすことがおそらく難しいのだと思います。何度か顔にボールをぶつけられて帰ってきました。

水泳もいつもお風呂でもぐってぐるぐるまわっていたので得意とばかり思っていたのですがいざ小学校に入ってみると泳げません。もぐれるけど前に進まないのです。

手と足、呼吸、全てを合わせて動かすというのが難しいのかもしれません。

体育の授業を遠くから見たことがあったのですがひとりだけぴょこぴょこと妙な動きをしている子がいてすぐにうちの娘とわかるんですよね。集団を乱しているわけでもないのになんか動きが妙なので目立ちます。

これといってなにかが全く出来ないということはありませんが、なにかちょっと不器用で動きがおかしく苦手である、習得するのに人より時間がかかるということがたくさんあるのです。微細運動が苦手といっても手芸や工作は好きでよくやるし粗大運動に問題があっても縄跳びはできるなどばらつきがあるために見落としやすいと思います。

娘はおそらく微細運動、粗大運動、組み合わせ運動の全てにちょっとずつ困難を抱えています。息子の場合は微細運動に少し困難があり、書字やコンパスを使うなどに苦労しています。言語を理解していても発音が悪くなかなか言葉が通じなかったのも微細運動の問題だったのかもしれません。今でも滑舌は悪いです。

発達性協調運動障害にもそれぞれ現れ方や困難の程度に違いがあります。

 

どのように対応したらよいのか

方法として考えられるのは適切なトレーニングをすることと工夫や配慮などのサポートをすることです。

 私自身、この発達性協調運動障害という名前を知ったのは最近のことですが、娘の不器用さや反射神経のことは前から気にしており希望して作業療法を受けに行っています。

感覚統合というものも以前から興味を持っていました。

発達障害の子の感覚遊び・運動遊び 感覚統合をいかし、適応力を育てよう1 (健康ライブラリー)

発達障害の子の感覚遊び・運動遊び 感覚統合をいかし、適応力を育てよう1 (健康ライブラリー)

 

 息子の不器用さや発音の不明瞭さも気になって作業療法の評価を受けたり言語療育に通ったりしました。

しかし、いわゆる軽度と呼ばれる高機能域の発達障害児が作業療法を受けられる施設は非常に数が少ないと思われます。

家庭で出来る範囲の遊びを取り入れたトレーニングや配慮などもあります。

 運動障害があるといってもずっと出来ないままというわけではなくその子なりの発達をしていきます。その育ちをうまくサポートしていく方法はきっとあるはず。

「不器用さ」は、本人にも保護者にも、また専門家にすら脳の機能障害と理解されにくく、個人的な困りごととして周囲からの支援は受けにくいことがあります。その結果、保護者や教師から間違った対応がなされて、事態が悪化するケースがあることが問題となっています。

例えば、「縄跳びが飛べない」「縦笛が吹けない」「字をマス目に収められない」、そのような子どもに対して、教師も保護者も「練習が足りない」「怠けている」「何度も繰り返せば、必ずできるようになる」として、反復練習を強いる指導をしがちです。本来はていねいな説明と適切なサポートや合理的配慮を行うべきなのに、挫折感や屈辱感を与えるような訓練が繰り返され、結果として本人の自尊感情が大きく損なわれるという問題が発生します。最悪の場合、虐待、いじめ、体罰などのターゲットになり、感覚や運動レベルの障害にとどまらず、二次的な精神的な障害まで負うことになります。

「不器用な子どもたち」に理解と支援を | Connect-“多様性”の現場から | ハートネットTVブログ:NHK

なんで出来ないのかと闇雲に繰り返し練習を重ねさせるだけでは本人も挫折感を積み重ねるだけとなってしまいます。適切な支援が必要なのです。

対応については話が長くなりそうですので次の記事に書きたいと思います。

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発達性協調運動障害 トレーニングと配慮と工夫

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前記事の続きです。

今回は発達性協調運動障害(DCD)にどう対応していくかについて考えたいと思います。

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 うちの子供たちは今まで作業療法やグループ療育、通級指導教室を通じてさまざまなトレーニングを受けてきましたが、主に運動障害に対して行ってきたものを目的別に分けて考えてみました。

・感覚鈍磨に対する刺激を入れる運動

・バランスなど体幹筋肉を鍛える運動

・脱力のためのリラックス

・なわとび、鉄棒など具体的な運動のやり方指導と工夫

・楽器演奏など手先の微細運動に関わるやり方指導と工夫

刺激を入れる、体幹筋肉を鍛える、リラックスは続けていてもこれといって何かが目に見えて出来るようになるものではないですが、苦手を補うための体の基礎を作るものです。

特にADHDの多動児の場合、筋肉の使い方や感覚にもアンバランスがあるため、そのバランスを整えることで落ち着いたり日常の困難を軽減することにも繋がります。

お子さんが楽しく取り組める、気持ちよく取り組めるものを継続することが大切なのだと思います。

運動や手先を使うものも、教え方や練習のやり方次第ではすんなり出来るようになることも多くありました。

具体的に出来ないことに取り組むには、お子さん自身がそのことに対して自信を失っていることもあると思います。スモールステップで自信をつけながら進めて行くことが大切です。

私は専門家ではないので今まで受けてきた指導から、ご家庭でも取り組めるような形でご紹介したいと思います。

 

不足する刺激を入れる

ADHDのうちの娘には前庭感覚と固有感覚に鈍磨があります。

前庭感覚とは主に重力に関係する感覚でそれが鈍いとくるくる回ったりジャンプしたり重力に逆らう動きを過剰に好み、目も回りません。逆に前庭感覚が過敏の場合はブランコなどを嫌がったりするそうです。

固有感覚とは関節や筋肉の動きに対する感覚で、鈍さがあるために強く噛む、激しく動くなどを好み、力加減の調節が難しくなります。

娘の多動の原因の一つになっているようです。

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 この記事に娘が作業療法で受けた日本感覚インベントリー(JSI-R)の結果について書いています。

聴覚など感覚過敏があればその刺激を避けようとするのと同じように、感覚の鈍磨があれば不足する刺激を入れるために体を動かすのです。刺激が過剰なのも不足なのも本人にとっては不快な状態になってしまいます。

作業療法では広いスペースで大型遊具を使い思いっきり体を動かして不足する刺激を入れる時間を毎回とってくださっています。ブランコやトランポリン、バランスボールなどの遊具を使っています。

安全を確保できれば、これらの刺激を入れる運動はブランコや滑り台のある公園でも出来ます。

家では寝室は自由に暴れてよいスペースとしてあり、トランポリン代わりに跳ね回っています。安全確保のためにベッドはスプリングのみで高さがないため落ちても大きな怪我はありません。

家の中でも体を動かすための安全なスペースを確保することと(うちは狭いので寝室ですが)暴れてよいところ、暴れるときのルールをきちんと決めておくことで多動児もそれ以外の家族も快適に過ごすことが出来ます。

バランスボールは大型のものだと目を離すと危険なために家では小さいものを使っています。こちらの記事に小さいバランスボールの使い方を書いています。

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 固有感覚に関しては強い刺激を好むので爪や服や鉛筆に激しい噛み癖がありました。

爪噛みに関してはあまりに激しく自傷に近くなったので防止するためのマニキュアを使いました。これは幼児用のおもちゃにも使われる口に入れると強烈に苦い味がするものです。

マヴァラ バイターストップ/10ml

マヴァラ バイターストップ/10ml

 

 しかし足らない刺激を求めているわけですから爪噛みが治まってもまた別の行動が出てきます。噛んでもいいものを与えていくほうが本人にとっても楽なのです。

 首から提げていつでも噛むことが出来ます。なぜかうちの子はシリコン部分を噛み切ったあとに紐を噛むようになりました。噛み心地も人によって好みがあるようです。息子はシリコンの噛み心地が気に入ったようですが、最近カミカミグッズとして娘が気に入っているのが出汁昆布です。食べられる上に硬さが娘にはちょうどよいようです。体にもよさそうですし好きなだけ食べられるように置いています。

出汁昆布のおかげで最近では鉛筆も爪も噛まなくなってきました。カミカミグッズは市販品も多くあるのでお子さんに合った噛み心地を探してみるとよいかと思います。

 

体幹筋肉を鍛える・バランスを整える

体幹筋肉を鍛えるためにはゆっくりとした動きがよいようですが、なんせADHDで脳内多動もありゆっくりとした動きが苦手。遊びを取り入れながら楽しく取り組む課題をやっていました。

<壁タッチ>

壁際に置かれた30センチ四方ほどのマットの上に立ち、ぎりぎり届くかどうかのところ(上や横)にシールを張ってタッチしていきます。ルールはジャンプをしないこと、片足立ちでもOK。おうちでやるなら点数や絵を書いた付箋でやってもよいでしょう。ジャンプが出来ないのでゆっくり体を伸ばすことができます。

<輪投げキャッチ>

 マットの上で投げた輪を右手左手右足左足両手身体と指示された場所でキャッチしていきます。ルールはマットからはみ出さないようにするだけ。

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このように新聞紙で作ったものでもOK!

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足でもバランスをとりながら楽しくキャッチ

<輪投げ>

30センチ四方の小さいマットの上で、同じく輪投げを使いますが輪のほうをもち、的を色んな方向へ持って移動します。斜め後ろなどギリギリのところを狙って投げずに入れていきます。これは輪投げではなく人がギリギリのところに手をだしてタッチするでもよいです。上、下、前、後ろ、斜めなど色んな角度に手をだし順番にタッチ。足場は動かしません。

その他、小さいお子さんでしたら広げたタオルにボールを載せ、二人で落とさないようゆっくり運ぶなども療育でやっていました。

家ではお茶や汁物などをこぼさないようゆっくり運ぶお手伝いもよいです。

親子で楽しめる 発達障がいのある子の感覚あそび・運動あそび

親子で楽しめる 発達障がいのある子の感覚あそび・運動あそび

 

 こちらには家庭で取り組める運動遊びや感覚遊びがたくさん載っています。グループ療育でも似たようなことをやっていました。取り組み方やお子さんの対応方法まで丁寧に書かれています。

発達障害の子の脳を育てる運動遊び 柳沢運動プログラムを活用して (健康ライブラリー)

発達障害の子の脳を育てる運動遊び 柳沢運動プログラムを活用して (健康ライブラリー)

 

 

脱力・リラックス

筋肉や感覚のアンバランスから一部に負荷が集中し力をうまく配分できないために疲れやすかったり、うまくリラックスが出来ないことがあります。多動児によいといわれたリラックス体操(マッサージ)を行っています。

こちらの記事に動画で紹介しています。

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 このマッサージを行うととてもいい表情になり落ち着くようで、入眠前によくせがまれています。ここまできっちりしなくても気持ちいいようです。慣れるとうまく脱力出来るようになります。

 

具体的な運動のやり方指導と工夫

運動は基礎が出来ていれば指導の方法次第で出来るケースは多いようです。

うちも息子が療育で近寄ることも出来なかった鉄棒をマスターしました。娘も通級指導教室でなわとびや卓球、バトミントンなどの指導を受けて上達しました。

スモールステップで手順を出来るだけ細分化し、ひとつひとつ進めることで自信をつけていくことが大切です。こちらに息子の鉄棒の取り組みを書いています。

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なわとびは布製の少し重いものを使うと回しやすいです。真ん中にトイレットペーパーの芯で重りをつけても回しやすくなります。ジャンプの練習、片手になわとびを持って横で回しながら飛ぶ練習と少しずつ進めていくとよいでしょう。

もち手の長い縄跳びも飛びやすいようです。

アシックス(asics) クリアートビナワ ネイビー 91-130

アシックス(asics) クリアートビナワ ネイビー 91-130

 

 ドラえもん学習シリーズにも体育があり漫画で楽しくコツを学ぶことができます。

ドラえもんの体育おもしろ攻略 マット、ボール、なわとび (ドラえもんの学習シリーズ)

ドラえもんの体育おもしろ攻略 マット、ボール、なわとび (ドラえもんの学習シリーズ)

 
てつぼう とびばこができる―ドラえもんの体育おもしろ攻略 (ドラえもんの学習シリーズ)

てつぼう とびばこができる―ドラえもんの体育おもしろ攻略 (ドラえもんの学習シリーズ)

 
ドラえもんの体育おもしろ攻略 水泳がみるみる上達する (ドラえもんの学習シリーズ)

ドラえもんの体育おもしろ攻略 水泳がみるみる上達する (ドラえもんの学習シリーズ)

 

 

 微細運動・手先のトレーニング

 手先は折り紙、切ったり貼ったりお絵かきしたり幼稚園などでやる遊びもトレーニングになりますが、最初はそれがなかなか難しい場合もあります。

 こちらの本は箸やストローの飲み方、ボタンのはめかた、服の着方、鉛筆の持ち方、ジャンプやスキップなど運動まで生活動作の教え方を一通り学ぶことが出来ます。

発達が気になる子への生活動作の教え方―苦手が「できる」にかわる!

発達が気になる子への生活動作の教え方―苦手が「できる」にかわる!

 

 作業療法で教えていただいた鉛筆の持ち方トレーニングはこちらの記事に書いています。

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 こちらの本には図解でお子さんが自分で見てもわかりやすく蝶結びのやりかたや箸の使い方、雑巾の絞り方など生活動作が学べます。

せいかつの図鑑 (小学館の子ども図鑑プレNEO)

せいかつの図鑑 (小学館の子ども図鑑プレNEO)

 

 小学校に入ってからは書字に困難が出てくる場合があります。

書字障害を含む学習障害の工夫はこちらの記事に書きました。

nanaio.hatenablog.com

 音楽の授業での楽器演奏。鍵盤ハーモニカやリコーダーでは苦労する場合も。

娘は通級指導教室で楽器演奏を個別指導してもらいましたが、リコーダーはうおのめパッドを張ったり、穴の周りに透明マニキュアで土手を作って穴を押さえやすくすると吹きやすくなります。

こちらに詳しく載っていました。

リコーダー | 教材・教具のネタ帳

ドラえもん学習シリーズには音楽も揃っています。

 

 投薬治療の効果

先日ツイッターで発達性協調運動障害のことをつぶやいていたら発達障害にお詳しい小児科医の高橋先生からこのようなことを教えていただきました。大変興味深いお話だったのでツイートを引用させていただきます。

なんとコンサータやストラテラなどADHD治療薬が発達性協調運動障害の改善に効果がある場合があるそうです。娘も6歳からコンサータを飲んでいますがよく考えてみればそのあたりから骨折など大きな怪我がなくなったのは投薬の効果もあったのかもしれません。

高橋先生もブログを書かれていらっしゃって専門的な目線で書かれたお話からいつも勉強させていただいています。

発達診療の窓から

 

発達性協調運動障害への配慮

 この障害で学校や日常生活で困ることも多くありますが、一番問題になるのは出来ないことで自分をダメだと自己嫌悪に陥ってしまうことではないでしょうか。

ただ闇雲にたくさん書けば書けるようになる、いっぱい練習すれば出来るようになると強要する事が一番最悪の事態になりかねません。嫌悪感を募らせ自信を喪失するだけです。

お子さんに合ったやり方、練習方法を見つけることが大切です。

自分が苦もなく出来たことは「なんで出来ないの?」とつい思ってしまいがちですが、生まれつきの障害なのでなんで出来ないのか本人にも当然わからないのです。難しいんだね、少しずつやっていこうと共感を交えて寄り添っていければいいなあと思います。

スモールステップなど適切な支援があれば出来るようになる体験を積むことで自信を回復したり、出来なくても無理強いされず工夫でやっていけることを知るのが大切だと思います。

リコーダーがふけなくてもなわとびが飛べなくてもスキップできなくても正直言って大人になって困ることはほぼありません。

私は人の名前が覚えられないし、とっさに右左がわからない左右盲ですが自分なりの工夫でそんなに困らず生きています。

他で代用できるものもたくさんあります。書字が苦手ならパソコンやタブレットやスマホ、書き写しが困難ならデジカメ、紐結びが苦手なら結ばなくていい靴紐やマジックテープの靴、料理をするにも調理器具だって色々便利なものがあります。

来年度から障害者差別解消法に基づく合理的配慮の義務化が始まりますので、学校にもサポートのための道具を持ち込むこと、そのことを周りに理解していただくことも可能になってくるでしょう。

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 大人になってそんなに困らずに生きていくことが出来れば、他はたいした問題ではないと構えることが大切なのかもしれません。どうしてもこれが出来ないと!とこだわると本人を追い詰めることになりかねません。

運動面でのトレーニングや感覚の問題は発達障害の困難全体を緩和する可能性があるので、楽しくやれる範囲で続けていければいいなぁと思います。

作業療法で聞いたのが、中高生になって部活などで運動をする場合、運動障害があると筋肉の使い方が違うことからどうしても怪我をしやすくなるので、練習量の調整などの配慮が必要だとのことです。

診断書に記載していただくことも可能だそうで、配慮が必要になった時に書いてもらおうと思っています。

個人的には6年生になったら運動会の組体操があるので、診断書をもらって組体操からはずしてもらうつもりでいます。近年組体操の巨大化により大きな怪我が続々と報告されています。中には一生障害として残るような怪我も少なくありません。元々運動障害があれば怪我もしやすいですし全体に影響があることです。練習に参加できないなど子供は辛いかもしれませんが、一時のことですので本人にも周りにも理解を求めようと思っています。

多くの運動の苦手さや不器用さをもったお子さんが、配慮や工夫によって出来ることを増やしたり、困難を軽減し自信を持って育っていかれることを祈っています。

苦手なことがあってもいい、そのぶん好きなこと得意なことをがんばれば自信にきっと繋がると思っています。

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合理的配慮を具体的にお願いするためのステップ

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平成28年度より施行される障害者差別解消法に伴う合理的配慮を、実際に学校へお願いするにはどうすればよいのかについて書こうと思います。合理的配慮とはなにか?についてはこちらの記事をご覧ください。

nanaio.hatenablog.com

法律が出来る、合理的配慮を求めることが出来るといっても、実際にはどうしたらいいのか、何をお願いできるのか、どう合意形成に持っていくのか、なかなか難しいですよね。

 先日、東京大学先端科学技術センターの近藤武夫先生の「障害のある子どもたちへの合理的配慮とテクノロジー」という講演会に伺い色々と勉強させていただきました。

近藤先生はDO-IT Japanという障害や病気のある小中高校生・大学生の高等教育への進学とその後の就労への移行支援のプロジェクトをなさっていらっしゃる先生です。

DO-IT Japan

その講演会とは別に、先日私の居住地の教育委員会の方々と懇談させていただく機会があり、合理的配慮について様々なお話を直接うかがってきました。そこで私の子供へお願いしようと思っている合理的配慮についてもお話させていただき現在市教委のほうで検討いただいているところです。学校のほうへも報告いたしました。

学ばせていただいたことを元に、実際に合理的配慮をお願いするにあたってどのようにしていけばよいのか、について考えたいと思います。

 

1.子供にとって必要な支援は何か

 当たり前のことですが、そのお子さんにとって学校で学習したり円滑な学校生活を送るために必要な支援は何なのか、しっかり考える必要があります。障害がある=タブレットなどを持ち込んで学習、というわけではありません。

私は支援は視力に問題がある人の眼鏡のようなものだと考えます。近視や遠視や乱視、度数、眼鏡もその人の視力に応じて合ったものを作ります。それと同じく発達障害児に対する支援もそのお子さんによってそれぞれ合ったものを探し考えていかなくてはなりません。道具なり人のサポートによって、学校においてはお子さんの学びの機会を保障するためのものです。

発達障害児とひとくくりにいえども困難の出方は千差万別。どういうことでお子さんが学校で困っているのか、どういう支援があれば学びや学校生活を円滑に送ることが出来るのか、特性を把握した上で見つけていくことがまず第一歩となります。

例えばどんな困難にどんな支援が可能なのか、については国立特別支援教育研究所の合理的配慮実践事例データベースに様々な事例が載っています。

inclusive.nise.go.jp

 こちらには今後も様々な合理的配慮の実践事例が追加されるそうです。

合理的配慮を求める場合に一番大切になるのは本人の意思です。配慮を受けるお子さん自身がこういう配慮があれば学校生活や学びで困難を軽減し学びの意欲に繋げられるかどうか。

場合によってはクラスに一人だけタブレットを使って学習するということになることに対して、お子さん自身がどう思われるかは大きな問題だと思います。

もちろんこれがそのお子さんにとって必要なサポートであると認められれば、周りのお子さんに対しても理解を求めるクラス運営を担任の先生にお願いしなくてはなりません。

しかし、合理的配慮の概念やインクルーシブ教育が浸透していけば、いずれはそれぞれが必要な支援を受けることが当たり前になってくることでしょう。最初は自分ひとりだけみんなと違う支援を受けることを拒んでいたお子さんも全体の空気が変われば支援を受けたい気持ちになる場合も考えられます。

小さいうちは難しいでしょうが、いずれ大きくなれば自分で自分の困難を把握し、自ら支援を説得力を持って求める力が必要となってきます。

これは障害を抱えて生きる上でも一生涯大切なこととなってくると私は思っています。

 

2.支援によってどのような効果が得られるのか

合理的配慮として支援を求めるためには学校側と話し合い合意形成をしていく必要があります。なんでもかんでもお願いすれば通るわけではないので、その支援の必要性をどこまで説得力を持ってお話できるかが鍵となってきます。

先日の講演会で近藤先生にうかがったお話では、学校や子供にいきなりタブレットなどを渡してこれで学校で勉強して来いと言ったところで学校も子供もどうしようもない、とおっしゃっていました。確かにそのとおりですよね。

例えば書字に困難がある場合、鉛筆で紙に書くとこのように難しくてもタブレットやパソコンを使えばこれだけの文章を書く事が出来るという例や、読むことに困難があってテストで代読があればこれだけの点数をとることが出来るというように、支援があることで出来るようになることを家でも確認し、可能であれば可視化できる状態にして学校へ交渉できるとよいですね。

うちもタブレットの使用とwifiの開放をお願いしていますが、これは以前から家庭学習でも導入し実績を上げているやり方を学校でもお願いするといった形になっています。

お願いする配慮によってはそのように可視化することが難しいものがあるでしょうが、その必要性について普段の様子を交えて説得力のある形で説明できると合意に至る可能性は高くなると思います。

この合理的配慮は障害者差別解消法に基づくものですので、医師からの意見書にこのような配慮が有効などと書いていただければ心強いものとなるでしょう。

逆に言えばグレーゾーンにしろなんら医療からの診断など障害があることを証明するものがないと合理的配慮を受けるのは難しいかもしれません。

(合理的配慮は障害者差別禁止法に基づくものですが、特別支援教育は診断が必須条件ではありません。必ずしも診断がなくとも必要と判断されれば特別支援教育を受けることは可能なはずです。ただ、特別支援教育を受ける根拠として診断が使われていることが多いのが現状です。)

先日の近藤先生の講演会でも、小学校から中学校へなど進学によって支援体制の移行には時間がかかるというお話でした。受験などでは進学以前に支援を受けていて実績を積み重ねていくことが大切だそうです。これからは受験に際しても困難があり申し出をすれば別室受験、代読、時間延長などの配慮を受けられるケースが増えていくようになります。先日、数学検定でも別室受検をお願いし配慮していただいたという話を聞きました。

 

3.実際に学校などにお願いをする

受けたい配慮とその必要性についてお話できる段階になれば、学校へ合理的配慮を求めると申し出をする段階になります。

 おそらく各自治体の教育委員会などでは今回の法律による合理的配慮について学校の先生方へ周知を研修などを通して行っていらっしゃる段階だと思います。

しかし、現状ではまだよく知らないとおっしゃる先生方も多いと思います。こちらで障害者差別解消法、それに基づく合理的配慮についての文書を持っていったほうが話が早いと思います。

文部科学省から出された障害者差別解消法の対応方針が官報に掲載されています。

官報

関係ある箇所は全部で7ページに渡りますが、文部科学省から出されている正式なガイドラインになりますので、是非印刷しておかれることをお薦めします。

お子さんの支援に関係のある箇所をマーカーで強調したり、付箋を貼るなどをしておけば、学校との交渉の際にスムーズに話が出来ると思います。

まず、担任の先生を通じて合理的配慮を求めたい意思を伝え、その後特別支援コーディネーター(各校に一人の配置が義務付けられています)を中心として校内委員会で検討されることになります。

障害者差別解消法では、障害を理由とする障壁の除去を求める合理的配慮を行わないことは差別となりますが、「均衡を失した又は過度の負担にならないもの」という条件があります。

過度の負担にはならないか、要は予算や人員が必要な案件に対して、ない袖は振れないわけです。先日、教育委員会で懇談させていただいた際には来年度から合理的配慮に伴う人員や予算について考慮していただきたいとお願いをしましたが、現段階で予算に組み込んでいく予定であると回答をいただきました。これは自治体によっても規模が違うでしょうし、予算があるにしても限りがあります。仮に支援員さんをつけて欲しいという希望が殺到すれば全てに応じることは難しくなります。その中で可能な支援を探っていかなくてはなりません。

過度の負担になるかならないか、その支援がそのお子さんにとってどれくらい有効で必要であるものかなどが話し合われ、学校側と本人や保護者が合意に達して初めて合理的配慮が行われます。

4.学校と合意に至らない時にはどこに相談すればよいか

先日講演を聞かせていただいた東京大学の近藤武夫先生は文部科学省の対応指針策定の委員会に参加されていらっしゃったそうです。講演会の中で学校などの体制整備についてもお話されていました。

その中で使われたスライドを撮影したものがあります。近藤先生に転載の許可をいただきましたので掲載させていただきます。

「国内の初等中等教育での紛争調停に向けた体制整備の例」

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※東京大学先端科学技術センター近藤武夫先生の「障害のある子どもたちへの合理的配慮とテクノロジー」講演会より引用させていただきました。この図は近藤先生の許可をいただき転載しているものですので引用・転載等はご遠慮下さい。

この図の中には学校の中での体制がどのようになっているかも分かりやすく書かれています。

そして学校内で合意形成に至らなくても合理的配慮として求め続けていく場合、どこに相談すればよいか、上に教育委員会、文科省相談窓口、障害者差別解消支援地域協議会、法務局などが書かれています。

先日教育委員会で懇談させていただいた際に、市教委の相談窓口については現在福祉事務所と相談の上で作る予定であると伺いました。窓口が作られたらどういう形で私たちにお知らせくださるのか?についても質問させていただいたところ、全ての児童生徒の家庭に配布するという回答をいただきました。(これは私の居住地の自治体の話ですので自治体によっては違う形になるかもしれません。)

教育委員会以外にもそれぞれに専門の窓口が作られるのではと思います。

 

4.学びの情報保障

読むことや聞くことなど情報を取り入れることになんらの困難がある場合、通常の紙の教科書や授業においては他の生徒よりも受け取る情報が少なくなる、つまり学ぶ機会を失っているということになります。書くことに困難があれば、書くということに非常に大きなエネルギーを食われてしまい授業についていけなくなるケースもあります。

読み書きに目立った困難がなくともカクテルパーティー効果といって音声の選択的聴取が出来ない、つまり色んな音の中から先生の声だけをピックアップ出来ないために授業がわからない場合や、シングルタスクで同時に作業できないため、授業を聞きながら板書を取ることが難しいなどと障害による困難は個々様々なケースがあります。

こういった困難から子供たちを救ってくれるのがタブレット端末などのIT機器です。

近藤先生が「AccessReading(アクセスリーディング)」というデジタル教科書をご紹介されていらっしゃいました。

AccessReading - Home

twitter.com

 こちらは教科書の音声読み上げやハイライトや拡大表示機能により、読むことに困難があるお子さんのサポートとなる電子教科書です。障害のある方が登録することにより無料でデータをダウンロードでき、パソコンやタブレットなどで利用することが出来るそうです。

現在あるかなりの数の教科書データの他のものが必要な場合は申請することにより数ヶ月で新しく作成して下さるそうです。是非、必要な方は申請登録してみてくださいね。

お申し込みの流れ

 教科書以外、テストなどで読むことに困難があれば代読していただくことも合理的配慮のひとつですし、書くことに困難があればパソコンやタブレットを使いキーボード入力や音声入力の方法もあります。

聞くことに困難があればデジタル耳栓などノイズキャンセラー機能で軽減することも出来ます。

キングジム デジタル耳せん   MM1000 ホワイト

キングジム デジタル耳せん MM1000 ホワイト

 

nanaio.hatenablog.com

 板書に困難があればデジタルカメラなどで写真を取ることも合理的配慮の一例となるでしょう。

その他、様々なアプリを使うことで学びのサポートを行うことが出来ます。うちの息子の場合は微細運動の問題で鉛筆で紙に書くことに多少の困難があり、アプリを使って指でなぞりがきをすることで漢字を覚えていきました。学習や生活支援に関するアプリもたくさんあります。

nanaio.hatenadiary.jp

 過去にディスレクシアの方のサポートについて書いた記事があります。これらの支援を合理的配慮として学校で通常学級でも用いることが可能になるのです。

nanaio.hatenablog.com

 これらの支援は特別扱いではありません。

障害による困難によって起きる学びの平等な機会への障壁を取り除くものです。

そしてその困難は個々により大きく違います。

人によって違うから「何が合理的かはケースバイケース」なので関係者間の合意形成が重要となると近藤先生もおっしゃっていました。

こういう障害者差別に関する法整備は2006年に国連で採択されてから日本は遅れてやっと出来た状態です。

 

うちの合理的配慮をお願いしている現状

 うちの子供たちは理解ある学校や先生方に恵まれ今まできめ細かい支援をしていただいております。しかし、一点だけ就学前からお願いしていたことで実現していないことがありました。現状の制度では実現が難しく半分諦めていましたが、今回合理的配慮の義務化に伴い再度お願いしてみることにしました。

昨年度に引き続き情緒通級親の会で役員をさせていただいている関係から、先日教育委員会で懇談をさせていただく機会がありました。通級指導教室の拡充をお願いすると共に来年度からの合理的配慮についても資料をどっさりもって色んな質問をさせて頂きました。

その中でうちの子に対するこういう合理的配慮をお願いしようと思っているという話をしたところ、教育委員会で検討し回答をくださるという話になりました。学校に話をするところをすっとばしてしまいました^^;

うちの支援学級に通う小学2年の息子は障害による困難と共に突出した算数・数学への興味をもっています。2Eやギフテッドと呼ばれる部類に入ると思います。3歳で四則演算を覚え就学前には小学校の算数の範囲はすでに終わらせていました。

支援学級に入るにあたり算数の授業を他のお子さんたちと同じカリキュラムでなく自習で息子のレベルに沿った数学の学習の時間にしていただけないかとお願いしてきました。しかし学習指導要領の問題もあり結局は学齢に沿った学習内容を行っています。2年生ですから今は九九をやっています。息子にとっては何年も前に覚えたことを今更やることは非常に退屈でもあり面倒でもあり興味も持てないものになっています。休み時間を使い自分で持ち込んだ教材で学習するほど学びへの意欲を持った子です。今の算数の授業は時間の無駄としか本人も認識していません。

他、文字を書くことに多少の困難があるので漢字学習のためにタブレット端末を持ち込みたいとお願いしましたが、管理の問題があると断られていました。

息子の数学への興味と習熟度を客観的に証明するため幼稚園の頃から数学検定を取り、現在は4級(中2相当)を取得、先日3級を受け結果待ちです。算数オリンピックでもキッズBEE部門(小1~3年のクラス)で金賞と最優秀賞をいただきました。何年もかけて見える形での実績を作ってきました。

先日発表された文部科学省の対応方針を載せた官報にも「合理的配慮は、障害者がその能力を可能な最大限度までに発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能にする目的の下」という文言があります。

この言葉を元に、息子に対する算数の授業を本人の興味レベルに沿った自主学習の時間にしていただくこと、それに必要なタブレット端末の使用(可能であれば予算を組んでいただき学校で購入していただきたいこと)、wifiの開放をお願いしました。

息子は普段から家でインターネット上にある動画授業を使い自主的に自分の学びを進めています。息子がこれから学ぶのは高校数学なので指導要領の問題があるのであれば、算数オリンピックの学習なら難問でも小学校算数の応用なのでそちらをやらせて欲しいと。

検討して下さるとおっしゃったので、来年度早々学校にお願いに上がるのでその際に教育委員会からの回答をいただきたいとお願いしてきました。

学校に相談をすっとばしてしまったので先日支援コーディネーターである息子の支援担任の先生にこのように教育委員会で検討していただいていることを話しました。

担任の先生はギフテッド教育に関して日本は遅れているのでこれからだと理解を示していただきました。後日校長先生にもご報告に伺うことにしています。

アメリカをはじめとする障害児教育の先進国である欧米諸国では、ギフテッド・2E教育は特別支援教育として位置づけられています。一般的な学びの成長とは大きく異なるという点においてギフテッドも困難になりうることが広く認識されています。

個別配慮にしても日本の公教育にギフテッド・2Eへの配慮をお願いすることはとても大胆なことだと思いますが、教育委員会が息子の困難を軽減していただける方向へ判断を下していただけることを祈っています。

その他、現状はまだ大丈夫ですが娘は発達検査の結果からも同時処理にかなりの困難が見られるため、先々板書などに困難が現れてきたらカメラの持ち込み、発達性協調運動障害があるので体育など運動面での配慮をお願いしようと思っています。

 

来年度より障害者差別解消法に基づく合理的配慮によって世の中や学校がどう変わっていくのかはまだわかりません。

最初を切り開いていくのはそれなりに混乱も困難も伴いますし、大きな勇気がいるものです。

今私の子供たちが受けている支援の環境は学校や専門の方々、同じ困難を抱える子供たちを持つ保護者の方々が切り開いてきた努力の上で成り立ってきたものだと思っています。

お子さんの学校での困難を軽減するために合理的配慮を必要とされている保護者の皆様、一緒に動き出してみませんか?

共に学び合うインクルーシブ教育システム構築に向けた児童生徒への配慮・指導事例

共に学び合うインクルーシブ教育システム構築に向けた児童生徒への配慮・指導事例

 

 こちらはDO-IT Japanの近藤先生と異才発掘プロジェクトROCKETを率いる中邑先生が書かれた本です。

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家庭療育 生きる力をつけること

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親として子育てをしていくうえで一番の目標はなにか?

「自分が死んだ後も子供たちが生き延びられるようにすること」だと私は思っています。

我が家には二人の発達障害児がいます。うちの子供たちの場合は、障害児と言えども障害者手帳も療育手帳も条件を満たしておらず現状では持っていません。成長の過程で二次障害などが起きれば変わってくる可能性もありますが、おそらく一般の社会に出て行かなくてはなりません。

福祉の制度を利用できる範囲の障害であればまた違ったやり方となるのでしょうが、うちの子の場合は一般の社会の中で自立して生きることを目指さなくてはなりません。

その中で一番必要な力はなにか、何があればこの子たちは生き延びられるのか、私に出来ることは何なのか。

生まれつきの障害ゆえの生き辛さを持ち、生きる上でこれから獲得しなければならないスキルは山のようにあるでしょうが、生活力をつけること、これが一番大切なのではないかなぁと思っています。生活力といっても就業に必要な力、日常生活を問題なく送る力、家族や周囲の人たちとの関わりなど色々ありますが、現在は小学生なので身近なところから少しずつ進めています。

家庭療育といえば、ソーシャルスキルトレーニングや感覚統合をイメージされる方も多いと思いますが、今回はもっと基礎的なお話です。

 

できることを増やす

当たり前のことなのですが、子供が自分自身で出来ることをひとつずつ増やしていく。これは幼児期の身辺自立(おきがえ、トイレ、食事など)だけではなく、将来一人暮らしをしたときを想定して生活する上で必要であろうと思われることを増やしていっています。簡単に言えば自分のことと家事全般です。

料理、掃除、洗濯、片付け、お金の管理、持ち物の管理、身支度、栄養のバランスなど、一般的には親がやっている仕事をひとつずつ子供の出来る範囲で覚えさせています。

りんごがあれば皮のむき方を教えます。子供がやりたがれば一緒にさせます。娘は発達性協調運動障害も持っているのでとても不器用で、包丁で指を切ることもあります。包丁がダメならピーラーでむく方法も教えますが、基本的には包丁でやります。多くの料理に包丁は必須なので慣れておく必要があるからです。包丁に慣れれば苦手な皮むきはピーラーでもかまいません。どうしてもダメなら違う方法を考えます。

何度かやって失敗して苦手だからやるのを嫌がることもあります。しかし、生きていく上でなぜ必要なスキルであるか納得するまで説明をすれば再度挑戦してくれます。

nanaio.hatenablog.com

先日は息子もやりたいと言ってきたので剥かせてみました。凸凹になってとても苦労しましたが最後まで一切れを剥き、自分で嬉しそうに食べました。

自分がどうやってりんごの皮の剥き方を覚えたかは見様見真似でしかなかったのですが、おそらくうちの子供たちはそういうやり方では覚えられません。ひとつひとつ丁寧にやり方を見せ、教え、やらせてみせて、練習を繰り返すことでないと習得は難しいと思います。

ですので年齢的にまだ早いと思う頃であっても本人が興味を示せばとりあえず教えてやらせてみます。お米も研ぎます。洗い物もします。料理も簡単なものなら教え作らせます。自分で作ったものは美味しそうに食べてくれます。

定型のお子さんであれば見よう見まねで習得していくことも多いでしょうが、そこは不器用な子供達なので丁寧に教えていかなくてはなりません。

お米を研がせてもこぼしてしまうことも多いし、洗い物も汚れが落ちきらず二度洗いしなければならないことも多いですが、とにかくやらせています。失敗すれば次にどうしたらその失敗を防げるか考えます。

娘の場合、積極奇異型でなんにでも興味を示し明らかにまだ危険ということまでやりたがるので(幼児期に揚げ物したいとかミシン使いたいとか)それは流石に止めますが、時期が来れば少しずつ挑戦させます。

料理だけでなく裁縫も教えています。ボタンくらい自分で付けられるようにならないと将来的に困ります。ミシンは流石に幼児には無理ですが、針と糸の使い方や縫い方は幼稚園の頃に教えました。

日常の洗濯物を畳む、しまう、週末の上靴や運動靴を洗う、お風呂掃除やトイレ掃除、ひとつずつやり方を教えています。

お金の管理もうちはポイント制のご褒美(トークン)でお小遣いを渡していますが、自分がほしいものにいくらかかっていくらためればよいのかを考えながらやっています。週末の買い物では予算を決めているのでその範囲の中で計算しながら自分のほしいおやつを選びます。

まだ小学生なので出来ることは少ないですが、日常生活は維持するだけでも大変でいずれは自分で全てやっていかなければならないと意識付けが出来ればと思っています。これは娘だけではなく息子にも同じように教えています。

 

子供たちに家事を教える理由

自分の育ちが関係しているのですが、私の親は生活面においてとても過保護でした。家事を教えてもらうことはあまりなく、実家を出た時には洗濯機の使い方すら知りませんでした。成人してからもみかんを剥いて目の前に並べてくれるような家でした。

元々片づけが苦手で物の管理も出来ず、忘れ物やなくし物も多かったのですが、片付けもほとんどやってもらっていた状態でした。

唯一、母が苦手だった料理だけは自分でやるようになり出来たのですが、それ以外の家事は全く知らない状態で親元を離れてしまい、いろいろ困ったことがありました。

物は散らかり荒れ放題。洗濯機に入れていいものいけないものがわからずなんでも突っ込みダメにする、物やお金の管理も出来ない。

少しずつ失敗しながら覚えていったようなものでしたが、試行錯誤でまともに出来るようになるまでにかなりの時間がかかったと思います。今でも片付けは苦手ですがなんとか生活できるくらいにはなりました。

私自身、子供と似たような傾向があると思います。なので自分で失敗して解決策を探して出来るようになるまでは非常に遠回りをしてしまいます。教えてもらっていたらもっと早くできるようになっただろうと思うことはたくさんありました。

親が家事をしているところは見ていたはずです。でも見るだけでは覚えられません。いずれ自分の身に降りかかってくることとという意識が全くなかったから。

ちょっと考えればわかることですが、やってもらって当たり前としか感じてなかったんですね、当時は。

親としても子供にやらせてイライラするよりは自分でやったほうが早いからというのもあったと思います。実際、今子供たちに色々教えていても自分でやるほうが手間がかからないことも多いです。

私もそんな感じでしたし、うちの子供たちは私より顕著な傾向があるため発達障害の診断がついていますから、おそらく教えなければ出来ないことっていっぱいあるだろうと思うのです。だからひとつずつ教えていこうとしています。

これは家庭だからこそ教えられることだと思います。

 

出来ないことは手伝う、出来ることは手伝わない

これも至って当たり前のことなのですが、教えて出来るようになったことでも継続してやらなければ定着はしません。

ADHDを持つ娘の場合、自分の今やりたいこと以外はやりたくない人なので、新しくやることには興味を持ちますが、もう出来るようになったことは面倒なのです。

しかし生活をするということは同じことを繰り返し維持していくこと。出来るけど面倒だからやらないでは生きていけません。

なのでいつも自分で出来ることでも「えーーー、かあさんやってー」と言って来るので毎回口癖のように「自分で出来ることは手伝いません。出来ないことは手伝います。あなたが出来ることを増やすのが母さんの仕事です。」と繰り返しています。

娘の制服のボタンが取れかけていたので娘が私にボタンをつけてくれと言って来ました。しかしボタン付けは幼稚園の頃に教えて出来るようになっています。だから自分でやるようにいいました。娘は面倒なのであとでと先延ばしにして一週間。「いい加減ボタンつけないと知らない間に取れてなくなってるよー」と声をかけ、しぶしぶ自分でつけていました。

娘はパンやお菓子を作るのが好きですが、作る前に娘の苦手な片付けも全て自分でやることを条件にしています。ただしどうしても困って手伝ってほしい意思を上手に伝えることが出来たら手伝います。上手く人に助けを求めるのも生きるスキルのひとつです。

「なんで手伝ってくれないの!!ぎゃー!!」が始まれば無視します。

息子の場合はいつも積極的に「何か手伝うことある?」と聞いてくれるのでとても助かります。

休みの日のお昼ご飯も私が用意しようとしていたもの以外を食べたいと言ったら自分で作らせています。自分で作れないものなら作り方を覚えるか、出来るようになるまで我慢です。

親としては子供の世話を手抜きしているようなものなのかもしれません。実際それで楽をさせてもらっていることも多いです。

こまめに子供の世話をやくのがいいお母さんなのかもしれません。しかし子供の自立を考えればその子の興味や成長段階に合わせて手を離していくことが必要なのではと思っています。

私は高齢出産で持病もあり、いつどうなるかわからないだけに子供の自立を焦っているところもあると思います。昨年大きな病気をしたときは、あと少し、子供が自分で生きていけるようになるまで時間をくださいと祈ったものでした。

親として私が子供にしてあげられることにもキャパが限られています。無理をすれば継続は出来ません。子供が出来ることをやっていくより、出来るように教えること、他の環境を整えることに配分を割きたいと思っています。

凸凹の大きな子供たちですから、年齢相当のことが出来ない場合も多くあります。娘は10歳ですが髪の毛を自分で束ねることが出来ません。癖っ毛なので短くすればはね放題、長くすれば不器用なので絡まった毛を自分で梳くことができません。セミロングで束ねて学校へ行っています。しかし自分から見えないところが認識できない、発達性協調運動障害のためとても不器用。自分で束ねるとくしゃくしゃです。だから外へ出るときは私がいつも束ねていますが、出来ないからといって一生私が束ねるというのも不可能な話です。家の中で少しずつ練習をしています。

年齢相当のことから遅れながらでも、不器用で出来ない障害をもっていても、諦めずアプローチをしていけば子供はその子なりのスピードで成長します。出来ないからさせないでいるとうちの子供たちのようなタイプではおそらく自然に習得は難しいと思います。ただ方法は子供に合ったものを探していくことは必要です。生きる上で必要になるスキルは出来なくても工夫でなんとか乗り切る方法を見つけなくてはなりません。逆にこれできなくても生きていけるんじゃね?というものは切り捨てることも大切だと思います。キャパは限られていますから。

ずっと出来なかった蝶結びが、今年春の運動会の鉢巻きのために特訓。二人とも結べるようになりました。家で何度も教えてたのですがこりゃ当分出来ないだろうな~と思っていたことなのでちょっとびっくり。なにかのきっかけがあればそれまでの積み重ねが生きてきます。

発達障害児の子育ては「丁寧な子育て」といわれています。これはこまめに子供の世話をすることではなく、子供の発達段階を丁寧に見極め、ひとつひとつを丁寧に教えていくことだと私は解釈しています。自分の継続できる範囲でやっていければいいなあと思っています。

 

自己理解へつなげる

発達障害をもち将来の自立を考えると自己理解は欠かせません。

自分は何が苦手で何が得意なのか。学校生活の中だけでは気付かなかったことも家でいろんなことをやっていくうちにわかることもたくさんあります。学習面で問題なくやってきた人が社会に出てから急に不都合なことが多くなった、家庭に入ってから困ることだらけで診断が付いた当事者の方も多くいらっしゃると聞きます。

自分の苦手なことに気付いて、必要なことであればどう工夫していくか、それを考えていくことも大切な自己理解です。自分に出来る範囲を知ること、継続するためのキャパシティを把握する、そのための取捨選択をする。

セルフモニタリングも難しい、優先順位も付けにくいと発達障害の特性上ハードルが高いことです。ハードルが高いからこそ少しずつ少しずつやっていって慣れていく必要があると考えています。

 

 エラソーにつらつら書きましたが私もまだまだ未熟な親です。毎日試行錯誤しています。これは我が家の家庭環境と私と子供の特性上、現在でベストな方法だと思ってやっていることです。それでも日々迷い続けています。それぞれのご家庭、お子さんの状況によってはまた違うと思います。

子供に発達障害があると、少しでも将来困らないよう焦る気持ちが出やすいものです。家の中であれやこれややらせて自分も子どももキャパを越えてしまい、余計状況が悪くなる、そんな時期がありましたし、もしかしたら今もそうかもしれません。

私のように子供の世話を手抜きすることで、子供が出来ることを増やす場合もあるという例として書いてみました。

発達障害を持つ当事者でもあり、先輩保護者でもあるふみきちさん(id:fumikichi2525)にいつも「キャパオーバーにしないこと」とツイッターで教えていただいています。子供のキャパだけでなく、自分のキャパを把握することも大切だなあと日々感じています。

発達が気になる子への生活動作の教え方―苦手が「できる」にかわる!

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発達が気になる子のための自立・就労トレーニング: 家庭・学校・社会生活での支援と訓練

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家庭学習サポート wiiUを使った動画授業での学習支援!

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自閉症スペクトラム、ADHD、LD(学習障害)など発達障害を持っていると学校の授業になじめなかったり学習面でのつまづきをかかえることは多いと思います。

学校の授業についていくことが困難な場合もあれば、不登校気味だったり、支援学級で教えてもらうスピードが遅い場合もあると思います。

学習でつまづく原因はなにかは、それぞれのお子さんの特性によって様々です。読み書きに困難があるのか、注意力や興味の問題なのか、聴覚優位か視覚優位なのか。

まず困難の原因をつきとめてから支援のやり方を考えたほうがよいのでしょうが、なかなか難しいですよね。おおまかにこんなことが困難だろうと思ってもどういうやり方がヒットするかは、やってみないとわからないことも多いです。

うちの場合は息子が数に極端に強い興味を持っていたこと、娘は新しい知識を得ることに貪欲であったことなどから、小さい頃から家庭学習に取り組んできました。

一番大切にしてきたことは「おもしろいこと」です。これはどんなお子さんにでも同じだろうと思うのですが、うちの子供たちは興味が持てるかどうかにとても大きく左右されるのでおもしろいと本人が感じられることが重要です。

うちの子供たちは極端な凸凹を持っていますので、興味のないことはさっぱり覚えられないけども興味があればどんどん吸収していきます。勉強でなくてもゲームやアニメのキャラクターならものすごい覚えているお子さんも多くいますよね。あれはやはり好きだから、おもしろいから覚えられるのです。

ですので、ただテキストやプリントで勉強だけでなく、タブレットのゲームアプリを使った学習やDVD、DSソフト、学習まんがなどあらゆる方法で子供たちが興味を持てそうなものを用意してきました。その中でも今一番子供たちの学習に役に立っているのがyoutubeを使った動画授業です。

 

動画授業のメリット

 <視覚優位、聴覚優位のどちらにもアプローチできる。>

動画ですから先生が言葉で説明してくれるので耳で理解と、画像で理解と両方いけます。特にテレビがついているとくぎづけになって他に何も手が付かないタイプのお子さんだと興味をひきやすいと思います。うちの娘がそのタイプです。

 

<読み書きが苦手でも理解しやすい>

ディスレクシア(読字障害)などのLD(学習障害)があっても動画だったら見て聞いて理解しやすいと思います。学校の授業だと書きながら聞いたり集中しづらい状況でも家でひとりなら集中もしやすいです。周りのがやがやで先生の声が聞きづらいタイプにも楽だと思います。

 

<わからないところを繰り返し学べる>

学校の授業は一つの単元を繰り返し教えることはあまりありません。どこかでつまづいても動画授業ならいつでも何度でもみることができます。わからないところはとことん、逆にわかるのであればどんどん先に進めることも可能です。お子さんのタイプにもよりますが、予習でわかる状態のほうが安心して授業をうけられるタイプもいます。

ひとつの動画がほとんどのものが10分前後なので飽きずに見ることができます。

わからないところをつきっきりで教えなくても動画を見せるだけですむのでとっても楽です(*´ω`*)

 

<先生を選べる>

動画授業をやっているところは色々あります。先生によって教え方もさまざまなので、お子さんの理解しやすい授業を探すことができるかもしれません。

学校では先生を選ぶことができませんが動画なら可能です。塾講師の方がやっていらっしゃる場合も多いので教え方も上手です。子供の理解度によってどこの動画を見るか使い分けることもあります。

 

<いろんな媒体を使って学べる>

youtubeですからスマートフォンでもタブレットでもパソコンでもテレビの大画面を使っても学ぶことができます。

ADHDで姿勢保持が難しい場合や、疲れやすいお子さんでもタブレットなら寝転んで学習することも可能です。特にやることがないときでもテレビ画面に映し出せば見てしまううちの子供たち。とても便利です。

テレビの大画面に映し出すメリットはなにをしていてもうちの子供たちはテレビに気をとられること!つけてさえいれば勉強が進む魔法のような話です(笑)

このテレビ画面にyoutubeを映すために先日wiiUを購入しました。以前、光BOXというのを使ってテレビに映していたのですが検索などの入力操作が困難でやめてしまっていました。

wiiUだとインターネットの接続もwifi環境があればカンタンで、画面のついたゲームパッドで操作もすいすい。テレビの大画面にも映し出せますし、ゲームパッドだけでもタブレットのように動画を見たりインターネットで調べものができます。

youtubeの動画をRボタンで倍速再生できますし、早送りも巻き戻しもスティックでワンタッチ操作できます。webサイトのスクロールもスティックでらくらく。もちろんタッチパネルでスマホのように操作もできます。twitterをテレビの大画面で見てツイートすることもできました。今更なんですがすごい便利!!

Wii U プレミアムセット shiro (WUP-S-WAFC)

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<無料で学べる>

インターネットにつなぐ環境を用意したり、テキストがあったほうがいい場合もありますが、基本的に動画自体は無料で見ることができます。最近は大手企業もタブレットを使った通信教育を月々いくらで配信していますが、子供が複数いたり年間にすると結構な出費です。無料はほんとうにありがたいです。

 

うちが使っている動画授業

 今、3ヶ所の動画授業にお世話になっています。

www.19ch.tv

「とある男が授業をしてみた」教育youtuber葉一さんがされている授業動画チャンネルです。小学3年からの算数、中学は各教科が揃っています。学校の教科書に沿って各単元があり、ポイントをしっかり抑えた内容です。それぞれの動画ごとに板書の問題をプリントとして出すことができます。現在小学2年の息子は数学検定3級(中学3年程度)まで取得していますがこちらの授業動画でみっちり学びました。

 

www.eboard.jp

 こちらはNPO法人eboardがやっている授業動画サイト。小学1年からの算数、中高は各教科が揃っています。無料登録することで学習マップが作られ、どれくらい学習が進んでいるか把握することができます。各単元ごとにマスタードリル、確認テスト、印刷できるプリントテストがついています。

こちらは小学1年からあることと概念理解がとてもやさしく丁寧に教えてくれますのでつまづいたところを理解するのにむいていると思います。

 

hon.gakken.jp

こちらは最近ツイッターでSONO@ははとこ盛岡さん(@hc_morioka)に教えていただいて知ったのですが、算数だけでなく、国語、理科、社会の全部の科目の動画があります。それも小学校で習う単元がすべて網羅してあります。科目ごとに塾講師の先生が ゆっくりとした口調で丁寧に解説してくれます。

こちらは小学5年生電磁石の授業です。

ただし、こちらはテキストが必要。そのテキストに沿っての指導になっていますので、あったほうがいいと思います。テキストにはDVDがついており、効果的な学習方法を教えてくれます。

テキストもとてもわかりやすいものでした。一冊で一つの教科の小学校で習うものになっています。

まずは理科から購入してみました。現在4年生の娘はテキストを読んで各単元の問題をノートにやり、わからない問題だけを動画でチェック。2年生の息子はまだ学校で理科をやっていないので動画とテキストの同時進行で問題を解いています。テキストだけでも十分おもしろいらしく夢中で読んでいます。

やさしくまるごと小学理科

やさしくまるごと小学理科

 

 国語、社会、算数も順次やっていく予定です。

やさしくまるごと小学国語

やさしくまるごと小学国語

 
やさしくまるごと小学社会

やさしくまるごと小学社会

 
やさしくまるごと小学算数

やさしくまるごと小学算数

 

テキスト代がかかりますが、一冊2200円で一つの教科まるごとと考えると安いのではないかと思います。市販のテキストに授業動画がついて万全のフォローです。 

最近ではwiiUを使ってテレビの大画面で毎日理科の動画を見ています。息子がノリノリで見ているのですが、宿題で疲れた娘も動画がはじまればくぎづけです。娘はテレビ画面がついていればそこに集中してしまう特性があるのでwiiU作戦はばっちりでした。

中学受験を考えているため、娘は5年生になる今年中に小学校の単元はすべて終わらせておく予定でした。このテキストと動画は本当にありがたいです。

息子は数学はどんどん進めているのですが、国語に苦手があり、それを動画授業で学べるのは助かります。

 

hon.gakken.jp

 やさしくまるごとシリーズには中学もそろっています。同じくすべてのテキストに動画のフォローつき。

読み書きに多少の困難を抱えていると英語でつまづくことが多いと聞きます。中学になれば学習のスピードも上がりついていくのも大変です。学習動画でわからないところをしっかりフォローできれば心強いですね。

やさしくまるごと中学英語

やさしくまるごと中学英語

 
やさしくまるごと中学数学

やさしくまるごと中学数学

 
やさしくまるごと中学国語: DVDつき

やさしくまるごと中学国語: DVDつき

 
やさしくまるごと中学理科: DVDつき

やさしくまるごと中学理科: DVDつき

 
やさしくまるごと中学社会: DVDつき

やさしくまるごと中学社会: DVDつき

 

 お子さんのタイプによっては合う学習の方法は様々だと思います。ひとつの方法として動画授業を紹介してみました。

その他、スマホやタブレットのアプリを使った学習はこちらにまとめてあります。

nanaio.hatenadiary.jp

 最初のページはコミュニケーションアプリのまとめになっていますが、一番下に国語、算数、理科、社会の学習アプリ各まとめリンクがあります。

 

nanaio.hateblo.jp

  うちの子供たちが使っている家庭学習教材はこちらに学習漫画やDVD、テキストなどを紹介しています。

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ケース会議とは? チームで子供を支える特別支援教育

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お子さんが学校で困っていることについて、担任の先生に直接支援をお願いしても、先生がお忙しかったり、意見がかみ合わなかったりで、なかなか解決に向かわないことがあると思います。

そんなときはケース会議が役に立つかもしれません。担任の先生と保護者だけでなく、チームでお子さんの支援を考えていく仕組みです。

うちでは現在小学校4年生の娘について、学校で定期的にケース会議を開いていただいています。

ケース会議とは、困っている子供に対する支援について、担任の先生一人で抱えず他の先生方や保護者、時には外部の専門家などを交えて支援をみんなで考えて支えていくために行われるものです。

校内の先生方で情報共有として行われる場合と、保護者などを交えて行われる場合があるそうです。

 

ケース会議を行うには

発達障害など困難を抱えたお子さんの学校生活において、なにか困っていることがあるときに、担任の先生にケース会議を申し入れすれば開いてもらうことが出来ます。

お子さんの診断や特性について前もって学校に知らせてある場合でも、学校側からケース会議をやりましょうとはなかなか言ってもらえないものだと思います。

ケース会議も保護者側が知っていて申し出をしないと実現しません。ただし、学校の先生方は大変お忙しいので、なにか困ったことがあるときだけにお願いをしたほうがよいと思います。

 

参加メンバーは?

うちの場合、私と担任の先生、特別支援コーディネーターの先生の3人で行っています。

保護者、担任の先生、第三者で行われることが多いようです。

うちの場合は特別支援コーディネーターの先生が、知識も豊富で特別支援のスペシャリストと呼ばれている方なので助かっていますが、学校によってはあまり知識や支援技術をもたない方が特別支援コーディネーターになられている場合もあると思います。

(特別支援コーディネーターは各校に一人配置が義務付けられています。支援学級の先生、養護教諭や校長など管理職の先生が兼任されているケースが多いと思います。)

第三者は学校内で他にお子さんの支援について理解や知識の深い方がいらっしゃれば(主任や管理職などでも)お願いすることが出来ると思います。

その他、療育や病院、デイサービスなどそのお子さんの特性や支援方法に詳しい方がいらっしゃれば学校外の専門家として参加していただくことも可能です。ただし、学校は外部の方が入ることを嫌がる場合もあるそうなので事前に学校と話し合いの上でお願いすることが大切だと思います。

私の住む自治体では教育委員会から問題を抱える子供の支援方法について学校との関係調整などを行う専門の方が福祉事務所に配置されており、ケース会議に第三者として参加をお願いすることも可能です。

地域の子供相談センターや発達障害者支援センターなどに問い合わせれば、お住まいの地域の制度を教えてもらえると思います。

怒りをコントロールできない子の理解と援助―教師と親のかかわり

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何を話し合うの?

私の行っていただいているケース会議では、保護者、担任の先生からそれぞれ子供の今の現状や困っていることについて話します。

そしてその原因について考え、支援方法の提案があり、学校、家庭のそれぞれで出来るものを決めていく形です。定期的に行っているので、前回からの子供の様子の変化、つまりその支援方法によってどのような効果があったかも話し合われます。

定期的に回数を重ねることでPlan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)を繰り返すPDCAサイクルのように行われています。

うちの場合は特別支援コーディネーターの先生が全てインタビューしてくださり、支援方法もさまざまな形で提案して下さいます。

娘の場合、授業に集中するために席を前のほうにしてもらうようにしていただいたのも一つの例です。クラスではくじ引きで席を決めているのですが、周りの子にわからないように席を指定する裏技もあるそうです。

一時期、薬の調整で宿題が出来なくなったときには宿題の軽減、文字がすごく乱れていたときは担任の先生が毎日きれいに書いた日には番号をつけて下さり、その数字を伸ばすためにがんばる工夫、授業中の問題、クラスのほかのお子さんとの人間関係の問題、家庭で不安定な時期に私の子供への接し方のヒントまであらゆる提案をいただいています。

問題があるときは毎月行っていただき、今は落ち着いてきたので学期に一度のペースで行っていただいています。

ないとは思いますが、申し出たけども相手の先生がケース会議ってなんじゃらほい?という場合やうまく話が進まない場合には国立特別支援教育総合研究所のこちらを参考にしていただければと思います。

forum.nise.go.jp

 こちらは福岡市の発達教育センターのケース会議マニュアル。保護者参加型ではなく学校内で行われるもののマニュアルのようですがかなり詳しく載っているので参考になると思います。(PDFです)

http://www.fuku-c.ed.jp/schoolhp/hattatuc/5download/h24ke-sukaigi.pdf

 

チームで支援していくことの大切さ

 先日、私の所属している通級指導教室親の会で、中学校の通級指導教室の先生をお招きし、中学校での支援についてお話を伺いました。

中学校では科目ごとに先生が違います。先生方で学年団というチームとなり毎週子供たちの情報を共有しているそうです。その中で支援が必要な子供たちについても特性や支援方法などが情報共有されていると伺いました。

科目ごとに得意や苦手の差が大きいと担当の授業だけを診ていたら先生の評価も大きく違ってくるでしょうし、情報を共有して下さることでいろんな先生の視点から子供を支えていくことができます。

小学校ではほとんどが担任の先生によって授業が行われていますが、先生と子供の相性や、障害への理解度の違い、支援技術の違いが、先生によって大きく違います。学年が変わり担任の先生が変わってもしも理解の薄い先生に当たってしまったら・・・

1年間、子供は毎日辛い思いをしながら学校に通わなくてはなりません。たった1年でも大人よりは世界の狭い子供にとって大きな問題です。不適切な対応によって心に大きな傷を負うこともままあることです。

我が家の場合は運よく今まで理解のあるすばらしい先生方に恵まれてきました。しかしこれからはどうかわかりません。毎年学年の変わる4月には祈るような気持ちでいます。

でも、ケース会議などを通じて、担任の先生だけではなく他の先生方や管理職の方々と繋がることが出来れば、その不安も軽減します。

仮に担任の先生と支援についての意見がかみ合わなくても、第三者の入る会議を通じて支援方法を客観的にみて下さいますし、継続してケース会議を行うことで支援方法が適切であったかの検証、改善に向かった話し合いを持つことが出来ます。

ケース会議は記録され子供自身の情報として学校に保存されています。今までの経過を学年が変わっても資料として引継ぎされています。

必要な場合は学校外の支援機関との連携としてケース会議を行うことも可能なのです。

教室でできる特別支援教育のアイデア172 小学校編 (シリーズ教室で行う特別支援教育)

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 家庭でも、家族の中だけで問題を抱え込んでしまえばどうしても視野が狭くなり問題がこじれがちになります。自分ひとりの尺度では限界があるからです。

多くの人の視点、考え、アイディアがあれば解決への道筋が立ちやすいものです。子育ても同じく多くの人によって子供を支えることがよりよい育ちに繋がっていくと考えます。

私も子供に診断が付くまではひとりで抱え込み抜け出せない暗闇のなかでもがいていました。今では学校や医療関係、療育など様々な専門家の方々、同じく発達障害児を育てる保護者の方々とのつながりをもつことができて、たくさんの知識や子育て、支援のアイディアをいただいています。今は孤独ではありません。

家庭という狭い空間の中だけで困難を抱えた子供を育てるということは、鋼よりも固い心を持たない限りとても危険なことです。是非周りに助けを求めてほしいと思います。

時には、学校と意見が合わず対立してしまうこともあるでしょう。

でも基本的には学校と家庭は連携し子供を共に支える同士だと思っています。

出来る範囲で良好な関係を保ちながら、子供の学校生活や育ちを一緒に支えるためにケース会議はとても役立つ方法のひとつです。

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